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-件のコメント

[C207] セーフ?いいえアウトです

予想どうりだった夢オチはセーフでも、その後は明らかにアウトでしょう。

まあ、それよりも後半のはやてやなのはとの会話の方が印象的でした。渦中にいる人物が自覚してないので他人とのギャップに笑みがこぼれてしまう。

あ、あと病んでるのはアリサでなくクロガネさんですから、間違いなく。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : オサフネ
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[C208] コメントありがとうございま……ぐはっ!

〇オサフネさん
 そんな! こんなに健全なのに!?
 ここまでくればなのは嬢も何をしていたかモロバレでしょうけど、本人気付いてないですしね。ぎゃっぷりゃー。
 て、ちょ、何故クロガネが病んでるのかと。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : クロガネ
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[C209] もっとやっていいと思います。

個人的にはセーフ。
というかクロガネさまにはこの方向性で突き進ん(ry

なんにしても片思いの百合ってのはいいですね。
アリサの恋の病、というか感情の動きににぞくぞくしてしまいます。
実ればさらにぐっどb
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : あずや
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[C210] せふせふ

オッケーですよ!(何が?)

あれは本物の縁でないことは予想がついてましたが、あまりの臨場感に「マジか!?」と考え直しました。
ちっ!マジじゃなかったか。
自虐はともかくエロはオッケーです(おぃ
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : ノヴェール
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[C211] うわわわあああああああ!!!

ちょっ、マジで年齢制限ギリギリものが来た!?来週から「このサイトは18歳未満の閲覧を…」的な注意文がつくのかあああ!!

…とまあそれぐらいビックリ展開なのですが、夢落ちは予想してたけど、その後いたして、ワラッて、自傷の恐怖コンボ。これで縁に会ったらどうなるか…ガタガタブルブル。


私の場合、苦しい事があっても殴る蹴るで物にぶつける事があんまり出来ないですね。手は殴ったら痛くて止めちゃうし、物は壊したら後で困るとか考えちゃって… しかも大声で叫ぶこともしないから、どんどん溜め込んで欝になるタイプです。いやどっちが良いという問題では無いですがね。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : ミヅキ
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[C212] ばっちきた(笑)

夢オチは予想内。
内容は予想外(笑)

百合はいいね~アリサ病んでるけど。
縁出ないね~妄想いたけど。
ぎぶみ~縁。私に癒しを・・・

ナンバーズではじめて出てきた盗聴を使いこなす教授一派。
教授たちはスクランブルでもかけてるのかね、念話?

よし、そろそろ変身だ!頑張れリリカルアリサ♪
  • 2008-06-01
  • 投稿者 : ぎるばと?
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[C213] コメントありがとうございまーす

 セーフセーフ、完璧なセーフ

〇あずやさん
 ぉよ、はじめまして? 健全なクロガネです。もちろんこの方向(ry
 片想い、良いですよねー。簡単にくっつけたら面白くない。実るかどうかは別として。

〇ノヴェールさん
 同じくはじめまして、健全なクロガ(ry
 まあ、実際はキス止まりじゃなく、指入れまで書いたんですけどねぇ……個人的にはあのままマジにしても良かったんだけど。
 エロは正義だと思います(ぇ

〇ミヅキさん
 うははははははははは、何を仰る、このサイトは間違いなく健全サイトですよ。そんな18歳未満云々なんて付くはずがないじゃないですか(ニヨ
 ちょっと狂気のアリサも可愛いと思うクロガネは何でしょう?
 ん、クロガネはストレス発散として型の練習とかひたすら身体動かしますね、あとカラオケとか。

〇ぎるばと?さん
 18禁ばっちこいとか言われたからこんな内容に……1人遊びはセーフですよね?
 縁? 主人公じゃないし(ぇ。しかしクロガネ自身改めて読み返してみると、縁の登場シーンって意外と少ないんですよね。
 何時の間にやら教授 “一派” 。まあ、一家よりはマシかもしれませんが。
 リリカル アリサ、はじまりません。
 
  • 2008-06-01
  • 投稿者 : クロガネ
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[C214] もし一時間はやくアキバに着いていたら・・・

巻き込まれていたかもしれない  おにがみ です。


まず、理不尽な行いにより亡くなられた方々にご冥福を・・・・・・
今なお死神の鎌と戦っている方々にエールを・・・・・・
直接の面識はないが巻き込まれ 刺されて病院に担ぎ込まれた友人の友人の身と心の早い回復を祈ります。


そして何よりも犯人に死の鉄槌を・・・・・・てか俺にやらせろ 怒



で、ここからは感想
ここのところ壷とIEの調子が悪くてこちらにこれませんでしたが ・・・・・・ うん  作者の頭は病気シリーズ第・・第・・・第何弾? と言う冗談はここまでにして
相変わらず、キャラの内面描写とそれに伴う行動が読んでて秀逸だなと感じます。 もうぐいぐい引き込まれていきます。
次回も楽しみに待ちます。
  • 2008-06-08
  • 投稿者 : おにがみ
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[C215] 愛知県名古屋市に在住

〇おにがみさん
 しかしおにがみさん、巻き込まれなくて良かった。
 職業的から真面目なことを言うと、外科的手術を受けるというのは、良い意味でも悪い意味でも元通りの状態には

 100%戻らない、というのを意味します。

 病院というのはそもそも墓場と直結しているような環境です。何の罪もない人が、訳の分からん理由でんな所に担ぎ込まれるというのは、ヤなもんですね。
 もっとも、病院へ大怪我を負って担ぎ込まれる人のほとんどは、訳の分からん理由なんですが。交通事故の巻き込まれ、とか。


 クロガネの頭は正常ですよー、うふうふふうふふふ。
  • 2008-06-09
  • 投稿者 : クロガネ
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[C216] また出遅れた

二度目の感想、春都です。

病んでると前の感想で書いてましたが、おっしゃるとおりなんというか、普通に負って当たり前の心の傷なんですよね。ちょっと反省です。

はやてがなんか蠢いてたり、レイジングバードといい、アリサの傷といい、今後どう動くのかが楽しみです。
  • 2008-06-10
  • 投稿者 : 春都
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[C217] コメントありがとうございますー

〇春都さん
 まあ、精神的に極度は不安定 = 病んでると思われるのは仕方のないことですが。ヤンデマセンヨー。
 レイジングバード、何だか違和感なくなってきた(ぇ
 
  • 2008-06-11
  • 投稿者 : クロガネ
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[C218] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2008-06-11
  • 投稿者 :
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[C219]

〇  さん
 無論OKです。
 ただ、その職の関係上即レスが出来ないのはご了解を。
  • 2008-06-12
  • 投稿者 : クロガネ
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[C220] 管理人のみ閲覧できます

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  • 2008-06-12
  • 投稿者 :
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[C345]

しかり?しっかり?
  • 2008-10-30
  • 投稿者 : A
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魔法の使えない魔法使いの魔法 33

「よ、夜這――っ!」
 まさか縁の口から聞く事はないだろうと、そう思える台詞をさらりと言われ、アリサは絶句するしかなかった。
 夜這い。
 夜這いですか。
 女と女でか? いや違う、そういうじゃない。つっこみ所はそこじゃない。
 冗談よね? なんて聞ける訳がない。
 押し倒されているかのようなこの状況で、真夜中に忍び込んでまで、こんな壮大な冗談を縁がするとは思えない。というか、この雰囲気は、間違いなく、その……えーっと、あれだ、あの雰囲気だ。
 しゅる、しゅる。
 そんな布が擦れる僅かな音すら響かせて、縁がゆっくりと布団を下ろす。
 あ、駄目だ。
 パジャマはそんなに可愛い代物じゃない――ああ、それに今日は少し蒸し暑いから、汗が……せめて拭くだけでも。
 頭の中にぐるぐると浮かぶ言葉は、何故か “この先” の事を心配する考えばかり。
「アンス」
「ひぅっ!?」
 突然耳元で囁かれる。
 何時の間にか縁の顔がアリサの左へとしな垂れ掛かるように下ろされていた。
 縁の唇が、耳のすぐ傍に。
 燃えるくらい左耳が熱くなる。
 やめろ。
 囁くな。
 息を吹き掛けるな。
 ぞくぞくしてしまう。
「耳、真っ赤だな……恥かしいのか?」
「あ、あああぁぁあああ当たりま――」
「冷やそうか……」
 どうにか返そうとした言葉を、縁は容赦なく切り捨てた。

 ちゅ

 言うが早いか、耳に、キスされた。
「ひゃぁっ!?」
 反射的に変な声をあげてしまった。
 違う、変な声じゃない、これは驚いてあげただけで、決して疾しい意味合いの声では――

 ちゅ――にゅぷ―――――ちゅ、ぷ――

「ぁぁああ! ひゃ、ぅぁ、ぁぁぁあぁああ!?」
 キスだけじゃない。
 ねっとりと、舐め回してきた。
 マズい。思わず、あれをシている時の声に近い声が、漏れた。
 耳たぶも、耳の穴も、上まで、裏まで、ゆっくりと舐められる。しかもわざと音を立てるように。絶対わざとだ。じゃなきゃ、こんなヤラしい音が出るもんか。
 舐められ、弄ばれ、そのたびに声が漏れる。
 ふふっ、と縁の笑い声がした。
「気持ち良いのか?」
「っ!!!!????」
 囁かれる声。
 そこでようやく、アリサは自分が声を隠そうとせずに素で漏らしている事に気がついた。
 恥い恥い、恥かしい。疾しいその声を、縁にそのまま聞かせていた事実に、羞恥心が一気に湧きあがる。穴に埋まりたいとは、こういう事か。
 囁かれた声に反応して、アリサは右手で自分の口を隠そうとするが、それは既に予測されていたのか、すぐ様に縁の左手でベッドへ押さえつけられる。左手は、縁の身体が邪魔して動かせない。
 嘘、やだ!
 押さえつけられた右手を振り解こうと力を込めるも、全く動じない。
 もし冷静に考えられたら、そんな無駄な努力はしないで別の方法を模索しただろう。反射神経では魔法の補助なしとは言えフェイトに勝り、力比べではすずかに肩を並べるような運動神経の化け物に、真っ正面から抵抗するだけ無駄なのだ。
 ならば声を漏らすものか。
 そう思って口をしっかりと閉じ

 ふぅぅぅー

「ふぁっ、あああっ」
 息を吹きかけられて、それすらも無駄な抵抗にされてしまった。
 駄目だ、流される。
 抵抗できない。というか、相手が縁だから、本気で抵抗する気が起こらない。
 水っぽい音が、舌が這う音が、耳元からダイレクトに頭に響く。
 やばい。
 エロい。
 身体が、熱い。
「ぇ、ぇにし、にゃ、めぇ!」
 せめてもの抵抗の言葉は、まるで呂律が回らない。
 駄目。
 駄目駄目駄目。
 堕ちたら、駄目だ!
 一生懸命自分を奮い立たせようとするも、どうにもならない。せめて、相手が縁じゃなければ、もっと抵抗できるのに。
 心の中で、このまま流されたいという感情が膨らんで、止める事が出来ない。
「え、縁!」
 絞り出して叫ぶ声に、縁の舌がぴたっと止まった。
 チャ、チャンスだ。
「ああああああんた、何してるのか、分か、分かってるの!?」
 このチャンスを逃すものかと、アリサは勢いをつけて縁に怒鳴るかのような気迫で問いただす。
 が、
「分かってる」

 ちゅ

 返されたのは、一言と、熱い、キス。
「まずは、アンスの耳を、愛してるだけだ」
 ふふっと、楽しそうに、囁かれた。
 愛してる。
 愛して。
 心の中の、譲ってはいけない筈の何かが、陥落した気がした。
「アンス」
 ゆっくりと、顔を持ち上げる。
 縁に押し倒されて、見下ろされる状態。
 悲鳴を上げてる心臓の音が、気にならなくなった。
 縁しか呼ぶ事のないその名前を囁いた唇が、小さく動く。
「好きだ」
 潤んだ瞳。
 綺麗な瞳。
 魅入ってしまうような、その瞳。
 その瞳に映る自分は、さぞ蕩けた顔になっている事だろう。
 だって、そうだろう。縁から告白され、蕩けた顔にならない自信なぞ、ない。
 頭の中で、その告白が反響する。
 駄目だ。
 堕ちた。
「私も――」
 ああ、言うな、言ってはいけない。
 頭の片隅で誰かの声が聞こえた気もするが、アリサは自身の口から漏れ出していく言葉を止める事が出来なかった。
 言ったら、戻れなくなる。
 引き返せ。
 誰かの声。
 うるさい、だまれ。
 じゃまを
 するな

「――――好き」

 呟き漏れたアリサのたった一言に、縁はにこっと笑ってくれた。
 誰かの声は、その笑顔に掻き消える。
 ゆっくりと、縁の顔が近付く。
 ああ、キスされるのか。
 この雰囲気で、この流れなら、キス以外ないだろう。
 そんな予想がぼんやりと浮かぶと、胸がかぁっと熱くなる。
 ゆっくり近付く顔。
 じれったい。早くキスが、したいのに。
「――アンス」
「――うん」
「キス、いいか?」
 目の前で聞かれたその質問に、返す言葉の種類など、一体いくつあろうか。
 そっと、アリサは縁の頬に両手を添えた。
「聞かないでよ、ばか――」
「すまない」
「ううん」
 こつん、と額を当ててから囁いた声には、皮肉の色も非難の色も混ぜられなかった。
 どうしてこう、てれ隠しが下手かな。

「キス、して―――」



















 ごんっ!!

















「にゅぷぁっ!?」
 頭を突き抜けるように走った激痛と、軽快かつ響く音と、自らの口から上がった変な悲鳴に、アリサの目は一気に覚めた。
 目を見開くと、赤い何か。
 ――あ、あ、あれ? 縁は?
 慌てて起き上がろうと手を突いて――ようやくその赤い何かが絨毯である事に気がついた。そう、寝室の絨毯。
 真っ暗な部屋。間違いなく真夜中だ。
 身体を起こして周りを確認すると、何て事はない、ベッドから転がり落ちただけみたいだ。
 そう、転がり落ちて――
 目が、“覚めた”。
 当然のように、ベッドに縁の姿がある訳はなく。
 つまり、今まで縁に押し倒されていたあれは、間違いなく、その……

 ゆ、夢?

「ぅぁ、ぁ、ぁぁぁ……」
 結論が思い当たると同時に、アリサはベッドへ顔を埋めて悲鳴を上げた。漏れる悲鳴が真夜中の寝室に響き、かなり不気味である。
 夢、夢か、夢なのか!? 頼む、嘘だと言って!
 何という夢を見るんだ自分は! 死んでしまえエロ娘が! 正直かなり良かっ、じゃない、自己嫌悪で死んでしまいたい!!
 心の中に吹き荒れるのは、当然のように自己嫌悪の嵐。
 友達だ。
 縁は、友達なんだ。
 そう思ったはずなのに、そう決めたはずなのに。
 何だ今の夢は。
 自分の欲にまみれた、あんな夢。
 そして、夢の中とは言え、いや、夢の中でさえ、告白しないと決めた決意は、あっさりと折れた。
 欲望に、折られた。
 それどころか、キ……キスして、とか、自分からねだった。
 恥ずかしい。
 何だあれ。
 ただの痴女じゃないか。
 死ねる。いや、死んだ方が良い。
「ぁぁぁああぁぁぁぁぁあ……ぅぉぉぉ……」
 悲鳴だか叫び声だか分からないそれをあげ、流石に疲れてきたのか息切れを起こしてきた。ベッドに顔を押し付けているものだから、息があまりにも吸い辛い。
 と言うより、ベッドから転がり落ちるって、どんな寝相なのかと。
 アリサの使っているベッドは、大の字になっても2・3人寝れるキングサイズだ。そして、アリサは間違いなくそのベッドの中央で眠りについたのだ。なのに落ちた。そんなに寝相が悪かったっけ? それとも悶えてた?
 なんと言う、なんと言う痴態。
 しかも、友達をダシにして、あんな……あんな……
「―――――」
 そこでふと、アリサは気付いた。
 さぁっと、血の気が引く。
 嘘だと言って欲しい。心の底からそう思う。勘違いでも良い。
 確かめたら駄目だと分かっているのに、手は恐る恐る気付いた “ソレ” に指を伸ばしていた。

 ちゅぷ……

「ひぅっ」
 思わず、声が上がる。
 結論から言おう。
 予想は当っていた。大当りと言って良い。
 大惨事だった。
 大洪水だった。
 何が、何処が。それはアリサの名誉の為に広言は出来ない。
 血の気が引いたのに、今度は一気にアリサの顔が赤くなる。

 にゅぷ……くちゅ……

 もう確かめた、だから指を引かないと。
 分かっているのに、指は勝手に動いていた。
 駄目だ、止めるんだ。そう自制しても、指は言う事を聞かない。
 着替えなきゃ……そうだ、早く着替えなきゃ……
「ぅくっ―――ぁ、はぁ――っ」
 考えている事と、シている事が、違う。
 止めないと、そう思うほど、指は勝手に動く。
 ヤバい。
 頭の奥が、じんじんする。
「ぁ、はぁ……んっ、や――ぁ」
 ちゅにゅ、っと凄く水っぽい音を響かせて、布越しに指が少しだけもぐり込んだ。抵抗が、まるでない。
 びくっと、アリサの身体が跳ねる。
 少しだけ入った指を、抜く。
 膨らみ布を押し上げているそれに、指がこすれた。
「んく―――っ!」
 我慢が、出来なかった。
 いや、出来るはずが、ない。
 身体が熱い。
 だから解消して、冷まさないと――

『冷やそうか……』

「ひっ――――ぃあ、あああっ」
 脳裏に、夢の中で縁が囁いた言葉がリピートされた。
 理性に対しての、トドメに近かった。
「ぇ、ぁ――ぇに、し、ぃ、ぃぃぃぃんんっ!」
 名前が、口から漏れる。
 身体が跳ねた。
 電流を頭から足の先まで無理矢理流された、そんな感じ。名前を呼んだだけなのに。
 思考が上手く回らない。
 回らないが、何故か夢の内容が、鮮明に頭の中に流れていく。
「ふあ、ぁ、やっ……ぇに、えにしっ、えに、んぁ、あっ」
 止まらない。
 止めるつもりも、ない。
 この指が、縁のだったら。そう思っただけで、どうしようもなかった。

 ちゅ――ちゅぷ―――にゅ――

 縁。
 縁の事ばかりが、頭の中に浮かんでくる。
 駄目だ。
 好きだ。
 どうしようもなく、好きだ。
 気が、狂いそうになる。
「ぃ、ぃぃぃ、ぇにしっ――――んぁ、ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 びくっと、身体が跳ねる。
 は、早――
 息が止まる。
 視界がスパークする。
 頭が真っ白に、染まる。
 早い。
 いつもより、ずっとずっと、早い。
 そして、いつもよりも、ずっと気持ち良――
 びくん、びくん、とアリサは身体を痙攣させながら、震えるように息を吐く。
「ぁ、ぁぁ―――ぁん――ぁ、はぁ、ぁぁぁぁぁ――」

 ちゃぷ―――

「ぁはっ♥」
 まだ、達してる最中だというのに、指が再び動く。
 布越しじゃない。直接、ふくらんだソコを触っていた。 
 反対の手が、胸に行く。
 服をまくり、直接。
「ぁ、縁、えにしぃ!」
 縁を呼ぶその声が、止まらなかった。
















 最悪な目覚めだった。
 生まれてこの方、これほどテンションが低く、気分が悪く、雨が降っていて、蒸し暑く、寝癖は酷く、隈まで浮かぶ、そんな最低最悪な目覚めがあっただろうか。いや、あろうはずがない。
 誰が頼まなくても、日は昇り、日付は変わる。人生最悪な朝を、当然アリサは迎える事となった。
 どれほど最悪かと言うならば、目が覚めて着替えるより顔を洗うより何より先に首を吊るか手首を切るか悩むほどに最悪だった。しかもわりと真剣に悩んでいた。
 とりあえず、首も吊らず手首も切らなかったのは、執事が朝の挨拶に来たからだった。
 そして、お手伝いさんが制服を持ってきた。
 死にたくなるような着替えだった。むしろ、羞恥心で死なずに今生きているのが不思議なくらいだった。
 あのまま4回シた後に気絶して、当然着替えてない。匂いだって消してない。
 お手伝いさんの身体が、ぎしっと音をたてて固まったのが、目を瞑っていても分った。窓から頭を下にして飛び降りたい。
 しゃわぁ、あびさせてください……
 死ぬ気で搾り出した屈辱と恥辱に塗れたアリサの一言に、意外と初心なんだろうか、お手伝いさんは完熟のトマトの如く顔を真っ赤にしながらこくこくと頷いてくれた。
 そして、そのお手伝いさんは、アリサを人の目から隠すように風呂場まで付き添ってくれて、下着だけ手洗いしますねと小鳥の鳴き声みたく小さな声で耳打ちしてくれた。いい人だ、査定の際はパパにゴリ押しプッシュしておこうと、心の中で涙を流しながらアリサは誓った。
 ちょっとだけ心が癒されたので、風呂場の中では馬鹿な行為に走らずにすんだ。
 多分、あのお手伝いさんじゃなければ、冗談じゃなく自分は手首を切っていただろう。
 頭からお湯ではなく冷えまくった冷水を浴びながら、ようやくそこでアリサは冷静になっていく。
 冷静になって。
 再び死にたくなってきた。欝だ。
 縁を――オカズに使った。
 謝って済む、そんなレベルじゃない。想像の中とはいえ、自分の汚い欲望で縁を汚し、そして悦んでしまった。
 最低の行いだ。
 最低だ。
 友達なのに、そんな事をして。
 泣きそうだ。涙が出てきた。
 死ぬ気も、萎えてきた。
 こんなの、恋愛じゃない。
 好きな人に汚らしい感情が沸き起こる自分はきっと、異常なんだ。
 変態だ。
 最低の。
 異常者。
 壊れてる。
 自分は絶対、壊れているんだ。
「は、はは……」
 冷水を浴びながら、自然と笑いがこみ上げてきた。
 なにが可笑しいのか、何が楽しいのか、全く分らないが自然と笑いが溢れてくる。
「はは、ははははは、あははははあははははははははははっ」
 こんなに悲しいのに。
 こんなに苦しいのに。
 こんなに辛いのに。
 こんなに泣きそうなのに。
 笑いが、止まらない。

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 狂ったように、笑いがこみ上げてくる。
 止められない。
 ああ、自分は本当に狂ってしまったのか。それとも最初から狂っていたのか。
 笑いながらも、何故か冷静な自分が頭の片隅で呟いていた。

「ふっ――――っざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」

 壁を、殴った。
 痛い。
 血が出た。
 しかし、気にならなかった。
 今は心の方が、もっと痛い。
 狂って?
 狂ってるって?
 女が女を好きになるような変態性欲を持った人間が、最初から正気な訳なんてないじゃないか! 当たり前のことを言うな!
 挙句の果てには、惚れた相手のエロい夢を見るわ、オカズにして汚すわ、しかもその最中に罪悪感なんてなかった。それだけじゃない、自分はずっと縁に対して欲情していた。あの匂いに、あの汗に、あの瞳に、あの声に、あの感触に、欲情していた。友達相手に欲情して、狂ってる以外何がある! こんなの、私をレイプしようとしたあいつらと、何の変わりもないじゃない!!!
 殴る。
 殴る。
 壁を、殴る。
 血が出る。
 赤く壁が染まる。
 冷水を浴びてるはずなのに、頬にクソ熱い水が流れている。
 そのクソ熱い水は、何故か目から流れている。
 最低だ。
 自分は最低だ。
 だから、自分は自分の身体を傷つける。
 これは罰なのだ。
 罰なのだ。
 だから、罰を受けるのは当然である。
 その罰を受けるのに、泣くなんて不自然だ。
 だから、この頬を流れるクソ熱い水は、涙なんかじゃ、決してない。
 あるはずが、ない。
 殴る。
 殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
 殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴










 ふと気がつけば、全身ずぶ濡れになったあのお手伝いさんに、効率の悪いホールドをされていた。
 お手伝いさんは、泣いていた。
 止めてください。落ち着いてください。止めてください。
 震える声で、涙を恐怖で彩られた顔を向けられて、止められていた。
 壁は。
 染まっていた。









 何してるんだか。
 右手に巻かれた包帯を見ながら、アリサは溜息を1つ吐いた。
 今日は雨。
 強い雨脚ならばまだ諦めがつくのに、何故か中途半端な雨の量。
 これほど学校を休みたくなったのは、はじめてだ。
 それでも登校することにした。とても心配そうな目線を背中に感じながらも。
「おは――え?」
 しばらく歩くと、すずかがライトブルーの傘を揺らしながらやって来た。アリサの姿を見た途端、顔色が変わったが、それは傘のせいなのか。
 おはよう、とアリサは若干元気のない声で返した。返しながら、右手を後ろに隠す。
「あ、アリサちゃん?」
「ん? どうしたのすずか? ああ、まだ寝癖残ってる?」
「え、あ、えっと、その……」
「今日は寝癖が酷くって困ったわ。髪を短くしたからって油断したのかもね」
 言葉に詰まって困っているすずかに、アリサはからからと笑いながら話を逸らす。
 もちろん、すずかが言葉を詰まらせた原因がそうじゃない事くらい、アリサだって分っている。そもそも、髪型は完璧にセットした。寝癖が残っているはずがないのだ。
 少しの間すずかはあー、だか、うー、だか唸ってから、ようやく決心をつけたかのようにアリサと目を合わせた。
 つぃっと、アリサの方から目線を逸らした。
「アリ――」
「ごめん、聞かないで」
 話を、潰された。
 ぱくぱくとすずかは酸欠の金魚のように口を開いたり閉じたりした後、かくんと肩を落とした。
「落ち着いたら、話すから」
 言葉をかける。
 嘘だ。一生話す気なんか、ない。
 それをすずかも感じ取ったんだろう、寂しそうな、心配そうな、悲しそうな、複雑な色をした目線を向けてから、待ってるね、とだけ呟いてくれた。覇気のない、声だった。
「おはよー」
「おはよーさん」
 雨の音に混じってなのはとはやての声。
 なのはの傘はライトピンクで、フェイトとお揃いである。まあ、フェイトが近所の店々を駆け攣り回って根性と執念でお揃いの傘を買っただけなのだが。はやての持つダークブルーの傘は、たしか誕生日プレゼントでザフィーラから贈られたと言っていた、成人男性用の傘……よりも1回り大きい大傘だ。車椅子の配慮である。
 近付いてくるはやての車椅子が、いつも以上にうぃんうぃんと音が響くのは、雨の日用の駆動力に換装しているからとの事だ。晴れの日とは違って、なにやらモーターとかが違うらしい。天気によって面倒臭いんだな、とは思ったが、それははやてへの同情や哀れみでしかないので口にはしない。ただ、はやて自身が面倒だとぼやいてはいるが。
「おはよう、なのはちゃん、はやてちゃん」
「おはよ、2人とも。はやては変わらず覇気がないわね」
 ぺこりと頭を下げながら挨拶するすずかに、左手に握った傘を一度高く翳して挨拶をするアリサ。アリサの挨拶にはかなりの毒素が混入されていた。
「ストレートにきっついなアリサちゃん。まあ、言わんといて言わんといて、仕事で最近ミスがあって凹んどるんや。心配してくれるんやったらアリサちゃん癒してぇ」
「へぇ、いいの? 私の癒しで?」
「あ、う、せやな、アリサちゃんは癒しキャラやないもんな、どっちか言やすずかちゃんのポジションや」
「だって、すずか」
「癒してー、すずかちゃん癒してー」
 振り向きながらすずかに振ると、はやてはターゲットをすずかに変更し、傘を持っていない方の片腕をぱたぱた振りながらすずかに泣きついた。流石にすずかも苦笑いである。
 最近はやては、覇気がない。
 そして、それを訊ねても妙に納得できる理由でのらりくらりと話題を摩り替えてくる。決して中途半端に惚けたりしないので、逆にはやての覇気のない原因が余計に分らない。
「あれ、アリサちゃん?」
「んー?」
「手、どうしたの?」
 呼ばれて振り返ると、きょとんとした顔のなのはが後ろ手に隠していた右手を見ていた。
 ああ、しまった。すずかに振り向いた時に。
「ええ、ちょっと怪我しちゃってね。大袈裟にしてるだけだから心配ないわ」
 からから笑い、平気だと示すようにアリサは右手をぶんぶん振って答える。
 嘘だ。あんまり振ると痛くて堪らない。自業自得なのに。
 それでも表情を作るのには長けているので、苦痛も汗も欠片ほども見せる事無く笑顔を向けた。それに対してなのははへー、っと微妙な返答だけに留まった。まあ、なのはのように本能的に鋭い相手を完全に騙せるとは思ってないが。
「もー、アリサちゃんは自分の身体大事にせなあかんよ」
 うぃんうぃん響かせてはやてが寄って来た。何故か車椅子に座っているはやての膝の上に、ちょこんとすずかが苦笑い全開で座っている。しかも2人分の傘を持って。
「……すずかの身体も大事にしなさい」
「あかん、今癒してもらっとる最中や」
 意味が分からん。
 傘で両手が塞がっているすずかの身体をむぎゅむぎゅと抱きしめながら、無駄に真面目に答えるはやてへアリサは呆れた表情を向ける。まあ、すずかの抱き心地が良さそうなのは認めるが。
 馬鹿やってないで早く行くわよ。
 流石に困っているすずかを見過ごせないので、そう言ってアリサは登校を促そうとし――

『その怪我、壁か何か拳骨でシバいたやろ』

 小さく、はやての声が響く。
 アリサの肩が一瞬だけ跳ねた。
「私も昔はよーやったよ。4年くらい前までな」
 ははっと笑いながら、あくまでも気楽に言葉を続けるはやて。気楽過ぎて、逆に核心に迫っている。
 じとっと、アリサははやてを睨むが、その間にいるすずかが訳が分からないという表情できょとんとしているので、何だか気が抜けてしまう。
 ……あれ?
 すずかが?
 はて、かなりストレートに言ったはやての言葉にすずかが反応を示さないのは変だ。惚けている訳じゃない、あれは本気で状況が分かっていない時の表情だ。
 ちらっとなのはへと視線を向ける。
「―――――――――――――」
 思いっきり見てる。
 むしろ睨んでる。
 どういう事? と無言で迫っている。ちょっと怖い。
 何だろう、すずかは聞き逃したんだろうか。あれだけ近いのに。
「こ、転んだ時に受身したのよ。床よ床っ」
 紛れぬ疑問を抱きながらも、睨むなのはにアリサは慌てて言い訳を口にする。
 しかし、なのはの視線は緩まなかった。ついでにはやての視線も何か痛い。
『ま、そういう事にしといたる。怪我も、会話もな』
 何故か残念そうに呟いたはやては、伸ばされた後髪に顔を埋めるようにしてむぎゅーとすずかを強く抱きしめる。ぅひゃん、と微妙に艶のある声をあげた。
「は、はやてちゃ……あははははっ、ま、ひゃ、息がくすにゃ、くすぐった、はははははっ」
 月村すずか。
 実はくすぐったがり屋。
 なにせ肩のマッサージですら笑い出す。
 反論も言い訳もさせぬ話の打ちきり方に納得いかない視線をアリサは向けるが、かと言って蒸し返されても困るので、ここはすずかをこのまま生贄羊としておくことにした。ごめんすずか、私じゃはやてを止められない。
 すずかの笑い声をBGMに、アリサは一度溜息をしてからなのはの方へと向いて

 目の前に、赤い宝石球。

 何故かアリサは反射的に胸元に手をやる。
 胸元の制服の下からは、確かに硬い感触。
 ああ、縁から貰ったお守りじゃない。あれはなのはの持っているレイジングバードだったか何だったか、良く覚えていないがそんな感じの名前だった宝石球。似てるなと自分でも縁からお守りを貰った時に思ったじゃないか。
(( Confirmation completion ))
 ぴかっとなのはの宝石球は一瞬だけ輝いて、いきなり音声が何処からともなく流れる。以前に一度だけ聞かせてもらった事がある、このレイジングバードの声だ。
 確認?
 何の?
 いきなり喋り出した宝石球の言葉に、アリサは疑問符を浮かべる。
「なのは、何してるの?」
「ううん、ちょっとメディカルチェックみたいなの」
 疑問をそのまま口にしたアリサの言葉に、なのははにっこりと笑顔で答えた。
 ひくりとアリサの口元が引き攣る。さっきまで睨んでたのが急に笑顔になったのが怖いという理由もあるが、メディカルチェックという言葉に反応した部分が大きい。
「だ、だから、ちょっと怪我しただけよっ、心配し過ぎっ!」
「あ、そっか、それも調べなくちゃ」
「へ?」
「はいアリサちゃーん、調べますよー」
「わわっ、いいってば、大丈夫よ!」
 再び宝石球を持って迫るなのはからアリサは身を引いて逃げる。その笑顔が怖いのだ。
 はて、怪我の事じゃないのならば、何のメディカルチェックをしていたのやら。気にはなるのだが、聞いてみた所で藪蛇になるのは間違いなさそうである。
 残念、と一言漏らしながら、なのはは宝石球を制服の下にしまう。
 油断ならん奴だとなのはを警戒しながらも、アリサは仕切り直しで咳払いを1つ。
「ごほっ」
 思いっきりムセた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――

 このままアリサの中ではレイジング “バード” で固定されそうな勢いだ。クロガネです。

 はい、皆さん予想されていた通り、夢落ちという話です。ああっ、モニターに石投げないで!
 別に今回のシーンはサービスという訳じゃないんです。このシーンが絶対必要だから書いた訳であって、決してクロガネが好き好んでノリノリかつ執筆絶好超で書いていた訳じゃないんです。ましてエロが足りないなー、と4回も書き直したりなんかしてません。
 て言うかね、クロガネの中ではアリサは責め受けが極端リバーシブルみたいなイメージがあるので、なんか書き難かった。
 いやー、それにしても、うん、これは健全だ。すっごく健全だ。18歳未満の心清き未青年の人々が見たってクレームが1つも来ないであろうくらいに健全だ。え? 18禁? 何を言ってるのかクロガネにはさっぱり分かりません。素晴らしいまでに健全です。
 あ、それとね。
 病んでないよ。
 チガイマスヨー、ヤンデマセンヨー。

 ま、強姦未遂を受け、精神的に普通であるはずはないですが。

 しばらくは性的な事に関して拒絶反応が出るであろうのに、今回のは普通に堪えるでしょう。それだけは分かって欲しいです。
 心理学的に、病んでる訳じゃないですよ。
 極度に不安定であるのは否定しませんが。
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15件のコメント

[C207] セーフ?いいえアウトです

予想どうりだった夢オチはセーフでも、その後は明らかにアウトでしょう。

まあ、それよりも後半のはやてやなのはとの会話の方が印象的でした。渦中にいる人物が自覚してないので他人とのギャップに笑みがこぼれてしまう。

あ、あと病んでるのはアリサでなくクロガネさんですから、間違いなく。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : オサフネ
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[C208] コメントありがとうございま……ぐはっ!

〇オサフネさん
 そんな! こんなに健全なのに!?
 ここまでくればなのは嬢も何をしていたかモロバレでしょうけど、本人気付いてないですしね。ぎゃっぷりゃー。
 て、ちょ、何故クロガネが病んでるのかと。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : クロガネ
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[C209] もっとやっていいと思います。

個人的にはセーフ。
というかクロガネさまにはこの方向性で突き進ん(ry

なんにしても片思いの百合ってのはいいですね。
アリサの恋の病、というか感情の動きににぞくぞくしてしまいます。
実ればさらにぐっどb
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : あずや
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[C210] せふせふ

オッケーですよ!(何が?)

あれは本物の縁でないことは予想がついてましたが、あまりの臨場感に「マジか!?」と考え直しました。
ちっ!マジじゃなかったか。
自虐はともかくエロはオッケーです(おぃ
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : ノヴェール
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[C211] うわわわあああああああ!!!

ちょっ、マジで年齢制限ギリギリものが来た!?来週から「このサイトは18歳未満の閲覧を…」的な注意文がつくのかあああ!!

…とまあそれぐらいビックリ展開なのですが、夢落ちは予想してたけど、その後いたして、ワラッて、自傷の恐怖コンボ。これで縁に会ったらどうなるか…ガタガタブルブル。


私の場合、苦しい事があっても殴る蹴るで物にぶつける事があんまり出来ないですね。手は殴ったら痛くて止めちゃうし、物は壊したら後で困るとか考えちゃって… しかも大声で叫ぶこともしないから、どんどん溜め込んで欝になるタイプです。いやどっちが良いという問題では無いですがね。
  • 2008-05-31
  • 投稿者 : ミヅキ
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[C212] ばっちきた(笑)

夢オチは予想内。
内容は予想外(笑)

百合はいいね~アリサ病んでるけど。
縁出ないね~妄想いたけど。
ぎぶみ~縁。私に癒しを・・・

ナンバーズではじめて出てきた盗聴を使いこなす教授一派。
教授たちはスクランブルでもかけてるのかね、念話?

よし、そろそろ変身だ!頑張れリリカルアリサ♪
  • 2008-06-01
  • 投稿者 : ぎるばと?
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[C213] コメントありがとうございまーす

 セーフセーフ、完璧なセーフ

〇あずやさん
 ぉよ、はじめまして? 健全なクロガネです。もちろんこの方向(ry
 片想い、良いですよねー。簡単にくっつけたら面白くない。実るかどうかは別として。

〇ノヴェールさん
 同じくはじめまして、健全なクロガ(ry
 まあ、実際はキス止まりじゃなく、指入れまで書いたんですけどねぇ……個人的にはあのままマジにしても良かったんだけど。
 エロは正義だと思います(ぇ

〇ミヅキさん
 うははははははははは、何を仰る、このサイトは間違いなく健全サイトですよ。そんな18歳未満云々なんて付くはずがないじゃないですか(ニヨ
 ちょっと狂気のアリサも可愛いと思うクロガネは何でしょう?
 ん、クロガネはストレス発散として型の練習とかひたすら身体動かしますね、あとカラオケとか。

〇ぎるばと?さん
 18禁ばっちこいとか言われたからこんな内容に……1人遊びはセーフですよね?
 縁? 主人公じゃないし(ぇ。しかしクロガネ自身改めて読み返してみると、縁の登場シーンって意外と少ないんですよね。
 何時の間にやら教授 “一派” 。まあ、一家よりはマシかもしれませんが。
 リリカル アリサ、はじまりません。
 
  • 2008-06-01
  • 投稿者 : クロガネ
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[C214] もし一時間はやくアキバに着いていたら・・・

巻き込まれていたかもしれない  おにがみ です。


まず、理不尽な行いにより亡くなられた方々にご冥福を・・・・・・
今なお死神の鎌と戦っている方々にエールを・・・・・・
直接の面識はないが巻き込まれ 刺されて病院に担ぎ込まれた友人の友人の身と心の早い回復を祈ります。


そして何よりも犯人に死の鉄槌を・・・・・・てか俺にやらせろ 怒



で、ここからは感想
ここのところ壷とIEの調子が悪くてこちらにこれませんでしたが ・・・・・・ うん  作者の頭は病気シリーズ第・・第・・・第何弾? と言う冗談はここまでにして
相変わらず、キャラの内面描写とそれに伴う行動が読んでて秀逸だなと感じます。 もうぐいぐい引き込まれていきます。
次回も楽しみに待ちます。
  • 2008-06-08
  • 投稿者 : おにがみ
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[C215] 愛知県名古屋市に在住

〇おにがみさん
 しかしおにがみさん、巻き込まれなくて良かった。
 職業的から真面目なことを言うと、外科的手術を受けるというのは、良い意味でも悪い意味でも元通りの状態には

 100%戻らない、というのを意味します。

 病院というのはそもそも墓場と直結しているような環境です。何の罪もない人が、訳の分からん理由でんな所に担ぎ込まれるというのは、ヤなもんですね。
 もっとも、病院へ大怪我を負って担ぎ込まれる人のほとんどは、訳の分からん理由なんですが。交通事故の巻き込まれ、とか。


 クロガネの頭は正常ですよー、うふうふふうふふふ。
  • 2008-06-09
  • 投稿者 : クロガネ
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[C216] また出遅れた

二度目の感想、春都です。

病んでると前の感想で書いてましたが、おっしゃるとおりなんというか、普通に負って当たり前の心の傷なんですよね。ちょっと反省です。

はやてがなんか蠢いてたり、レイジングバードといい、アリサの傷といい、今後どう動くのかが楽しみです。
  • 2008-06-10
  • 投稿者 : 春都
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[C217] コメントありがとうございますー

〇春都さん
 まあ、精神的に極度は不安定 = 病んでると思われるのは仕方のないことですが。ヤンデマセンヨー。
 レイジングバード、何だか違和感なくなってきた(ぇ
 
  • 2008-06-11
  • 投稿者 : クロガネ
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[C218] 管理人のみ閲覧できます

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  • 2008-06-11
  • 投稿者 :
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[C219]

〇  さん
 無論OKです。
 ただ、その職の関係上即レスが出来ないのはご了解を。
  • 2008-06-12
  • 投稿者 : クロガネ
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  • 2008-06-12
  • 投稿者 :
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[C345]

しかり?しっかり?
  • 2008-10-30
  • 投稿者 : A
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4/6更新 リリカルなのは、短編と呼ぶべきかネタと呼ぶべきか考えた結果これはクロガネ式妄想劇と呼ぶべきなんじゃないのかなぁという曖昧な結論に落ち着きました、みたいなお礼ありです。

魔法の使えない魔法使いの魔法

注意事項!

プロローグ

第1章 『海鳴 縁という少女』
       
基礎情報 第1章終了時点
第2章 『悩み』
         
基礎情報 第2章終了時点
第3章 『誰が為の剣』
           
基礎情報 第3章終了時点
第4章 『教授』
           
基礎情報 第4章終了時点
第5章 『恋ですか?』
           
基礎情報 第5章終了時点
第6章 『切実な事情、迂闊な発言』
           
基礎情報 第6章終了時点
第7章 『縁と看視者』
           
基礎情報 第7章終了時点
第8章 『その言葉、届かない』
           
基礎情報 第8章終了時点
第9章 『失意』
               
基礎情報 第9章終了時点
第10章 『挫けぬ雷刃』
           
基礎情報 第10章終了時点
第11章 『届け、星の光!』
             
基礎情報 第11章終了時点
第12章 『祝福される騎士と風』
 
第13章 『アリサ・バニングスという少女』
第14章 『そして、日常』


本筋関係ないパラレル短編
           

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プロフィール

クロガネ

Author:クロガネ
 鉄と書いてクロガネ。文系の皮を被った理数系。人種差別主義。有神無宗派論者。白衣の天使。瞑想で一日潰したことがある。萌えにも燃えにも反応する。二次元より三次元の方が楽しいと思う。宇宙人未来人超能力者魔法使い等特殊な人間じゃなくて本当に良かったと思っている。変な人といわれる。仲間と言うのはチャレンジャーな人、友人と言うのは変わった人、知人と言うのは普通な人。
 これがクロガネ。
 とりあえずメールはこちら↓
kurogane951@yahoo.co.jp

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