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-件のコメント

[C537] それでは、僭越ながら自分が一発目をぶん殴らせてもらいます。

クロノぉおおおおおおおおおお この、むっつりスケベめ!!豆腐の角に頭ぶつけて地獄の落ちろ!!
 

シャマルさんは存在がエロいなぁ、とかシグナムは実にバカだなぁとか、なのは嬢はあいかわらずいい魔法少女だ、とかアステマさんの歯磨き姿最高ッスとか、ドリルは浪漫だとかいろいろ言いたいけど・・・
やったねガンザくん生きてたよ、わっほい!!

差別と区別の違いがよくわからないうえに五体満足な人間であり、身近にそういった人がいない自分としては、友達くらい信じてやろうぜ的なことしか言えないです。差別も区別も、するほうじゃなくてされるほうがそれを認識して判断するんだと思うので、やっぱり効果的な慰め方とかわかりませんよ。「それでも、君は人間だ」の言葉で救われるんならそれでいいんじゃないでしょうか。それもまた人徳だと思います。
でもきっと、そういうのをみんなが幸せになるように救えるのが魔法少女の専売特許なはず。愛とか友情とかが世界と心の闇を救うんですよ。


  • 2009-10-30
  • 投稿者 : TFJ,
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[C538] 見上げればそこには

クロノちゃんってば、盛ってるねぇ~。
エイミィとにゃんにゃんしてないからに違いない。

・・・てか、ストライカーズ終了のお知らせなわけで・・・
脳みそはどこかで頑張ってるのかな~?
とかいろいろばっきばき折られたフラグの行方が気になるところ。

とりあえず、スカ先生、あんただけでも・・・
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : ぎるばと
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[C539] コメントありがとうございまー

○TFJ,さん
 クロノ君に8000のダメージ。スタン発生。
 クロガネはその五体不満足な人や違う物が埋め込まれた人を沢山見ているので、何となく区別主義者になっています。男は男、女は女、ジュースはジュース、酒は酒、みたいな。
 しかし差別主義者は周りから見たら “冷たい人” なんで、クロガネにはきっと魔法少女みたいな人徳はないのでしょう。
 (´・ω・`) ショボーン。子供には好かれている自信あるのに……

○ぎるばとさん
 溜まっ――ごほんほごん、仕事で忙しくて疲れているんです、きっと。労わってあげて下さい、殴ったりとかして。
 とりあえず、ストライカーズのフラグばきばきどころか、A´sの最終回EDのフラグすらばっきばき。
 まあ、もっとも、この話はストライカーズが始まるよりも前のプロットを元に書いてますからー。
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : クロガネ
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[C540]

鬱展開終了宣言後の方が鬱が酷い!

クロガネさん的には機能ではなく構成素材によって人間か否かを定義してるってことなんですかね。人間と同じ心を持ってても守護騎士は守護騎士、ロボットはロボット、と。
となると、例えば体に大きな損傷を受けて部分的に、または全てを機械に置き換えた人はどういう扱いになるんでしょうか。義体、義手・義足、車椅子、杖、眼鏡、どこまでが人間の定義なんですかね。
というか、奇形の人は形状や内臓の位置とかも違いますし、人種によっても肉体性能は全然違いますし、自分と血縁者ですら差異はあるわけで。ウサイン・ボルトとか私から見るとどう考えても化け物(ぉ
や、区別主義を否定する気は無いんですが、人間と化け物の区別というのは、どこで境界線を引いてるのかなと。
ちなみに私の場合、外面を一切無視して意思疎通がある程度行えるかどうかで人間か否かを区別しようと考えてます。腕の数とか甲殻の有無とか、生化学的構造体か電子的プログラムか、とかは個性の範囲ってことで。
この場合、肉体的には完全に人でも脳を損傷したりして意思の在り様が完全に変質してしまった精神疾患者とかは人間ではないことになるんですが。
いやまあ、そもそも人間か否かなんてそう大した差でもないと思うんですがね。実際目の当たりにした時に理性がそう言っても感情がどう反応するかはわかりませんが。
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : HAL
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[C541] コメントありがとうございまー

○HALさん
 いえいえいえいえ、これは鬱ではなく暗いだけです。そう、鬱ではなく暗いだけなんです! きっとこれは鬱じゃない! そうだと言って!

―――――以下クロガネの理論垂れ流し―――――

 クロガネの区別主義を語るととんでもなく長くなってしまうのですが、基本的にクロガネの人間定義は “あり方” です。この辺りはきっとクロガネの大好きな昭和仮面ライダーに毒されているでしょう。
 義手をはめている人間は、結局は人間です。が、腕の事に関してのみ言ってしまえば、「それは人間の腕じゃない」 って感じです。ライダーマンのあれです。
 胃ろうで酸素吸入の植物人間だって人間です。だけど 「意思疎通は取れない」 って感じです。区別。ここでも区別。

 が、ぶっちゃけこれはアリサが既に作中で代弁している通り “どーでもいい” 事なのでしょう。
 クロガネは化け物ならば化け物だと認め、そしてそんな化け物と仲良くなりたいです。
 化け物に 「君は人間だよ」 とか言って仲良くなりたくないです。だって、それってつまり 「人間だから仲良く」 って堂々と宣言してるようなものじゃないですか。人間以外と仲良くしないとか、クロガネは断固としてNO。トリーズナー・クロガネでござる。クロガネはにゃんこ大好き、小説大好き、犬が大好き、二次元に嫁はいないけど大好きで、リリカルなのはも大好き。どれもこれも人間じゃないし生き物でもないですが。でも人間以外とだって仲良くなりたいし好きになりたい。いるんだったら宇宙人とも仲良くしたい。クロガネは “人間” のカテゴリーにいて、君は “化け物” のカテゴリーにいる。それが事実。それを受け止めた上で、化け物だから仲良くなりたいんじゃなくて、君だから仲良くなりたい、そう言いたい。守護騎士という人間であるシグナム達と仲良くなるより、守護騎士であるシグナム達と仲良くなった方が、きっと互いの壁も薄くなって、もっと分かり合えるのだと、クロガネははやてに言いたい。
 化け物なのは認める。だけど、笑うか恐れるか仲良くなるか、それは “化け物” のカテゴリーの問題じゃないと思うのです。

 クロガネは、化け物と仲良くなった時、「やっぱお前は化け物だわw」 とか明るく笑いたい。
 だから人間は人間、化け物は化け物、ロボットはロボット、守護騎士は守護騎士、そこから入る。
 クロガネは区別主義者。
 事実は事実。そこでも区別。

 白人は白人、黒人は黒人。でも白人が黒人が仲良くなる時に、「君は白人だよ! だから仲良くしよう!」 って言われている、と説明した方が分かり易かったでしょうか……実際は皆、黒人だと認めた上で仲良くなるじゃないですか。黒人は黒人ですが、白人と仲良くなるときにはンなの関係ないのです。そんな感じ。

 独り言の垂れ流し的長文、失礼しました。
 コメントありがとうございましたー!
  • 2009-10-31
  • 投稿者 : クロガネ
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[C542] でも奇麗ごとが一番正しい

すずかは恋のライバルを消しにいった模様です(大嘘)。実際恋敵の家に行くってのも勇気がいるでしょうけど、それも幽霊屋敷じゃね……って君は覚醒時に御神の剣士一人と自動人形二体、オマケにネコを十数匹仕留めた(恭也達は生きてるけど)吸血鬼でしょうが、今更幽霊屋敷を怖がる必要はないぜ。そりゃとらハ世界は全シリーズ幽霊出てきてるけどさ。
本局完全壊滅ってことは、脳みそ評議会はもう生ごみになってるでしょうね。培養層なんて簡単に移動できないだろうし、できたとしてもこん状態じゃメンテもままならんに違いない。

人間観に関しては私も思うところがあります。ヴォルケンズが人間の外見じゃなく、クリーチャー的な外見だったら普通の小学生なら恐怖するでしょう。とらハシリーズの人外キャラも同様、ノエルだって人型じゃなくガンダムみたいな外見なら、恭也は恋愛対象として見たでしょうか?

例えば昭和の仮面ライダーなんかは、『製造法』は他の怪人と一緒なわけです。たまたま「バッタ男」に改造されてたけど、もしかしたら「イカデビル」とか「ヒルカメレオン」みたいなのにされてたかもしれません。一般市民が怪人や戦闘員に襲われてる場面に、グロテスクな怪人が助けに入っても多分怖がられる。

外見が人間でも難しい事も。私は仕事の関係で、『植物状態』の人間に接する機会が多いのですが、時々こう思ってしまうことがあります。
「声も出せない、動けない、食事もできない、排泄は垂れ流し、考えれることもできず寝たきり生活。今目の前に居るのは『人間』か?人の形した肉で出来た『もの』ではないか?」
職種上あるまじき考えなのですが、こう思ってしまうことも多々あります。体が人間でも人間としての機能が失われた人間は人間なのか?人間としての機能があっても機械を人間と言っていいのか?
生命倫理・人間観というのは考えても答えは無いのかもしれませんね。
  • 2009-11-06
  • 投稿者 : ミヅキ
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[C543] 雄介さんの名台詞を思い出す

○ミヅキさん
 逆に守護騎士の面々が可愛らしい動物形態 (ザフィーラの存在全否定ですが) だったら面白そうな訳ですが。まあ、C-3POくらいならセーフでしょうが、ヨーダだったらアウトなんでしょう。多分ヨーダはシグナムより強い。
 しかし実際100%怪人と同じ製造法なのは1号・2号・ストロンガー・スカイ・ZXのみだったりします。その中でも逃亡を誰も手助けする計画がないまま製造されたのは2号、ストロンガー、ZXです。それを考えるとこの3体、何で他の怪人と違ってヒーローの格好してるんでしょう……いや、2号は分かりますけど。
 生命倫理・人間観はもやは主義主張の数だけあるような気がします。
  • 2009-11-07
  • 投稿者 : クロガネ
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[C544] 一気に読みました。

ものすんごく面白かったです。

しかしアリサがぶっ壊れちゃったら事態の収拾がつかない気が・・・・このままではハッピーエンドってなんだっけという鬱展開の擦れ違い物語に。

それでもなのはさんなら・・・なのはさんならなんとかしてくれる・・・
  • 2009-11-09
  • 投稿者 : なまにく
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[C545] 感想言ったことないのに気になったからいってみる。

よく人間人間っていうけれど、人間と人って別物だと自分は思ってる。
人はヒトで、哺乳類。
人間はあり方とかそんな感じなもの。

なのははヒト、フェイトは人造人間、ヴィータはプログラム。
だけど全部人間、みたいな。
だから化け物に「君は人間だよ」じゃなくて、「君は人じゃない。だけど人間だ!」
みたいな台詞が見たいと思ったり。

あとはワンピースのチョッパーが仲間になるときみたいに、何者だという問いに、きっぱり
「化け物だ」と言っちゃったりするのも素敵。
「化け物」も「人間」と似た意味みたいなものだと思うし。
  • 2009-11-11
  • 投稿者 : ゴンザレス
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[C546] コメントありがとうございまー

○なまにくさん
 はじめましてー。
 まあ、ぶっちゃけクロガネは鬱過ぎるのは別としてもすれ違い物語りも好きだと言う(ry
 なのは嬢なら……なのは嬢なら……


○ゴンザレスさん
 大丈夫です、これもばっちり感想です。
 それだと、手も足もないレイジングハートはどうなるのだろうとふと思う。まあ、漫画ではツバサ生やしてヴィヴィオの周り飛んでましたが。
 クロガネはチョッパーかなぁ。
  • 2009-11-12
  • 投稿者 : クロガネ
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魔法の使えない魔法使いの魔法 51

第9章――第3節
――奇麗事が一番難しい――




 言葉が出ないとは、まさにこの事だった。
 地図を片手にすずかが辿りついた場所は、築何十年とも知れないとんでもなくボロいアパートで、日長である夏の太陽が地平線からさようならと手を振っているその薄暗さと合わせ、幽霊が団体で現れそうな雰囲気が漂っていた。
 ごくりと、思わず唾を飲み込んでしまう。
 一体何なのだろう、このアパートは。
 もしかしたら場所を間違えたのかも、とすずかは片手に持った地図に目を落してから改めてきょろきょろと周りを見渡すが、現実とは非情である、地図にチェックされた建物は目の前にある幽霊アパートだとその地図自身が告げていた。
「……えーっと」
 誰に聞かせる訳でもなく、すずかの口からようやく漏れた一言は、何となく腰が引けている声だった。
 すずかはこのアパートを知らない。
 アリサの部屋で発見した地図が妙に気になり、悪いとは思いながらも写させてもらったのだ。
 そしてその地図を身ながら辿りついたのは、このアパート。
 幽霊屋敷じゃないか。しかも狙ったかのようにカラスが鳴いた。
 ぷるっと、身体が一瞬震える。あまり雰囲気は醸し出してほしくない。
 ついでにちょっとだけ中を見させてもらおうかと、猫を殺すタイプの好奇心に釣られてアパートの戸を押してみる。
 ギシィッ!
「わっ!」
 反射的に後ずさりをするしかない。
 これはなかなか……覚悟を必要とするアパートだ。心構えを持って明るい時に来るべきだろう。
 そんな感想を抱きながら、やっぱり帰ろうと逃げるように背を向けて。
「―――?」
 ふと、足が止まった。
 明るい時に、心構えを持って、訪ねるべきだと、そんな些細なフレーズが頭の中に浮かんできた。前にその言葉を誰かが誰かに向けて言ったのを、どこかで聞いた気がする。
 もう一度、振り向いてアパートを見上げる。

『なのはは縁の家の怖さを知らないんだから』

 思い出した。
 思い出して、ああ、なるほどな、と納得してしまう。
 前に、アリサがそんな事を口にしていた。確かすずかにとって、きちんと縁と話が出来た、その日の出来事で。
 明るい時に心構えをもって訪ねるべきだと、アリサが口にしていた。
 もう一度地図に目を落す。
 そうか、このアパートは。
「――縁ちゃんの、家」












 なのはとの決意の差を見せつけられ、フェイトに出来たのは落ち込む事だけだった。
 黙々と書類仕事を片付けるフェイトの目に覇気はなく、代わりにスーパーで1尾幾らかで売られているような魚の目をしていた。
 大量にある書類を、その死んだ魚の目に通す。通す。通す。
 どこそこで看視者が施設を襲撃。
 死者何名。
 惑星に被害。
 次元振が発生。
 碌な話はない。陰鬱とさせられる話か、時空管理局の終焉を感じさせる話か――いや、“魔法” が根絶やしにされる予感だろうか。
 こんな書類は、もう役に立たないような気がする。
 縁が牙を剥いてからまだ半月と過ぎていないのに、世界は変わった。確実に、嫌な方法へと変わった。
 荒らされる世界。殺戮される人々。管理局員だろうが反時空管理局の者だろうが、ただちょっとだけ魔法の使えるだけの子供だろうと容赦なく殺される。その血生臭く、そして臭いに耐えられなくなり狂気に走る人々が増加の一途を辿る。
 もう終わりだと、フェイトは思う。
 思うのに。
 なのはが、眩しい。
 かつて己がその眩しさに助けられたと知っているだけに、分かっているだけに、余計に眩しい。
 そして自分もその眩しい何かに成れればと思った。誰かを救い、悲しみを取り払い、手を差し伸べられる、そんな眩しい、崩れ落ちる庭園の壁をぶち破ってまで伸ばしてくれたなのはのように眩しい、そんな存在になりたかった。
 それが無理だと知った。
 根本たる覚悟の違いを知った。
 それでも、なのはが眩しい。
 そう思ってしまう自分もいる。
 ぎっと、フェイトは歯を食いしばる。
 何でだろう。
 何でだろう。

 胸の奥にこびりつく違和感が、必死に何かを訴えるのは、何でだろう。












 よく分からない鳥のような生き物の硬い肉をもぐもぐと噛みながら、アステマは深く溜息を1つ。
 マズイ。
 無論、この肉が、だ。
 草原のド真ん中で焚き火を焚いて、その火であぶった肉は随分と硬く、昨日食べた魚の方が数倍美味しかった。今食べている肉は、何と言うかゴムをもっちもっちと食べているような気分になる。モツのようだ。
 焚き火の火が少し弱まったので、腰を下ろしている隣に置いた枯れ木を1本だけくべる。ぱち、ぱち、とその枯れ木が燃えるのを見ながら、更に肉を焼き、もう一口。もちろんマズイ。
 しかし食べねば餓死してしまう。正直な所餓死は苦しいのでアステマとしては勘弁してほしいのだ。
 更にもう一口で用意した分を全て口の中に放り込み、もっちもっちと噛む。
 まだ口の中に入っているが、アステマは隣に置いたコップと歯ブラシを取る。
 確か川があったのは向こうだったか、と思いながらよっこいしょと腰を上げる。ババ臭いとか言ってはいけない。
「ああ、そうだ」
 コップと歯ブラシを持ったまま、アステマは何か思い出したかのように振り向いた。

 戦場が広がっていた。

 魔道師が4人。
 そしてそれに群がるようにして、ドールタイプが12体。
 混戦、乱戦。懸命に戦っているその横で、アステマは飯を食っていたのだ。
「ふむ、なかなか」
 その乱戦を眺めながら、アステマは歯ブラシを持った手で顎を撫でる。
 魔導師は最初5人いた。1人当り3体ということでドールタイプは15体呼んだのだが、なかなか持ち堪えている方だろう。錬度が低い魔導師なので、もっと早く減るかと思ったのだが。
 魔導師はコンビを組みながら、確実に1体ずつ減らそうと頑張っているのが感じられる。
 至近距離から魔力弾を叩きつけ、その箇所に更に追撃を加え、身の丈ほどもある巨大な剣を装備していたドールタイプが中破する。それを援護するように、背中にキャノン砲を背負ったドールタイプが魔導師を狙って砲撃を加えるが、別の魔道師がその砲撃を防ぎ切る。
 個人個人の錬度は低くとも、それを補うだけのチームプレーを行なえる。
 全滅には時間が掛かりそうだ。
 からん、とアステマは歯ブラシをコップの中に入れる。
 それからアステマはポケットの中をごそごそと探り、数枚のカードを抜き出す。
「んー、ガトリング砲を試してみるか」
 そのまま片手で器用にカードを1枚抜き出す。
「それから剣と……ん? ドリル? また恋慈も妙な武装を搭載するものだ。まあ良い、ついでに試すか」
 更にカードを2枚抜き出し、その3枚をコップを持った手の指に挟んでから残ったカードを再びポケットの中に突っ込む。
 そして抜き出した3枚のカードをそれぞれに見てから、再び乱戦となっている目の前の戦闘へと目を戻す。
 先程中破したドールタイプが丁度消滅する所であった。
 これで残りのドールタイプは11体。
 その内5体は剣を持ったタイプで、更にその内3体はトゥーハンドのロングソードで、1体は馬をも斬り落とすかの如く巨大なバスターソード。そして両刃で刃渡りが70cm程の、ごてごての鎧であるドールタイプの巨体からすればショートソ―ドに当る剣を2本持ったタイプが1体。
 それに斧を持ったタイプと槍を持ったタイプが2体ずつ。
 そして火力支援用のキャノン砲を背負ったタイプが1体に、両腕を無反動砲に似た魔力砲に換装したタイプが1体。
 どう見ても前衛型が多い。
 ふむ、と一度唸ってからアステマは再び3枚のカードに目を下ろす。
「……剣、はいらんか」
 呟きながらアステマはカードを1枚ポケットへ戻す。
 それから改めて顔を上げ、アステマは2枚の内の片方のカードを目の前に構える。
「ロード、『兵士』 ――換装読み込み 『ガトリング砲 GAU-8』」
 その宣言と共に、アステマの後ろに7つの魔法陣が展開される。
 バチッ、と放電のような雷が走り、それからその魔法陣が輝き。

 ドールタイプが、“構築” される。

 “出現” ではなく、プログラムを篭められた魔力が組み上げられ、ドールタイプが足元から頭に向かって “構築” されていく。
 すぅっと、浮かび上がるかのように作られていくドールタイプ。
 左肩に担ぐように、背丈よりも大きい巨大なガトリング砲を装備した、ドールタイプ。
 アステマはそれに目を向ける事なく目の前に構えていたカードをポケットに仕舞い、もう片方のカードを再び目の前に構える。
「更に換装読み込み 『ドリル』」
 そして更に行なった宣言と共に、アステマの目の前に10個の魔法陣が展開。
 放電、その後からドールタイプが構築されていく。
 両手を巨大なドリルに交換した、不格好なドールタイプが。
 合計、17体。
 魔導師の誰かが、その光景に気が付いた。
 顔が青くなったのをアステマは確認してから、目の前に構えたカードも再びポケットに入れる。
「よし、殺せ」
 やる気のないような号令。
 その号令を合図とし、構築され終わったばかりのドールタイプが、まるで命が宿ったかの如く一斉に構えをとった。
 さて、とアステマは目の前の混戦から顔を背け、川がある方へと目を向ける。
 ガシャンッ、ガシャンッ、と、そのフルプレートの鎧のみで構成されているようなドールタイプの姿に見合わぬ軽快な足取りで、両手がドリルになっているドールタイプが魔導師めがけて突っ込んで行く。
 そしてガトリング砲を肩に担いだドールタイプは飛行魔法を発動、5m程の高さに浮かび上がった後に足元に魔法陣を展開させると、その魔法陣から伸びたチェーンタイプのバインドで胴体を魔法陣との間に固定。その肩に担いだガトリング砲の砲門を混戦の中を飛び回る魔導師に向けた。
 その時点で既に、アステマはそれに興味が失せていた。
 管理局の人間を血祭りに上げられるのにな、と失笑しながらアステマは歯ブラシの入ったコップを揺らす。
 轟音と悲鳴が、上がった。












 圧倒的な実力差を覆すことは可能か否か。
 高町なのはは知っている。それは可能だと知っている。
 戦略、戦術、状況、環境、罠などを工夫すれば、実力差など軽く埋める事が可能なのは教導官たるなのは自身、いつも人に教えている事柄である。その気になればDランクの魔道師がAランクの魔導師を打破する事は可能だ。
 真っ正面から・小細工なし・相手と距離を置いて開始、という訓練や試合のような行儀の良い実戦戦闘など普通はない。まして相手を “殺さない” という事に構わないならば、奇襲上等小細工満載で実力差などという綺麗な血統書を破り捨てるのは更に簡単になる。
 極端な話、AAA+という実力的には他者を圧倒する才能に恵まれたなのはでも、良い気分で風呂に入ってダラけている時に超々長距離からの高速弾丸の狙撃など受けたら対処しようがない。
 高町なのはは考える。フェイトが怯える程、それこそ天変地異より酷い実力を備えた縁を打破する事は可能か否か。
 それが可能だと、なのはは確信を抱いていた。
 健康体であるという事で早々に病棟を追い出されてからなのはが最初に行なったのは、縁に関しての情報蒐集である。
 自分が撃墜されてから今までの縁の軌跡、そして撃墜される以前の情報も集めたい。しかし、半ば崩壊している管理局の情報網では集めるのにも限度があり、しかも信憑性も低いときた。

「と、いう訳で、お仕事手伝うので情報閲覧の限定を引き下げてください」
「エイミィ、頭痛薬と胃薬はないか?」
「全部飲み尽くしたよ、クロノ君が」

 びしっと敬礼を決めてアースラへ挨拶しに来たなのはを見て、クロノは眉間に皺を寄せ、エイミィは空になった薬箱をクロノに投げつけた。
 無茶をしますと豪快な文字で書かれた張り紙を清々堂々ぶら下げたなのはは、フェイトから聞いたよりも酷いとクロノは頭痛を覚えてしまう。ある意味生き生きとしているなのはの目は、縁を張り倒して止めてやろうという気迫がひしひしと感じられる。かつてフェイトと対した時やヴィータと対した時と同じような目の色をしているのだ。
「ほら、ごたごたがあって私ってまだ貸し出しでアースラ所属だよね。だったら情報閲覧の許可も発生するはずなんだけど」
 ね? とまるでねだる様に訊ねるなのはに、そう言えばフェイトと共に縁に対応させた時に教導隊からなのはを借りたままだと思い出し、クロノは深い溜息を一度吐く。
 縁に関して、今最も情報を持っているのは他でもない、アースラである。
 もはや崩壊しかかっている管理局が一丸となって縁の抹殺に乗り上げているが、正式に任を背負っているのは未だアースラなのだ。短純に書面を通してわざわざ他に任を通告している暇がないという理由なのだが、お陰で読みたくもない暴れまくってる縁達の情報はどっさりと入ってくるし、それ以前の情報も豊富にある。
 なので、縁について情報を集めるならばアースラに乗り込むのが一番手っ取り早いのだ。
 故になのははアースラに来た。迷う事なくブリッジまで一直線で。
 隠す気もないなのはの魂胆に、クロノは更に溜息を重ねる。
「まぁ、働き手が増えるのは歓迎だよ……」
 本当に歓迎しているのかは謎な一言。
 それでもなのはは満足そうだった。
 そしてブリッジクルーにも挨拶をそこそこに、なのはは縁について洗い出す。
 縁は強い。
 確かに強い。
 圧倒的、むしろ絶望的な程に実力差が開いており、更にはその実力差の程度も測れない位ときた。

 が、絶対無敵、ではない。

 フェイトが遭遇した時、縁は魔力刃により首を軽く傷を負っている。
 ヴィータと遭遇した時、縁はシグナムの剣で負傷している。
 つまり、魔力的な攻撃も、物理的な攻撃も、一定の条件下では十分に通用するというのは証明されている。
 そして、それを妨害するのが魔力無効化のスキルと馬鹿みたいに硬い防御壁であるシールド。逆に言えば、この2つを使わせなければ縁に対してダメージを与えられる。
 高町なのはは調べる。
 魔力無効化のスキルは、実際どれだけの能力があるのか。
 虚数空間のように魔法を完全にキャンセルするのか、それとも大幅に魔法を減衰させるだけなのか。それから非殺傷設定と殺傷設定では効果に違いはあるのか。属性付加の場合はどうなのか。
 高町なのはは調べる。
 シールドの性能は、実際どれだけのか。
 硬度限界は推測できるのか。術式割り込みのバリアブレイクでの破壊可能時間は。結界貫通は有効なのか。
 縁は無敵ではない。
 それを崩す、その情報は多くて損はない。
 資料を片っ端から流し読む。読んで重要なところを全て保存。
 ブリッジの片隅でその作業に没頭するなのはの姿をちらりと見て、クロノは再び溜息を吐いた。
「やれやれ」












 ぎしぃ、と悲鳴にも似た足音を聞いた瞬間、頬を引き攣らせながらすずかは回れ右にと身体が動いた。
 雰囲気はばっちりだ。怖過ぎる。
 ここは縁が住んでいるアパートかと思ったのだが、どう考えても違うだろう。ここは明かに人が住むアパートではなく、取り壊しを待っているアパートだ。立ち入り禁止の札はなかったが、きっと貼り忘れなのだろう、きっとそうだ。
 自身に言い訳するように心の中で呟きながら、すずかは薄暗いアパートの廊下をぎっしぎっしと早足で出口に向かう。
 これはない。
 床が腐っているとか、日が入ってこないとか、幽霊屋敷じゃないか。
 足を一歩踏み出せば、踏みつけられた床が悲鳴の如くぎしりと鳴る。
 隙間風が入り込んで、足に生暖かい空気がぬっとりとまとわりつく感覚がする。
 それに空気が悪い。埃っぽいというよりも、純粋に空気が重く感じるのは心理的なせいなのか。
 これは、ない。
 入らなきゃ良かったと思いつつ、若干青い顔ですずかはアパートの玄関に辿り着き

 がたがたがたっ!

「ひゃあ!?」
 文字通り跳び上がった。
 何事かと振り向くが、何もない。風が吹いて窓を揺らしたような音だった。
 やめてよもぉ、心臓に悪いよぉ、と泣き言を口にしながら再び玄関に視線を戻して、ふと、玄関の向こうにある物に目が留まった。
 郵便受けだ。
 何だ、あったのか。
 正直な感想だ。入る時にはまるで気がつかなかった。目の前のボロアパートに圧倒されていて目に入らなかったというのが正しいが。
 玄関を出、ようやく外に出られたと1つ伸びをしてからすずかは郵便受けへと近寄った。
 郵便受けの1つだけ、嫌にチラシとDMが突っ込まれている。
 汚れている郵便受けの名前の部分を、すずかは人差し指でさっと拭く。そこには、しっかりと書いてあった。
 『うみなり えにし』 と。












「はやてちゃん、休んだ方が良いんじゃないですか?」
「ん……ここの適合できたらなー」
 ふと聞こえた家族の声に、はやては紙の資料が山積みとなったデスクの前にしながらも空間モニタを穴が開くほどじっくり見ながら気楽に返した。
 もはや誰も使用していない資料室に、缶コーヒーと怪しげな宣伝文句が謳われた眠気解消ドリンクが大量に転がったデスクを占領しながら、八神家の長女の案じる声を右から左へと流し、はやては既に数日風呂にもシャワーにも恵まれずヨレヨレな髪をぼりぼりと掻き毟る。ブロンドの長女が 「ああっ、女の子なのに!?」 と悲痛な声を上げているのも右から左。
「なんでやー? ここの数値合ぅてるやろー? 起動数値は十分にクリアしてるんやし、移植も問題あらへんし――ちぃ、また式が矛盾しよった。ロストロギア名乗るんやったら もうちょい根性見せんかい、ヴィータ虐めたんは嘘かいな」
 モニタとにらめっこ勝負をしながらも、あまり慣れているとは言えない指捌きでかたかたとキーボードを叩く。頭の使い過ぎのためなのか、そろそろ頭から煙が上がりそうな勢いだ。
 これは絶対に休む気がないな、と溜息を漏らしながらも八神家の長女・シャマルは己の指にはまるクラールヴィントに目を落す。
 くんっ、と右手薬指の先から小さな魔法陣が展開される。ベルカを示す三角を主体とした幾何学模様がぐるぐる廻る。
 その指ですっ、とはやての首筋を撫でる。
「ぁひゃん♪」
 アヤシイ声で鳴いた。
「へ、へんな声出さないで下さい!」
「い、いやせやかて、私下半身阿呆になってた分、上半身に弱点と言うか性感帯多いよって」
「そんな暴露いらないです!」
「大半がお風呂に入っとる時にシャマルに洗われながら開発されたんやけど。背筋とか、鎖骨とか、左肘の裏なんてマニアックな部分まで」
「なっ、開発なんてしてません!」
「いや、絶対シャマル面白がって――お?」
 笑っている口元を手で隠しながらシャマルで遊んでいると、何かに気が付いたかのようにはやては突然肩を回したり首を回したりして自分の身体を確かめる。
 話がマズイ方向へと向かっていたので中断されて良かった、とシャマルは一息。
「おー、大分楽になっとる」
「治癒の応用です」
「……八神家一のテクニシャンの指先で行なわれたリフレッシュ」
「ちょ!」
「嘘々、ありがとな。シャマルの魔法は、暖かくってよぉ効くわ」
 そこでようやく、邪気のない笑顔を向けられ、不意打ちのようなそれにシャマルは顔を赤くして言葉に詰った。
 安心したという、綺麗な笑顔で。
 いけない、何で顔を赤くしなければならないのか。シャマルは顔を隠すようにしてぺちりと一度、自分の顔を右手で覆う。
「気休めですけど」
 とりあえず、言い訳のようにわざとらしく溜息をつきながら注意を一言。
 実際、体力を回復させる魔法と言っても、万能でなければ応急処置でしかないのは事実である。しっかり食べて栄養補給をし、しっかり寝て身体を休め、息を抜いてストレスを解消して、そうやって根本から身体を労わらなければいつかは反動が来てしまう。
 それが分かっているのかいないのか、はやては呟くように せやなぁ、と口にして。
「正に骨休め」
「まず休め、と言わせてもらって良いですか」
「……さー、もう一息いこかー」
「もしもーし、はやてちゃーん」
 袖を巻くって再びモニタへ向かおうとするはやての頭を、流石のシャマルも頬を引き攣らせながらがちりと掴む。
「そろそろ冗談の域ではないんです。今ので身体の負荷を除いても、精神的なストレスはそろそろどうしようもないんです。休憩してください」
「せやけど、これがもうちょいで――」
「クラールヴィント、眠りの誘いを」
「ごめんなさい」
 シャマルの目は本気だった。
 とりあえず土下座する勢いで謝る。「あかん、敬語責めに目覚めそう」 なんて言葉が頭の中に浮かんだが、それを口にしたが最後、シャマルは笑顔のまま警告なしで実力行使に打って出る事は想像に易い。
 強制的な休憩は勘弁願いたい。
「しゃぁない――あかん、気ぃ抜くと眠ってまいそう」
「眠るのが一番ですけど」
「起きる自信があらへん」
 ぎしっと背凭れに背をかけて伸びをすると、気が抜けた分一気に睡魔が大群で襲ってくるような幻覚を覚えた。
 疲れてるんかな、と呟くと何故かシャマルが白い目を向けてくる。新しい何かに目覚めそうな気分だ。
 徹夜三日目だが、シャマルの魔法でどうにか徹夜一日目の調子が出てきているのに寝てしまうのはもったいない。
「あー、シャマルー、鞄取ってー」
「はいはい」
 だらしなく背凭れに身体を預けるはやてに苦笑しながらも、シャマルは隣の椅子に放り投げられている鞄を取る。小学校で使っている指定の鞄だ。
 妙に重いそれをはやてに渡すと、ありがとなー、と言いつつはやては鞄を開いて中を漁りだす。
「んー、確か何だったかの本を入れっぱなしで……『主婦のための1週間献立表』 は、ええか」
「何で持ってるんですか」
「レシピ研究。あとこれが」
 鞄の中に料理本を戻してから、鞄の中に入っていた一冊の小説を取り出す。
 表紙を見て、はやての表情が一瞬曇った。

『獄門島』

 新しく買ってしまった、1冊だった。
 全部読み終わっていると言うのに、面白くてつい買ってしまった。そんな1冊。
 はやてとしては横溝氏の小説ならば人形佐七の捕物帳が好きで、正直な所金田一はあまり好みではなかったが、それでも獄門島は好きになれた。
 食わず嫌いの読まず嫌いだったのかもしれない。貸してくれて良かったと、今では思う。
 そう、縁が貸してくれて。
 縁が。
「……はやてちゃん?」
 固まったはやてに、シャマルが首を傾げて顔を覗き込んで来た。
 その声で我に帰る。
「おー、ちょっとな」
 そう返しながらも、獄門島の小説にもう1度目を落す。

 あの時、怯えて怖がった、その相手は縁だった。

 悪い事をした。
 攻撃して、泣いて、喚いて、悪い事をした。知らなかったとは言え、悪い事をした。
 それを考えると、ブルーだ。
 あれが縁だと知っていたら、なんて今更な言い訳だろうか。まして恋慈だと勘違いしてしまって。
 馬鹿な事をした。
 そう思えて。
「なぁ、シャマル」
「はい?」
 獄門島の小説に目を落しながら名を呼ぶはやてに、シャマルは首を傾げながらそのまま返事をする。
 睨みつける。そんな表現がぴったりな目つきで小説の表紙を見、はやては数秒間を置いた。
「――シャマルは、人間や、ないんよな」
 一句一句はっきりと、はやては口にした。
 ぴたりと、その言葉にシャマルは固まる。
 当然と言えば当然で、シャマル自身含め守護騎士は自分達の事をそのようにきちんと認識してはいるが……はやてがそれを口にすると、何故かショックを覚えてしまった。
 確かに自分はプログラム。人間とは程々遠い存在である。
 返答に詰まってしまったシャマルに、はやては小説を鞄の中に戻し、そしてまっすぐシャマルの目を見据えるように振り向きながら顔を上げる。
「それでも、私はシャマルの事、私と同じ人間やって思ぅとる」
 にこっと、笑顔で。
 苦笑が混じる、そんな笑顔で。
「それだけの事なんよ――結局は」
 言えば再びはやては背凭れに身体を預け、天井を仰ぐように頭を後ろへ下げる。ぽかん、と口が半開きになる。
 何だか自己完結をされてしまったようで、シャマルは返答に困った。そうですね、とも返せず、何の事ですか? と聞くのも場違いな感じである。
 一瞬はやては遠くを見るような虚ろな目をしてから、溜息と共にその目を閉じる。
「ルックスで正義のジャッジメントはしないなんて、よー言うわ自分」
 苦笑いのまま呟く。
 え? とシャマルは聞き返すが、はやては答えずにゆっくりと深呼吸をし
「………くー」
 眠りに、落ちた。





 シャマルも、シグナムも、ザフィーラも、ヴィータも、そしてリインフォースも、皆人間じゃない。
 それははやても理解していた。
 でも、それでもはやては皆を人間だと思っている。
 泣いて、笑って、相手を想える、皆、素敵な人間だと。

 人間だと、そう思えたのは結局、皆が人間と 『同じ姿をしていた』 という外見的理由も大きかったのかもしれない。

 シャマルも、シグナムも、ザフィーラも、ヴィータも、そして本の姿ではあったが最終的にリインフォースも、全員が頭があって腕が2本で足が2本で、八神はやてと変わらない人間の姿をしていた。地球に住む人間と、“外見” は何ら変わりがないのだ。
 だからはやては皆を人間として扱った。家族として扱った。
 でもそれは、“外見” が人間と同じだったから。
 だが、違う。
 守護騎士の皆は、生身の肉体ではない。
 年を生きても歳を重ねる事がない、プログラムで出来た身体。人間かそうでないかと聞かれたら、人間ではないと答えるしかない。

 守護騎士の皆は、縁と同じく “化け物” 寄りの存在である。

 もしもシャマルが。
 もしもシグナムが。
 もしもザフィーラが。
 もしもヴィータが。
 縁の、看視者と呼ばれたあの姿をしていたら、自分はどうしただろう。
 あの運命の日、あの光と共に、明確に “人間ではない” と外見で判断できる存在が現れていたら、それらを人間として見れただろうか。家族として扱えただろうか。
 もしも、もしもリインフォースが、その闇と同じ姿で現れたら。
 あの姿で現れたら、自分はリインフォースにリインフォースと名を付けられただろうか。
 自信はない。看視者と呼ばれる姿で現れた縁を見て、泣いて喚いて取り乱したのは事実だ。
 はやてが八つ墓村で怒りを覚えた主人公の態度と同じ事を、はやては知らず知らずにしていたのかもしれない。
 今更ながらに思う。外見で判断するのは悪い事だと、よくも自分は縁を目の前にして言えたものだ、と。
 戦う交通安全の人は半分ギャグだが、彼の言った事はとても正しい事で、そしてとても難しい事だった。
 難しいけど、とても正しい事だろう。
 シャマルや、シグナムや、ザフィーラや、ヴィータを人間と同じような存在としてみるならば、縁だって何の変わりもない存在だ。
 確かに化け物だが、あの看視者は海鳴 縁だ。人間じゃなかったが、あの看視者は海鳴 縁だ。あれだけ醜い存在だが、あの看視者は海鳴 縁だ。
 たったそれだけの事だったのに。
 見た目で判断してしまった自分は、馬鹿だ。
 申し訳ないという気持ちでいっぱいだ。
 自分の愛する家族に対して。
 そして、縁に対して。
 申し分けなくて、自分が情けなくて、罪悪感がずっしり胸に溜まっていて。
 謝りたいと、心の底から思うのだ。













「高町教官!」
 資料を読み漁っていると、何やら懐かしい声になのはは顔を上げて声の方へと振り向いた。
 針金製の鳥の巣。
 そんな印象のその髪に、なのはぱっと笑顔が浮かんだ。
「ガンザ君!」
「ご無沙汰っす! 復調と聞きました!」
 かつての教え子であるガンザがどうにか様になってきた敬礼を決めるのを見て、失礼ながらなのはは少し笑ってしまう。
 前は制服に着られている感じがしていたのに、ちょっと見ない間にすっかり制服姿に馴染んでいる。成長していると言うべきか。
 きょとんとしたガンザに、なのははごめんごめんと返す。
「ガンザ君は、元気そうだね?」
「んー、死にそうな目には何度か遭ったっすけど、教官の訓練に比べたら平気っすた」
 五体満足で怪我らしい怪我もない元気なガンザがからから笑うのを見て、なのははちょっと落ち込んだ。何だろう、もしかしてガンザにまで悪町教導官とか思われているのだろうか。半分正解である。
 空間モニタを待機状態にしてからなのはは椅子から立ち上がり、ガンザの真正面に立ち……ガンザの顔を見上げる。
 はて、ガンザはこんなに身長高かっただろうか。
「あれ、ガンザ君、見ない間で身長伸びた?」
「へ? えと、どうっすかね、最近測ってないから分かんないっすけど」
「なんか、随分と背が伸びたような、って言うか顔の位置が高くなったような」
「高町教官の復帰を待ってたら本当に首が長くなったんじゃないっすかね」
 我ながら上手い事を言えたと満足げなガンザになのはは苦笑を漏らすように軽く笑ってから、自分の頭の上にぽんと開いた右手を置く。それから真っ直ぐ高さを崩さないようにしてガンザまでその右手を水平移動させ、とん、とガンザの首に当たった。
 なのはは首を傾げる。身長差は前と変わらないようだ。
 妙に大きく見えるガンザの違和感になのははんー、と唸りながら一歩後ろに引き、そこで何かに気がついたかのように手を鳴らす。
「そっかそっか、ガンザ君はもう、生徒じゃないって事だね」
「?」
 今度はガンザが首を傾げる番である。
「胸を張ってるからね、大きく見えたんだ。いっぱい自信がついたんだね」
「えっと?」
「立派に一人前にな――」

「半人前にはなったって事だよ」

 意味を飲み込めていないガンザへ苦笑しながら言うなのはの言葉を遮って、上から言葉が降って来た。
 上。
 艦長席の方である。
 ん? と揃って顔を上げる。そこに見えるのは当然ながら艦長であるクロノだが、僕じゃないと言うかの様に首を振られた。
 と、隠れていたのか、艦長席のスペースから身を乗り出すようにして女の子が1人にょっと生える。
 吊り目が似合う、赤毛の少女で。

「よう久しぶりだなガンガン――なのはは何でいるんだ?」

 赤毛の少女、八神家のヴィータである。
 何故ここに、となのはは目を丸くすると、隣でガンザが溜息を1つ。
「ガンザっす」
「似たようなモンだろ」
 軽く返された。ヴィータは名前を覚えるのを諦めたようだ。
「おい、ヴィータ」
「あ? 何だよクロノ」
「見えてるぞ」
「何が?」
「…………」
 続いてクロノも溜息混じりに忠告するが、何を言っているんだこいつ、というヴィータの目線に沈黙で返すしかなかった。オレンジとスカイブルーの縞々だった。不思議とヴィータのだと思うと色気を感じない。
 鼻で一度笑ってからクロノは仕事に戻る。嫌味な奴だなとヴィータは半眼を向け、なのはとガンザは冷めた目を向けた。
「――ところで、どうしてヴィータちゃんがここに?」
 それからなのははヴィータへ視線を戻して問う。
 その問いにヴィータは首を傾げた。
「つか、私からすると何でなのはがアースラにいるんだ? 今は教導隊も “前” に出てんだろ?」
「私はアースラに出向扱いだったの。色々あって教導隊に戻ってなくて」
「あー、今管理局 無茶苦茶だもんなー」
 納得したように肯くヴィータに、自分が撃墜された件を知られていないのだなと、なのはは内心で呟く。
「私は隊の待機所が全部潰されてよー」
「わ、そうなの?」
「ドールタイプの奴ら潰してる最中にやられたらしくてさ、帰ったらクレーターだぜ」
 ぐてっと手すり部分に顔をつけて垂れるヴィータに、後ろからクロノがここは待機所じゃないんだが、という声が飛んだ。無視した。
 それは酷いなとなのはが眉を顰める。
 確かヴィータの隊の待機所は本局内にもあったと思ったのだが、縁が本局に強襲をかけた時に潰されたのだろう。
 まあ、最も


 次元空間にある時空管理局本部は、昨日、完全に沈んでしまった訳だが。


 突如として大量のドールタイプの強襲。
 そして外部から戦艦主砲にも勝る縁の規格外砲撃。
 今までも何度か襲われ、攻撃を加えられていた本部は既に耐えられる力も無く。
 昨日、本部は鉄屑へと成り下がった。
 本部はもう駄目だと見切りをつけて退避作業が進んでいたので、人員被害は1000人と少しという、実に “少なく” 済んだ。死者は20名程である。崩壊した規模から考えれば、破格だ。
 嫌な事を思い出し、なのはは口を真横一文字にきつく結ぶ。
 人員被害の半分は、行方不明である。
 そこにはなのはも知っている名前が数人いたのだ。中には、とても親しくしてくれた人の名前もあった。
「そういやヴィータさん、この前看視者の――えー、海鳴 縁っすか、遭遇したらしいっすけど」
 思い出したかのようにガンザが声を掛ける。何やら、聞き捨てならない台詞を。
 バッと、いつの間にか俯きかけていた顔を勢いよく上げヴィータを見るが、当の本人は変わらずにぐってりとダレながら駄目だ駄目だと言うかのように頭の上で右手を振った。
「逃げられた、っつか相手にされなかったんだよ。あんにゃろー私が来た途端に帰りやがって」
「ヴィータさんが怖かったんじゃないっすか?」
「ンな訳あるかよ。私はあいつとの相性が最悪なんだぜ、まったく」
 へっ、と軽く鼻で笑いながらヴィータは返す。
 肉があり、血があるとはいえ、ヴィータを構成しているその根源は間違いなく魔力であり、高度に組まれた魔術術式のプログラム。質量を持ち存在しているという点では、バリアジャケットや騎士甲冑と同じである。
 それに対し縁の魔術無効化のスキルは、質量があるはずのバリアジャケットすら分解して無効化するのが、既に犠牲という名で実証されていた。
 もしも縁がヴィータに触れたら、もしかするとヴィータはその時点で消滅する可能性がある。そしてヴィータは全戦闘距離で戦えるものの、最も好むのは近接戦であり、あまりにも相性が悪過ぎる。
「解せねぇんだよな……今まであいつ、魔法使える奴だったら誰それ構わず殺してたのによ」
 溜息混じりに頭を掻きながら愚痴でも漏らすかのようなヴィータの言葉に、同意するようになのはがこくこくと肯く。
 管理局の施設どころか本局すらも破壊して、惑星の生態系も破壊して、更には惑星そのものも死に追いやってしまうなど、犯罪のスケールが凄まじい事になってはいるものの、縁の標的は魔導師である。魔導師を殺す、その為の攻撃の余波で破壊を生んでいるだけだ。
 つまり、縁は魔導師を殺す為ならば、それくらい出来るのだ。
 建物を壊そうと、船を壊そうと、巻き込まれる人がいくら出ようとも、魔導師を殺す、その為ならば。
 悪魔に魂を売ったのか、宣言通り本物の “化け物” となったのか、魔導師を殺すためなら何でもやっている。
 だからこそ、魔導師であるヴィータを逃すはずがない。
 ヴィータに対して魔導師だよね? と尋ねたら盛大に嫌な顔をされるだろうが、ベルカの騎士もミッドの魔導師も縁からすれば魔法に関わる者で変わりがない。管理局を潰して回っていると同じく、反管理局側の魔道師も消滅させ歩き、ミッドチルダ式の魔導師を惨殺して回っていると同じく、今では絶滅に近い術式を扱う魔導師も殺戮して歩いている、そんな無秩序に近い縁の行動からしてそれは間違いない。
「ヴィータちゃんが前に縁ちゃんに会った事あるとか?」
「……んー、ねぇと思うけどな」
 尋ねたなのはのそれに、ヴィータは眉に皺を寄せながら返す。
 ヴィータが縁と最初に会ったのは、縁が看視者としてだった。
 その時には既にヴィータはボロボロで、黙って立っていた縁の目の前でドールタイプにボコボコにされ、さらには報告書は15回も再提出を喰らったという苦い思い出が付属している。できる事ならあまり思い出したくない。特に報告書の指導は悪夢だった。
 それからヴィータは縁と遭遇していない。密林の中で、失意に暮れる縁と遭遇するまでは。
 というか、良く考えたらヴィータは縁が海鳴 縁という人間としての格好をしているのを生で見た事は無かった。面識なんてまるでない。
 むしろヴィータが縁と遭遇していると、必ずヴィータは痛い目に遭っている。ドールタイプにはボコられて、使い魔には刺されて。
 思い出したら腹が立ってきた。
「つーか、そもそも何なんだよ縁って奴は! 魔法使えねぇ無関係の奴じゃなかったのかよ、も―!」
 ばしんっばしんっと身を乗り出して艦長席の壁を殴る。クロノがうるさいなー、という視線を送っていた。
「だいたい恋慈とかいうあの使い魔! あいつが看視者じゃないかって、だー、フェイトの奴の勘見事に外れてるじゃねーか!」
「まぁまぁヴィータちゃん、フェイトちゃ――使い魔?」
 駄々っ子の如くキれるヴィータをなのははなだめ様として、再び聞き捨てならない発言に目を丸くした。
 何? 恋慈とかいうあの使い魔?
 使い魔だったの?
 そんななのはの疑問を、顔を見て察したのか隣のガンザが説明に回る。
「そうなんっすよ。海鳴 恋慈は海鳴 縁の使役する使い魔だと……本人の発言っすけど」
「え、本人って、縁ちゃん?」
「いえ、海鳴 恋慈の方っす」
 何という自己申告。目を丸くしたままなのはは口をぽかんと開ける。
 なるほど、縁が看視者だとなると恋慈やアステマとの関係が気になったが、そうか、そういう関係か。そしてなのはは頭を抱えた。
 自分の知っている使い魔は皆、揃いも揃ってお兄さんタイプやお姉さんタイプの人型に変身するが、恋慈までもがそうだったのか。たまにはナイスダンディなジェントルメンになっても良いじゃないか。
「……あ、あれ? じゃあ、アステマさんの方は?」
「あー、ありゃ別っつか、あっちもあっちでシグナムを大破に追い詰めるくらいの化け物だよ」
 頭を抱えながら呟くなのはの疑問に、ヴィータが舌を打ちながらも忌々し気に返した。
 ぴくっと、ヴィータの返す言葉を耳にして、頭を抱えていた手をゆっくり離しながらもなのははヴィータを見上げる。
「――大破?」
 唖然と、そういう表情で。
「ああ、大破。修復に1週間も掛かって、昨日からようやく前線に復帰したばっかなのによ、かなり頑張ってやがんぞ」
 頭を掻きながら、身体動かす方が楽そうだしなぁ、と付け加える。
 なのはは数回瞬きをして、え、とようやく口から言葉を漏らす。
「え、シ、シグナムさん大丈夫なの!?」
「大丈夫だから前線出てんだろ」
 今更ながらに慌てて心配するなのはに、ヴィータは白い目を向ける。話を聞いていないのか。
「手足はボキボキだし頭は捻り潰されてるし……ったくっ! ひでーことしやがって!」
 シグナムのその姿を思い出したのか、不機嫌そうに起き上がる。
 それから振り向いて、仕事頑張れよー、とクロノへ半分他人事のようなエールを贈ってから今でくったりと掛かっていた柵に手を付き、そこをぴょんと跳び越える。
 管理局の制服。もちろん下はスカートだ。
 のふぅっ!? と悲鳴なのか何なのか愉快な声を上げながら、ガンザは慌てて後ろを向く。
 数mの高さなど物ともせず、ヴィータは実に軽々とした足音でなのはの目の前へと着地した。
 ノーッ! と悲鳴を上げながら両手を顔に当てているガンザの姿に首を傾げてから、ヴィータはなのはを見上げる。それと同時に、がしっとヴィータの肩が掴まれた。
「のわっ」
「頭潰されたって、全然大丈夫じゃないよね!?」
「もうとっくに治ってるっての!」
 そのままがっくんがっくんと身体を揺すられ、それに合わせながらかっくんかっくんと頭を前後に揺らしながら呆れたようにヴィータは返し、揺すられるそのタイミングに合わせてなのはの顔面にチョップを叩きこむ。
 くぷっ、と変な悲鳴と共に、チョップを叩きこまれたなのはの動きが止まる。思いの他強く入ったようだ。
「あのなーなのは、はやての顔があるからあんま言いたくねーけど、私らは人間じゃねーんだよ」
「そんな……ヴィータちゃんは」
「人間ってのは、ここに脳味噌ねぇ奴を言うのかよ」
 こん、とヴィータは自分の頭を指さした。
 たったそれだけ。
 それだけで、なのはは何となく理解できた。
 ヴィータの肩を掴んでいた手が、するりと逃げる。
「確かに私らは人間の姿してるけどな、ここに脳味噌があるわけじゃねぇし……ここに心臓があるわけじゃねぇ」
 なのはの手が離れたのを確認してから、ヴィータは自分の胸をどん、と一度叩く。
 ヴィータの叩いたそこに、心臓があるかどうかをなのはは知らない。
 人間ならば当たり前のようにそこに存在しているからとはいえ、人間と同じ姿をしているヴィータが同じくそこに心臓があるかどうかをなのはは知らない。
 怪我をすれば血が出るし、恥ずかしければ赤くなるのに、そこの心臓があるのかどうか、それを知らない。
 ヴィータと出会った頃、クロノから説明された時にヴィータ達が人間でも使い魔でもないと説明されたはずなのに、それを知っていたはずなのに、今更ながらその意味が生々しく胸に落ちてきた。
「私らは人間じゃねぇ。大前提が人間じゃねぇのに、人間だよー、とかお門違いも良いとこなんだよ、本当は」
 だからシグナムは心配ない、と付け加えてから、ヴィータは一度わざとらしいくらいに大きく溜息を吐いた。
「縁って奴もそうだ。どー見たって人間じゃねぇのに、君は人間だよー、とか言って説得しようって思ってんなら、やめとけ」
 まっすぐなのはを見上げ、ヴィータは続けて口を開いた。
 ぽかんとしたようななのはの表情。開いた口に指を突っ込んでやりたくなる。
 ヴィータは最初、なのはに向かって 「何でこんな所にいるんだ?」 と聞いてきたのに、釘の刺し方がピンポイント過ぎる。なのはが何をしようとしているのか、それは既に予想されていたようだ。
「人間とは違う者だって、それを踏まえて説得しねぇと、理解されねぇよ、きっとな」
 それだけ言い終わると、なのはの返事を待つ事なくヴィータは背を向ける。
 腹減ったからちょっと飯食ってくる、と言い訳の様に後ろ姿で手を振って。
「ヴィータちゃん」
 呼ばれた名前に、踏み出そうとした足がぴたりと止まる。
 横を向くようにして、視線だけ振り返る。
 にこっと、笑顔が向けられた。いつものような、そんな笑顔が。
「アドバイスありがと、もっと頑張れる気がするよ」
「――おう」












 書類を全てまとめ終わると、丁度夕食を食べるに丁度良い時間になっていた。
 書類のそれが表示されている空間モニタを1つずつ消してから、フェイトはのっぺりとした表情のまま机に手を置いてから席から立ち上がる。
 やる気がまるで出てこない。そもそも今やった仕事も、もはや意味のない仕事でしかない。まとめた書類を送る先がもう、ないのだから。
 机に手を置いたその体勢のまま、フェイトは机の上の何かをじっと見つめるようにして固まる。何だかもう、やる気どころか気力全部が失せている。
 お腹は空いていない。食べるにしても、もうアースラの食堂にも食べる物は少ない。地球に行くのが一番手っ取り早いのだ。そして、地球に行くのすら面倒だと思ってしまう。
 縁達の標的になるのはあくまで魔法科学である。よって、魔法科学の栄えていない地球圏は、縁達の標的にはなっていない。
 ここにいるよりも、地球の方が安全だと知っているのに。
 魔法を捨てろ。
 地球で暮らせ。
 そうすれば、殺しには行かない。
 後でクロノから聞いたアステマのその忠告が、妙に魅力的に思えた自分が悲しい。
 からん、と机の上に待機状態のバルディッシュを転がす。
 魔法を使う自分。
 魔導師である自分。
 それを象徴する、相棒。
 自分は、これを捨てられない。
 捨てられるはずがない。
 地球で一生暮らせと言われれば、できない事はない、が、魔法を捨てる事はできない。
 母と、姉と、師の想いが籠められている。なのはとぶつかり合い、分かり合えたのも、魔法があったから。
 なのに、魔法を捨てて地球で暮らせと言うその忠告が、魅力的に思えてしまった。
 怖くて、怖くて、大切な力を捨ててしまう事を完全に拒絶しきれなかった、そんな弱い自分が、悲しい。
 魔法は捨てられない。
 だが捨てねば縁が立ち塞がる。
 それでも捨てられない。
 捨てねば、殺しに来る。
 それが、怖い。
「――なのは」
 呟くようにして口から漏れたのは、大好きな親友の名前。笑顔が綺麗で、とてもまっすぐな、最愛の友の名前。
 そして、自分とは比べ物にならないほどに力強い人の名前。
 ぽと、ぽと、と涙がバルディッシュに落ちた。落ちたそれで、フェイトは自分が泣いているのだと気がつく。
 右手でごしっと涙を拭き取るが、涙は止まる気配がしない。
 涙脆い。
 こんなに、涙脆くなってしまった。弱くなってしまった。
 情けない。その情けなさで、余計に涙が溢れてくる。
 誰かを救いたいと、泣いている人を救いたいと、そんな誓いも挫けそうだ。

 べちゃ

「――――――」
 胸に違和感が、のしかかる。
 まただ。
 また、この違和感。
 何かは分からない。何の違和感なのか見当もつかない。
 ただ、心の奥底で誰かが叫ぶ。小さな声で、いや本当は大きな声で、それでもフェイトに聞こえない、それともフェイトは聞こうともしていない、そんな叫び。
 涙が止まる。
 頭がクリアになる。
 まただ。
 この違和感がべたりと胸にのしかかると、涙が止まる。震えも止まる。頭の中がすっきりして、とてもクリアになる。
 何だろう、何なんだ。
 ごしっと再び右手で涙を拭く。次の涙は流れてこない。

「仕事か、テスタロッサ」

 涙を拭っていると、ふと声が掛かる。
 聞き覚えのあるその声に、反射的にフェイトは顔を上げる。ある意味見慣れた、好敵手。
「シグナム」
「ああ……酷い顔だな」
 元気など何処かに置き忘れましたという顔をしているフェイトに、シグナムは一度苦笑する。
 残った涙を拭ってから、フェイトはバルディッシュを左手で掴んで身体を起こす。バルディッシュが濡れている。
「身体は大丈夫ですか?」
「大分破損はしたが、十分に動く程度には治ったさ」
 右の手首をぐるりと見せるように回しながら答えるシグナムの言葉に、フェイトは軽く顔を伏せる。
 シグナムは、酷く “破損” していたというのに。
 頭部の破損が死に直結しない。あくまで破損で、修理ができてしまう。足だって酷く壊されていたのに、何事も無かったかのようにピンピンしている。
 こういう時に、彼女は人間とは違うものなのだと感じてしまう。
「テスタロッサ、今は暇か?」
 顔を伏せたフェイトの様子に片目を細めてから、シグナムは切り出してきた。
「はい、今から食事を」
「そうか――では」
 伏せながら答えるフェイトの言葉に、シグナムは一度頷いて。
 むんず、とその右手を掴んだ。

「食べる前に、1つ身体を動かそう」

「――え?」












 あれよあれよ、という表現を使うならば、まさに今だろう。
 フェイトが返事をするよりも早く、シグナムはフェイトごと転送を行っていた。
 行き先は、日本の海鳴。今のところシグナムが気軽に行けて、そして最も安全だと言える拠点である八神宅である。アースラからポーターを使わずに直接転送魔法で跳んできたのは正直なところ罰則ものだが、今ではその罰則を与える大本がないに等しい。
 八神宅の玄関、そこを転送の拠点にしているのか、随分と手馴れて素早い転送魔法だった。
 そこからシグナムはフェイトの手を掴んだままくるりと振り返り、その玄関を開けて外に出る。
 日長である夏の太陽はすっかり地平線の向こうに引き篭もってお休みのご様子。日中の暑さの名残のようなぬるい風が開けた玄関から八神宅へと流れ込む。
「え? あ、し、シグナム?」
「アースラの訓練室よりも良い所がある」
「あ、いえ、そうじゃなくて、今はそんな模擬戦なんて――」
 そのままフェイトの手を引いて海鳴の町に繰り出そうとするシグナムに、フェイトはようやく慌てながら声を上げる。
 シグナムは振り向かない。
 ずんずんと、向かう先は既に決まっていると言わんばかりに迷いなく足を進める。
 フェイトの頭の中ではすっかり疑問符が飛び交っていた。
 身体を動かそうって、模擬戦の事だろうか。正直なところ、今はそんなことするような気分ではないし、そんなコンディションでもない。
 と言うか、何故地球。何故に非魔法技術の世界を選んだ。アースラの訓練室で良いじゃないか。海鳴の街に魔法戦闘の訓練に適した場所なんて、どう足掻いたってあるはずがない。
 このまま手を振り解こうかとも思ったが、シグナムの手は力強く、振り解くには思いっきりいかねば無理だろう。
 むしろ、模擬戦ということで戦闘狂の血が踊りだしているのか、心なしか楽しそうなシグナムを見ると、強引に振り解くのにはやや気が引けてしまう。
 歩く。歩く。
 見慣れた街。
 海鳴の街。
 縁の姓と同じ、海鳴という街。
 はやての家はフェイトの家とはやや離れているので、知らない風景もあったものの、遠くに見えるビルや、遠くから香る海の匂いで海鳴の町のどの辺りにいるのかは十分に把握できた。
 蒸し暑い、この空気はそう、海鳴の空気。
「――ここが」
「うん?」
「……いえ」
 つい言葉が口から出そうになったその呟きを聞いて、シグナムが声を上げる。でも振り向かないし、足を止めない。

 フェイトはこの街に、気付けば慣れていた。

 それを、ふと知った。
 それだけの事である。
 それだけの事が、少し嬉しかった。
 肩の力が少し抜ける。シグナムに引っ張られるという形だったのが、気がつけば手を繋いでシグナムの後ろを歩く、という形になっていた。
 歩いて、歩いて、見慣れた道に出た。
 知っている。
 ここは。

「待ち合わせの、場所」

 そう、待ち合わせの場所。
 誰が決めた訳でもなく、誰が言った訳でもない。
 なのはが。
 はやてが。
 アリサが。
 すずかが。
 登校前に、ここに集まる。
 その場所。
「そうか、ここで主はやてと待ち合わせているのか」
「あ、はい。何か、自然とそんな感じになって」
「気をつかわせてすまない――と言ってしまうと、主はやてに怒られてしまうのだが」
 気にする事なくずんずんと歩きながら、シグナムが話を振り、フェイトはそれに慌てて返した。
 気をつかわせて。
 徒歩通学の事だろうか。
 なのはとフェイトは、本当ならばバス通学だった。
 アリサとすずかは、本当ならば車通学だった。
 それを徒歩通学に切り替えたのは、誰も何も言わないものの、間違いなくはやての為である。
 バスに乗るのにも不便で、車に乗るのにも不便で、乗れない訳ではないけど人に迷惑をかけねば乗れないのは確実で、そんな車椅子の彼女へ付き添うように徒歩通学になった。
 最初にアリサ。
 はやてが復学して登校するその初日には既に徒歩通学に切り替えていて、はやてと2人で他愛ない話をしながら登校してきた。
 何も考えずいつも通りに登校してきたフェイト達は、はやての車椅子を押しながら登校してきたアリサを見て、自分達の配慮のなさを恥じてしまった。
 そして自然と、皆徒歩になった。
 気分ではやての車椅子を押す人を変えながら、小さな話で笑い合いながら、登校するようになった。
 最初は、アリサだった。
 聡明で、人に気を回せる彼女の現状を、フェイトは知っている。
「……バニングスは元気か?」
 胸中を呼んだかのような発言に、フェイトはどきりとした。
 シグナムの顔色を窺おうとするも、前を向いてずんずん歩くシグナムの表情は分からない。
「元気です……退行、してますけど」
 答えるそれに、そうか、とだけシグナムは漏らした。その胸中は量れない。
 アリサを護りきれなかった。そのせいでアリサが退行を起こした訳ではないが、それでも退行した原因の一端を担ってしまっているだけに、シグナムの心内は複雑だろう。
 護れなかった。
 守護の騎士の名を宿した者ですら、アステマから護れなかった。
 縁の次元の違う強さも恐ろしいが、シグナムを完膚なきまでに叩き潰したアステマの実力は、それ以上の気味の悪さがある。
「アリサとは、会いましたか?」
「治ってすぐ駆けつけた」
 即座に返された。
 治ってすぐという事は、フェイトが最後に会った日よりも後の事である。
 何だ、訊く必要ないじゃないか。そんな言葉を胸の中だけで囁く。
「愕然とした。謝っても意味を成さないのは、辛いな」
 歩きながら、シグナムは続けた。独白のような呟きだった。
 短いその呟きは、ずしりとフェイトの胸にきた。短いだけに、言葉が重い。
「私は、間違えてしまった」
 ずんずん、ずんずんと、歩く。
 独白は、そこで止まる。
 声を掛けられなかった。
 シグナムの胸中を量れないから、余計に声が出ない。
 アリサは、縁と仲が良かった。
 だが仲違いをしてしまって――それをシグナムが余計に裂いてしまった形となった。
 それを知ったシグナムは、なんと思ったのだろう。なんと感じたのだろう。

 そして何故、それを知りながらも胸を張って歩けるのだろう。

 胸を張り、シグナムは歩く。
 ずんずんと歩く。
 その手を掴みながら、フェイトはその後ろを歩く。
 てくてくと歩く。
 そのまましばらく互いに無言で歩く。
 見慣れた景色。
 見慣れた道路。
 フェイトはこの道の先に何があるのかを知っている。目を閉じていても行けるかもしれない。それくらいこの道を知っている。
 学校だ。
 この道は、フェイトが通学する時に使っている道なのだ。
 学校までの間で模擬戦に適した場所はあっただろうかと考える。海岸沿いか、砂浜なんてどうだろう。空戦ならば海の上というのも捨てがたいが、墜落したら海面に真っ逆さまである。
 もしくは学校の先だろうか。
 シグナムの後を付いていくように、手を繋いで海岸の道を歩く。
 前に、ここで事件があった。
 縁が子犬を助けて溺れていたのだ。
 海岸へ顔を向けながら、フェイトはその時の事がふと思い浮かぶ。
 すずかが突然砂浜へと踊り出て、何事かと思っていたら縁が溺れていたのだ。あれはびっくりした。
 丁度フェイトが謹慎処分が終わり、登校した最初の日だ。縁に会ったらどうやって謝ろう、どうやって挨拶しよう、友達になってくれるだろうか、そんな事をぐちゃぐちゃと考えていたのに、不意打ちの様にあの事件。フェイトにとって、縁の波瀾天候の行ないを最初に見た事件である。
 懐かしい。
 一ヶ月前くらいの話なのに、そう思ってしまう。
 シグナムの後ろを歩きながら、そう言えば縁と一緒に登校したのはあの時だけだったと思い出す。
 何だかんだ言いながら、縁とは家の方向が皆と一緒だというのに、あまり一緒に縁と登下校していなかった。アリサが一番多かっただろうか。
 学校への道を歩きながら、色々な事が頭の中に浮かんでは消える。
 リフレッシュする為に外の空気を吸うのが良いと言うが、それは本当の事らしい。
 そこで、ぴたりとシグナムの足が止まる。
 着いたのだろうかと、フェイトが顔を上げる。
「ここだ」
「――え?」

 目の前は、学校の校門だった。

「え、と……?」
「入るぞ」
 呆気にとられていると、言うが早いかシグナムが振り向くと同時にフェイトの腰に手を回す。
 そして、ぐいっと持ち上げられた。
「え、え、ええっ!?」
 突然持ち上げられて慌てるフェイトを気にする事無く、シグナムは校門の方へと向き直り。

 ぴょん、と実に軽くその門を跳び越えた。

 高さなど気にならないのか、実に軽々と跳んだ。フェイトを抱えているのに。
 そして軽やかに着地する。音もたてない。
 それからフェイトを優しく下ろす。
「ちょ、ちょっと、不法侵入ですよ」
「すまない、許してくれ」
「いえ、私に言われても……」
 真顔で謝るシグナムは、素なのか意図的なのか。
 夜の学校。門が閉まっているのに不法侵入。
 頭を抱えた。
「さて、テスタロッサ」
 呼ばれる名前にフェイトは顔を上げる。
「剣道場はどこだ?」












「ここです」
 そう言って今度は逆にフェイトがシグナムに案内したのは、前に一度だけ入ったことのある剣道場。もちろん不法侵入である。頭が痛くなってきた。
 夜の支配する時間に、学校の剣道場。不気味である。
 造りのせいなのか、夏だと言うのに空気がひんやりとしている。その剣道場へ、シグナムは床をきしりと軽く鳴かせながら入って行く。
「なるほど……掃除が行き届いている、とは言えんな」
「はぁ」
 小学校側はほとんどと言って良いほどに使わない施設の事なので、何と返事を返せばいいのか迷いながらもフェイトは靴を脱ぐ。
 今気がつけば、二人揃って管理局の制服のままだ。ほとんどシグナムに拉致されるような形だったので、着替えている暇なんてなかったが。
 靴を揃えて置いてから、フェイトはゆっくりと剣道場の床を踏む。ひんやりとした空気と同じく、靴下越しに冷たい感覚がじんわりとにじり寄ってくる。
「あの、シグナム」
「ん?」
「どうして、こんなところに?」
 振り向きフェイトと目を合わせたシグナムに、フェイトは率直に切り出していた。
 魔法戦闘の模擬戦に適した場所、ではない、この剣道場は。
 それなのにここへ連れて来た、その真意が分からない。
 それに、フェイトとしては、ここはあまり自分から近寄りたいとは思える場所ではない。

 かつて、縁を大怪我させたのだ、ここで。

 あの時の感覚は、今でも覚えている。
 竹刀で、縁の後頭部を殴打した、あの鈍い感覚は。
 生まれて初めて、とは言わないが、感情のままに凶器を振るって、そして殺しかけてしまった。
 忘れろと言っても忘れられない。それくらいに鮮明に残る、強烈な記憶だ。
 そう言えば、あの時はフェイトから縁に稽古をつけてくれと頼んだ。そして気がつけば、何故か試合になっていた。不思議だ。
 あの時の、血溜まりに縁の頭が沈んでいた光景を思い出し、フェイトは思わず顔を顰める。
 思い出すと、今でも胃が痛くなる。

「……ここでかつて、テスタロッサは海鳴 縁と試合をしたと聞いた」

 顰めた表情が、一瞬固まった。
 え、と吐息のような言葉が漏れる。
「主はやてから、だいたいの事情を前に聞いたのだ」
 くるりとシグナムはフェイトへ背を向け、ゆっくりと足を進めた。
 その先には、竹刀が数本掛けられている。
 ああ、そう言えば、謹慎明けで最初に登校した時、はやてがそんなことを言っていたような気がする。シグナムが凄い興味を持ったとか何とか。頭の片隅でフェイトはそんな事を思い出す。
「テスタロッサ、お前が何を恐れているのか、何となくだが想像できる」
 それならば何故、この場所にしたのか。そんな質問が口から出るよりも早くシグナムは次の言葉を口にする。
 かた、とシグナムは一本だけ竹刀を取る。
「お前が何に怯えているのか、それも大方予想できる」
 そして振り向き、その竹刀をフェイトへと放り投げた。
 剣道道場にいた人がなんて事を、と思いながらもフェイトはその竹刀を慌てて掴み取る。
 竹刀などあの時以来一度も触れた事はないが、その柄を握るとわりとしっくりとする。大人用ではなく子供用の竹刀なのか。
 それに改めて竹刀を握ると、この竹刀は本物の竹ではなくカーボンの物だと分かる。
「そして覇気がないのも、聞くまでもなく分かっている」
 かたん、とシグナムはその横に掛けられていた、フェイトへと投げ渡した竹刀よりも若干長い物を選んで取った。
 そして改めてフェイトへ向き直る。
 フェイトは、眉を顰めていた。
 恐れて、怯えて。
 それは間違いなく、縁に対して。
 圧倒的な存在に打ち負かされ、殺されかけた、それがフェイトの心の奥底に杭を打ち込んでいる。
 それは話を聞いただけのシグナムにも、容易に想像できたのかもしれない。
「だが、私は慰められない。それはテスタロッサ自身の問題だ」
 想像できてなお、シグナムは労わる言葉も慰める言葉もなかった。
 厳しく突き放すような一言に、フェイトは口を横一文字に結んで黙る。
 別に、労わってほしい訳でも慰めてほしい訳でもない。フェイト自身も、こんなに怯えて足が竦んでしまう自分は嫌だった。
 弱い自分が、嫌だった。
 情けない自分が、嫌だった。
 現実に半ば心が折れかけそうな、そんな自分が嫌だった。
「いつかテスタロッサが模擬戦で負け込んでいた時も同じだ。性分ではないと言うのもあるが、そもそも私は慰めの言葉というのをあまり持ち合わせていない」
 ああ、確かに。フェイトは心の中だけで呟く。
 確かに、シグナムは模擬戦で連戦連敗だった時のフェイトに対し、慰めの言葉をまるで口にしなかった。次は頑張れ、もう少し立ち回りを考えろ、そんな言葉ばかりで。
 本当に無骨で不器用で、口があまり上手いとは言えないシグナムらしい、そんな簡単な言葉ばかりで。
 むしろシグナムとの模擬戦はいつだって。
「私の持ち合わせはいつだって――」
 そう、いつだって。
 竹刀を握り、それを示すように顔の前に構えるシグナムが何を言いたいのか、それをフェイトは知っている。
「――これだけだ」
 いつだってシグナムは、言葉よりも剣で語った。
 模擬戦での試合だって、結局は言葉による指摘よりももっと、打ち合って教わった事の方が多い。
 顔の前に構えた竹刀を振り抜くように下ろし、シグナムはゆっくりと両足を肩幅に開く。
「慰められない。勇気付ける言葉もない。語れるのはただのこれだけしかない、そんな馬鹿者なのだ」
 それはどこか、自嘲のような言い訳のような、そんな色が込められた言葉だった。
 それでも、その胸を張った姿勢は崩れない。
 溜息のように、シグナムが一息つく。
 どうしたのだろう、そうフェイトが首を傾げるよりも先に、シグナムがきっとフェイトへと鋭い視線を向けた。
「だからこれは本来ならば私の役目ではないが……我が主の命により、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」
 突然力強い声で呼ばれた名前に、フェイトの肩がびくっと跳ねる。
 シグナムの手にしたその竹刀の剣先が、まっすぐにフェイトに向けられた。
 その迫力は、手にしているのが竹刀だという事を忘れてしまいそうなほどである。
 いきなり実戦と変わらないほどの気迫を向けられ、フェイトは咄嗟に竹刀を構えた。反射的なその動きは、骨身に染みるほどに叩き込まれた事を語るように素早い動き。
 竹刀を向けられ、シグナムの口元が僅かに上がる。
 しかしそれは見間違えだったかと思うくらいにすぐ戻り、表情を引き締め、そして口を開く。
 力強く。
 堂々と。

「我はヴォルケンリッター烈火の将、八神はやてを守護する騎士、名をシグナム! 剣を冠する我が名を賭け、貴殿に決闘を申し込む!!」

 宣言した。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 不法侵入だよ!
 なんだか随分と久しぶりに “はやて” を書いた気分。こんにちはこんばんは、読んでいる人によってはおはようございます、愛と勇気の出張天使、クロガネです。国内外の出張が多いよちょっと。


 アリサ出てない。
 主人公出てない。
 あれー?

 はやて本格活動中。きっとシャマルはテクニシャンに違いない(魔法技術的な意味で)
 そしてシグナムとヴィータ。はい、普通に生きています。
 前にヴィータがドールタイプにぼこぼこにされて片腕吹き飛ばされた時も、次の場面では暢気にリンゴ食ってたのと同じような現象です。
 人間ならば死んでますが、彼女達にとっては単純な怪我でしかなかったりして。

 A´sの初期段階からクロガネが思っていたことの1つとして、もしも仮にシグナムたちが現れた場面で、シグナム達が人間とは程遠い姿をしていたとしたらどうだったのだろうか、というのがありました。摩訶不思議な現象で現れただけでもあれだけ驚いて、ザフィーラですら人間の姿をしていたというのに気絶してしまった あの時のはやてに、人間とは違う姿をしたものをちゃんと受け入れられただろうか。そんな疑問。
 そしてその逆で、シグナム達が人間ととてもよく似た姿をしている弊害というのも感じてました。
 シグナム達の本質は人間ではないのに、人間と同じような姿をしているから人間のような扱いを受けてしまう。それが必ずしも良いのだろうか、と言うことです。
 “姿” は似ていても “中身” は違うかもしれない。心臓のある場所に致命傷を受けても、それが彼女達にとって致命傷になるかどうかは分からない。そして人間ならば気絶するだけで大丈夫、という攻撃が逆に致命傷になるかも知れない。
 クロガネにとって “人間じゃない” っていうのは、そんな未知への恐怖と不可解さがあると思っているのです。

 それを踏まえて、この作品でのすずかのように、人の姿をしているけど本質は人じゃない、というキャラクターが自分が人ではないことを悩んでいる作品を読んでいると、たまに主人公は 「それでも君は人間だ」 というような事を言って慰める場面を見かけます。
 クロガネは声を大にして言いたい。
 人間じゃないのが大前提だから悩んでいるのに、人間だって言われて誰が納得するのかと。
 義手の人が生身の腕ではない事にコンプレックスを抱いているのに、それは他の人と変わらない腕だよ、と言っているようなものです。義手だから悩んでるんだってば。周りの人の腕と自分の義手が明確に “違う物” だと痛感しているから悩んでるんだってば。
 見た目が同じだからって中身まで同じな訳じゃないんです。
 義手は所詮義手であり、生身の腕とは違う物です。
 化け物は所詮化け物であり、人間とは違うものです。
 そうクロガネは考えているのです。差別主義というよりも区別主義者のクロガネです。


 クロノ君……だれかこのむっつりスケベを殴ってくれ。
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10件のコメント

[C537] それでは、僭越ながら自分が一発目をぶん殴らせてもらいます。

クロノぉおおおおおおおおおお この、むっつりスケベめ!!豆腐の角に頭ぶつけて地獄の落ちろ!!
 

シャマルさんは存在がエロいなぁ、とかシグナムは実にバカだなぁとか、なのは嬢はあいかわらずいい魔法少女だ、とかアステマさんの歯磨き姿最高ッスとか、ドリルは浪漫だとかいろいろ言いたいけど・・・
やったねガンザくん生きてたよ、わっほい!!

差別と区別の違いがよくわからないうえに五体満足な人間であり、身近にそういった人がいない自分としては、友達くらい信じてやろうぜ的なことしか言えないです。差別も区別も、するほうじゃなくてされるほうがそれを認識して判断するんだと思うので、やっぱり効果的な慰め方とかわかりませんよ。「それでも、君は人間だ」の言葉で救われるんならそれでいいんじゃないでしょうか。それもまた人徳だと思います。
でもきっと、そういうのをみんなが幸せになるように救えるのが魔法少女の専売特許なはず。愛とか友情とかが世界と心の闇を救うんですよ。


  • 2009-10-30
  • 投稿者 : TFJ,
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[C538] 見上げればそこには

クロノちゃんってば、盛ってるねぇ~。
エイミィとにゃんにゃんしてないからに違いない。

・・・てか、ストライカーズ終了のお知らせなわけで・・・
脳みそはどこかで頑張ってるのかな~?
とかいろいろばっきばき折られたフラグの行方が気になるところ。

とりあえず、スカ先生、あんただけでも・・・
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : ぎるばと
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[C539] コメントありがとうございまー

○TFJ,さん
 クロノ君に8000のダメージ。スタン発生。
 クロガネはその五体不満足な人や違う物が埋め込まれた人を沢山見ているので、何となく区別主義者になっています。男は男、女は女、ジュースはジュース、酒は酒、みたいな。
 しかし差別主義者は周りから見たら “冷たい人” なんで、クロガネにはきっと魔法少女みたいな人徳はないのでしょう。
 (´・ω・`) ショボーン。子供には好かれている自信あるのに……

○ぎるばとさん
 溜まっ――ごほんほごん、仕事で忙しくて疲れているんです、きっと。労わってあげて下さい、殴ったりとかして。
 とりあえず、ストライカーズのフラグばきばきどころか、A´sの最終回EDのフラグすらばっきばき。
 まあ、もっとも、この話はストライカーズが始まるよりも前のプロットを元に書いてますからー。
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : クロガネ
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[C540]

鬱展開終了宣言後の方が鬱が酷い!

クロガネさん的には機能ではなく構成素材によって人間か否かを定義してるってことなんですかね。人間と同じ心を持ってても守護騎士は守護騎士、ロボットはロボット、と。
となると、例えば体に大きな損傷を受けて部分的に、または全てを機械に置き換えた人はどういう扱いになるんでしょうか。義体、義手・義足、車椅子、杖、眼鏡、どこまでが人間の定義なんですかね。
というか、奇形の人は形状や内臓の位置とかも違いますし、人種によっても肉体性能は全然違いますし、自分と血縁者ですら差異はあるわけで。ウサイン・ボルトとか私から見るとどう考えても化け物(ぉ
や、区別主義を否定する気は無いんですが、人間と化け物の区別というのは、どこで境界線を引いてるのかなと。
ちなみに私の場合、外面を一切無視して意思疎通がある程度行えるかどうかで人間か否かを区別しようと考えてます。腕の数とか甲殻の有無とか、生化学的構造体か電子的プログラムか、とかは個性の範囲ってことで。
この場合、肉体的には完全に人でも脳を損傷したりして意思の在り様が完全に変質してしまった精神疾患者とかは人間ではないことになるんですが。
いやまあ、そもそも人間か否かなんてそう大した差でもないと思うんですがね。実際目の当たりにした時に理性がそう言っても感情がどう反応するかはわかりませんが。
  • 2009-10-30
  • 投稿者 : HAL
  • URL
  • 編集

[C541] コメントありがとうございまー

○HALさん
 いえいえいえいえ、これは鬱ではなく暗いだけです。そう、鬱ではなく暗いだけなんです! きっとこれは鬱じゃない! そうだと言って!

―――――以下クロガネの理論垂れ流し―――――

 クロガネの区別主義を語るととんでもなく長くなってしまうのですが、基本的にクロガネの人間定義は “あり方” です。この辺りはきっとクロガネの大好きな昭和仮面ライダーに毒されているでしょう。
 義手をはめている人間は、結局は人間です。が、腕の事に関してのみ言ってしまえば、「それは人間の腕じゃない」 って感じです。ライダーマンのあれです。
 胃ろうで酸素吸入の植物人間だって人間です。だけど 「意思疎通は取れない」 って感じです。区別。ここでも区別。

 が、ぶっちゃけこれはアリサが既に作中で代弁している通り “どーでもいい” 事なのでしょう。
 クロガネは化け物ならば化け物だと認め、そしてそんな化け物と仲良くなりたいです。
 化け物に 「君は人間だよ」 とか言って仲良くなりたくないです。だって、それってつまり 「人間だから仲良く」 って堂々と宣言してるようなものじゃないですか。人間以外と仲良くしないとか、クロガネは断固としてNO。トリーズナー・クロガネでござる。クロガネはにゃんこ大好き、小説大好き、犬が大好き、二次元に嫁はいないけど大好きで、リリカルなのはも大好き。どれもこれも人間じゃないし生き物でもないですが。でも人間以外とだって仲良くなりたいし好きになりたい。いるんだったら宇宙人とも仲良くしたい。クロガネは “人間” のカテゴリーにいて、君は “化け物” のカテゴリーにいる。それが事実。それを受け止めた上で、化け物だから仲良くなりたいんじゃなくて、君だから仲良くなりたい、そう言いたい。守護騎士という人間であるシグナム達と仲良くなるより、守護騎士であるシグナム達と仲良くなった方が、きっと互いの壁も薄くなって、もっと分かり合えるのだと、クロガネははやてに言いたい。
 化け物なのは認める。だけど、笑うか恐れるか仲良くなるか、それは “化け物” のカテゴリーの問題じゃないと思うのです。

 クロガネは、化け物と仲良くなった時、「やっぱお前は化け物だわw」 とか明るく笑いたい。
 だから人間は人間、化け物は化け物、ロボットはロボット、守護騎士は守護騎士、そこから入る。
 クロガネは区別主義者。
 事実は事実。そこでも区別。

 白人は白人、黒人は黒人。でも白人が黒人が仲良くなる時に、「君は白人だよ! だから仲良くしよう!」 って言われている、と説明した方が分かり易かったでしょうか……実際は皆、黒人だと認めた上で仲良くなるじゃないですか。黒人は黒人ですが、白人と仲良くなるときにはンなの関係ないのです。そんな感じ。

 独り言の垂れ流し的長文、失礼しました。
 コメントありがとうございましたー!
  • 2009-10-31
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
  • 編集

[C542] でも奇麗ごとが一番正しい

すずかは恋のライバルを消しにいった模様です(大嘘)。実際恋敵の家に行くってのも勇気がいるでしょうけど、それも幽霊屋敷じゃね……って君は覚醒時に御神の剣士一人と自動人形二体、オマケにネコを十数匹仕留めた(恭也達は生きてるけど)吸血鬼でしょうが、今更幽霊屋敷を怖がる必要はないぜ。そりゃとらハ世界は全シリーズ幽霊出てきてるけどさ。
本局完全壊滅ってことは、脳みそ評議会はもう生ごみになってるでしょうね。培養層なんて簡単に移動できないだろうし、できたとしてもこん状態じゃメンテもままならんに違いない。

人間観に関しては私も思うところがあります。ヴォルケンズが人間の外見じゃなく、クリーチャー的な外見だったら普通の小学生なら恐怖するでしょう。とらハシリーズの人外キャラも同様、ノエルだって人型じゃなくガンダムみたいな外見なら、恭也は恋愛対象として見たでしょうか?

例えば昭和の仮面ライダーなんかは、『製造法』は他の怪人と一緒なわけです。たまたま「バッタ男」に改造されてたけど、もしかしたら「イカデビル」とか「ヒルカメレオン」みたいなのにされてたかもしれません。一般市民が怪人や戦闘員に襲われてる場面に、グロテスクな怪人が助けに入っても多分怖がられる。

外見が人間でも難しい事も。私は仕事の関係で、『植物状態』の人間に接する機会が多いのですが、時々こう思ってしまうことがあります。
「声も出せない、動けない、食事もできない、排泄は垂れ流し、考えれることもできず寝たきり生活。今目の前に居るのは『人間』か?人の形した肉で出来た『もの』ではないか?」
職種上あるまじき考えなのですが、こう思ってしまうことも多々あります。体が人間でも人間としての機能が失われた人間は人間なのか?人間としての機能があっても機械を人間と言っていいのか?
生命倫理・人間観というのは考えても答えは無いのかもしれませんね。
  • 2009-11-06
  • 投稿者 : ミヅキ
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[C543] 雄介さんの名台詞を思い出す

○ミヅキさん
 逆に守護騎士の面々が可愛らしい動物形態 (ザフィーラの存在全否定ですが) だったら面白そうな訳ですが。まあ、C-3POくらいならセーフでしょうが、ヨーダだったらアウトなんでしょう。多分ヨーダはシグナムより強い。
 しかし実際100%怪人と同じ製造法なのは1号・2号・ストロンガー・スカイ・ZXのみだったりします。その中でも逃亡を誰も手助けする計画がないまま製造されたのは2号、ストロンガー、ZXです。それを考えるとこの3体、何で他の怪人と違ってヒーローの格好してるんでしょう……いや、2号は分かりますけど。
 生命倫理・人間観はもやは主義主張の数だけあるような気がします。
  • 2009-11-07
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
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[C544] 一気に読みました。

ものすんごく面白かったです。

しかしアリサがぶっ壊れちゃったら事態の収拾がつかない気が・・・・このままではハッピーエンドってなんだっけという鬱展開の擦れ違い物語に。

それでもなのはさんなら・・・なのはさんならなんとかしてくれる・・・
  • 2009-11-09
  • 投稿者 : なまにく
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[C545] 感想言ったことないのに気になったからいってみる。

よく人間人間っていうけれど、人間と人って別物だと自分は思ってる。
人はヒトで、哺乳類。
人間はあり方とかそんな感じなもの。

なのははヒト、フェイトは人造人間、ヴィータはプログラム。
だけど全部人間、みたいな。
だから化け物に「君は人間だよ」じゃなくて、「君は人じゃない。だけど人間だ!」
みたいな台詞が見たいと思ったり。

あとはワンピースのチョッパーが仲間になるときみたいに、何者だという問いに、きっぱり
「化け物だ」と言っちゃったりするのも素敵。
「化け物」も「人間」と似た意味みたいなものだと思うし。
  • 2009-11-11
  • 投稿者 : ゴンザレス
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[C546] コメントありがとうございまー

○なまにくさん
 はじめましてー。
 まあ、ぶっちゃけクロガネは鬱過ぎるのは別としてもすれ違い物語りも好きだと言う(ry
 なのは嬢なら……なのは嬢なら……


○ゴンザレスさん
 大丈夫です、これもばっちり感想です。
 それだと、手も足もないレイジングハートはどうなるのだろうとふと思う。まあ、漫画ではツバサ生やしてヴィヴィオの周り飛んでましたが。
 クロガネはチョッパーかなぁ。
  • 2009-11-12
  • 投稿者 : クロガネ
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4/6更新 リリカルなのは、短編と呼ぶべきかネタと呼ぶべきか考えた結果これはクロガネ式妄想劇と呼ぶべきなんじゃないのかなぁという曖昧な結論に落ち着きました、みたいなお礼ありです。

魔法の使えない魔法使いの魔法

注意事項!

プロローグ

第1章 『海鳴 縁という少女』
       
基礎情報 第1章終了時点
第2章 『悩み』
         
基礎情報 第2章終了時点
第3章 『誰が為の剣』
           
基礎情報 第3章終了時点
第4章 『教授』
           
基礎情報 第4章終了時点
第5章 『恋ですか?』
           
基礎情報 第5章終了時点
第6章 『切実な事情、迂闊な発言』
           
基礎情報 第6章終了時点
第7章 『縁と看視者』
           
基礎情報 第7章終了時点
第8章 『その言葉、届かない』
           
基礎情報 第8章終了時点
第9章 『失意』
               
基礎情報 第9章終了時点
第10章 『挫けぬ雷刃』
           
基礎情報 第10章終了時点
第11章 『届け、星の光!』
             
基礎情報 第11章終了時点
第12章 『祝福される騎士と風』
 
第13章 『アリサ・バニングスという少女』
第14章 『そして、日常』


本筋関係ないパラレル短編
           

最近の記事

プロフィール

クロガネ

Author:クロガネ
 鉄と書いてクロガネ。文系の皮を被った理数系。人種差別主義。有神無宗派論者。白衣の天使。瞑想で一日潰したことがある。萌えにも燃えにも反応する。二次元より三次元の方が楽しいと思う。宇宙人未来人超能力者魔法使い等特殊な人間じゃなくて本当に良かったと思っている。変な人といわれる。仲間と言うのはチャレンジャーな人、友人と言うのは変わった人、知人と言うのは普通な人。
 これがクロガネ。
 とりあえずメールはこちら↓
kurogane951@yahoo.co.jp

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