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-件のコメント

[C141] 日本は法事国家です。

 今回日本国憲法のお話が出てきました。原作のほうで、はやてが犯罪者扱いされてますけどこれは実に可笑しいことです。本文中で書かれているように、ヴォルケンリッターの方は犯罪者認定されて当然ですが、はやての方は闇の書というまったく知らない異世界から無関係に転移した物体による被害の上に、本人は何もしてないのですから犯罪者として扱うのはおかしいです。むしろこの場合、身元保証をしていて且つ事態を理解していながら敢えてそれをさせていたグレアムに問題があります。

 どう考えてもフェイト達異世界人は、不当な手段で地球の戸籍を得ているんでしょうし、外務省とか日本警察とかにバレたら未成年以外は逮捕されるんじゃないでしょうかね?異世界から来たなんて説明しても信じられないでしょう。
 仮に、異世界で転移先を間違えてホワイトハウスとか米軍基地みたいな進入禁止区域の真っ只中に出てしまって、問答無用で射殺されてもだれにも文句言えないんですよね。そういう場合どうしてるんだろ管理局……
 
  • 2008-01-29
  • 投稿者 : ミヅキ
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[C142]

何 このラブってコメってるお話は(いやまぁコメがあるかは微妙ですが) てか、口から砂糖がざぁざぁ滝のごとく流れ落ちてるんですが・・・・・・


うん、もう寝よう 今 俺は夢を見ているんだ。 明日起きたら  『なぁんだ更新されてないじゃないかやっぱり夢だったんだ ( ゚∇゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \』 となるに違いない  というかなっててくれ
  • 2008-01-29
  • 投稿者 : おにがみ
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[C143] 感想を・・・

今回の見所はフェイトでも恋慈でも縁でもデレたアリサでもなく、読者の味方ガンザ=アーカー
他人の話について行けなくて解説を求めるナイスポジション、これで話の流れだけではついて行けないあなたも大丈夫!!

>漸くフェイトとガンザの言葉の裏が読めてきた
これは少しおかしくないですかね、ガンザ視点なら
>漸くフェイトの言葉の裏が読めてきた
あたりが妥当では
  • 2008-01-30
  • 投稿者 : オサフネ
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[C144] コメントありがとうございますー

○ミヅキさん
 まあ、グレアムのおっちゃんは最初からはやてに死んでもらう (氷漬けでさようなら) つもりだったし、生きて管理局に来させるつもりがさらさらなかったんですよね。はやてが生きていること自体、薄氷の上に立つような奇跡の出来事ですし……犯罪者云々以前に、生活費などの金を工面する代わりに夜天の書を抱いて死んでくれというのは、最初から非道ですよ、あの糞ジジィ。クロノ君がいなけりゃ、はやての最期の記憶が目の前でヴィータ惨殺シーンという事に……
 戸籍は結構簡単に取れます、が、ハラオウン家のマンション、連帯保証人は誰がなったんだろう? ユーノ君は最初からペット扱いで、ヴォルケンの面々は別に戸籍が必要なことしてないから良いんですが。 しかしフェイトが学校に来ている以上戸籍がある訳で、戸籍がある以上日本国憲法により日本国に住む人間と認められることになり、一度認められた以上は憲法の上位法がない為に本来の出身がどこであれ逮捕はされないでしょう。
 てか、問題なのは逆に日本からミッドの方へと生活を移し変える時ではないかと。戸籍を消すには他国へ国籍を移すか死亡するしかない訳で、異世界は地球上の既存国じゃないので戸籍の移し変えは受理されず、死亡ってのも縁起悪い……じゃあ戸籍そのままで社会的にはひきこもりかニートの扱いを受けているのか!?

「奥さん、最近高町さんの末っ子さん見ませんわね」
「引越しの話も聞きませんし……引き篭もりかしら?」
「まあ若いのに可哀相ですこと」

 とかいう感じで。うわ酷ぇ! つーことは一家揃ってミッドに生活を移した八神さんは年金とか税金未滞納者!? やばいぞそれ!


○おにがみさん
 残念、夢じゃないんだな☆
 むしろこれで砂糖ざぁざぁなら、糖尿病で死ぬ目を見ますよ?


○オサフネさん
 ぎゃーっす! 誤字指摘ありがとうございます! 直し直し、と……
 なんと言うか、リリカルなのはの登場人物達は揃いも揃って切れ者集いですから、こういう若干皆に着いて行けないキャラが必要なんじゃないかと。というか、ガンザは最初こんなキャラじゃなかったんですが……ん? 最初からだったかな?
  • 2008-01-30
  • 投稿者 : クロガネ
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[C145] 容疑者R・Uさん 無職 年齢不詳

あーもうっ、かわいぃなぁ










ガンザ君

いや、アリサも縁もいんですよ。
「甘いっ、甘すぎるぞ!
な、なにぃっ、えっ、うそ、ちょっ、ま、まて甘っ、くっ、この私がっ、なんて甘さだ……ガクッ」
って程に。しかし、私を糖尿病にすることはできても、萌え死にさせることはできないのだよ。
ガンザ君の微妙なヘタレ具合の方がクリティカルでHP無視一撃必殺。

ところで、
氷砂糖を噛み砕くときの、甘ったるいんだかひんやりさわやかなんだか判断がつかなくて
粉々になった砂糖が気管に入ってむせるのが好きな自分はMでしょうか? 

それにしても、電子レンジでニートとは……なんて、うさんくさい怪人だ。
その上、死す紺だと。けしからん。
  • 2008-01-31
  • 投稿者 : TFJ
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[C146] まあ住所不定じゃないだけマシなのかもしれないと思ったり、コメントありがとうございますー

○TFJさん
 ガンザか!? 初めて言われましたよ……
 しかし萌え死にさせることは出来なくても糖尿病の時点で十分に苦しいと思うのはクロガネだけですかね?
 今の所恋慈の目立ったスキルは無職・シスコン・おせっかい・馬鹿、これくらいですね。本当に胡散臭い!

>自分はMでしょうか?
 それ以前に気管に入って咽るのが好きという時点でどうかなって思うのですよ。
  • 2008-02-01
  • 投稿者 : クロガネ
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[C336]

動言→言動 それとも、あせった心をあらわしてるのかな
妹が男らしくない→女らしくないじゃ?
  • 2008-10-29
  • 投稿者 : A
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[C339] 訂正ありがとうございますー!

〇Aさん
 続けてありがとうございます。妹が男らしくないのは普通だと思います。
 訂正しましたー。
  • 2008-10-29
  • 投稿者 : クロガネ
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魔法の使えない魔法使いの魔法 27

 腰が抜けて立てなくて、縁に背負われるという形でアリサは帰路につくという事になった。時刻は午後8時ちょっと。5時間近く寝ていたらしい。当然ながら実力テストはとうに終わっている。
 あいつ等はどうしたのかと縁に聞くと、2人は関節を外して縛りつけてある、と怖い答えをさらりと返された。他の5人もそれに近い状態になっている、と若干ぼかした言い方で加えながら。別に同情するつもりはないし、むしろざまぁ見ろという気分だ。
 しかし、そう言えば縁が人に暴力を振るうのは初めてだった気がする。
 フェイトの時でさえ、結局縁からは一撃も入れてなかったし……自分を誘拐したのが余程頭にキていたのだろうか。だとしたら、一生懸命になってくれたのはちょっと嬉しかった。
 背負われながら、ちょっとドキドキしてしまった。
 ちくしょう、自覚した途端にこれか。思っていた以上に自分は現金な奴だったみたいだ。
 密着している縁の背中が、首に回した腕に時々かかる縁の吐息が、汗の匂いに混じって香る煎茶の匂いが、拍車をかけていく。特に汗の香りはマズイ。これが臭いんじゃなくって良い香りとか思っている時点で何よりも自分が一番マズイ。
 縁だって疲れている。それこそ全然汗もかかない体力の化け物の癖に、今でなお乾かないくらいに汗びっしょりだ。
 しかし、それなのに縁は嫌な顔1つせずに背中を貸してくれた。
 自分よりも頭1つ背の高い少女を背負い歩きなお、文句の1つもない。
 我ながら思う。
 凄ぇ善人に惚れてしまった、と。













 実力テストはボイコットするわ待ち合わせ場所にはいないわ連絡しないわ、そして漸く帰ってきたら泣き腫れた顔だわ制服の前を盛大に破かれてるわ怪我してるわ立てないわで、それはもうバニングス宅は大パニックになった……とだけ加えておく。

















『――で、あの5人はどうしたんだ?』
「え、ああ、うん。そりゃもうコテンパンに叩きのめして、ごめんなさい2度としませんと自ら言わせるくらいには説教しといた」
 携帯電話にかかってきた妹の言葉に、恋慈は軽い口調というか冗談でも言うかのような口調で答える。
 星空が見えてきた海の空を見上げながら、コンテナに背中を預けながら胡座で座り、恋慈は一度手の平で遊ぶかのようにトランプカードをくるくる回しながら空を見上げる。
「あ、ちなみに無茶苦茶に縛られてた残り2人、同じように説教しといたけど良かったか?」
『なんだ、見つけたのか……というより、よく説教できたな。納得してたのか?』
「もう心の底から改心したみたいだな」
『上辺だけでは?』
「大丈夫、もう2度と悪さできないくらいにしといたから」
 明るく、軽く、弾むように恋慈は答える。
 確かに2度と悪さは出来ないだろう。
 生きてないんだから。
『意外だ。恋慈は説得が上手いのだな。今度是非その話術を習いたい』
「おう、お兄ちゃんにどんどん質問しなさいな。誠意を持って答えちゃうぞー」
『……気持ち悪いぞ』
「ぐぶはぁっ!」
 心にクリティカル! 850のダメージ! 恋慈は瀕死の重症を負った!
 どうやら妹の辛辣な一言は本当に堪えるのか、意味不明な悲鳴をあげつつ横に転がるようにひっくり返った。
「え、縁ぃ、お兄ちゃんを嫌わないでくれ……」
『大丈夫だ。確かに恋慈は口うるさいし過保護だし 人の話を聞かないし 頑固だし 敵対した相手には暴力的だし 教授と仲悪いし 私をすぐに着せ換え人形にするし 無駄に背は高いし 時々気持ち悪いし べたべた触ってくるし 無職だし なんだかんだで教授のヒモだが、少なくとも嫌いにはならない。あまり好きでもないが』
「えぐえぐえぐえぐ……」
 割りとマジ泣きだった。
 反論できないのが更に泣けた。
 むしろ最後の一言がとどめに近かった。
 確かに携帯片手に倒れて泣いているアロハシャツの男というのは、気持ちの良い光景ではない。
『ああ、アンスが帰ってきた。では、後で教授の家に行く』
「えぐ……? え、あ、ちょっと?」
 がちゃ
 ぷー ぷー
 切られていた。
 これが兄離れか、と呟きつつ頭垂れた。兄離れ以前に、元より縁は恋慈の事を一度たりとて “兄” と言ってはいないのだが。
 その体勢のまま携帯を切り、思い溜息を1つ吐き出してから、よっこらせと恋慈は上体を起こす。

「あー、話を中断して悪かった。で、何か用かい、管理局のお二人さん?」

 そう視線をまっすぐあげて、口を開いた。
「変わり身早いっすね」
「海鳴 恋慈さんですね?」
「しかも何事もなかったかのようですね」
 答えるのは2人。
 ガンザ・アーカー
 フェイト・T・ハラオウン

















 盛大に心配する親と手伝いをなだめ、シャワーを浴びて、着替えをして、親に説明をしてから部屋に戻ると、大量のお菓子に埋もれているテーブルの前で縁が携帯電話で誰かに話をしているところだった。
 なんだ、携帯持っていたんだ。
 今時当たり前の事なのに、ついつい縁は携帯電話を持っていないようなイメージがあった。
「ああ、アンスが帰ってきた。では、後で教授の家に行く」
 戻ってきたアリサへ目を向けてから、電話をかけていた相手に一言断りを入れてから電話を切る。電話をしていた相手は、恋慈だろう。直感だが。
 ちなみにテーブルにある大量のお菓子はアリサの父が出してきた。見るからに暴漢か何かに襲われていただろう娘を背負ってきた縁に対する感謝の念なのだろうが、年頃の女の子に大量のお菓子というのはいかがなものか。
「おかえり、アンス」
 戻ってきたアリサに安心したのか、花の咲いたような綺麗な笑顔を向けてきた。
 どきっと、きた。
 前から常々と思う。その笑顔は反則だ。
 なんと言うか、無差別兵器級に可愛く見えるのは、惚れている感情のせいだろうか。ああ、てか前々からその笑顔が目茶苦茶可愛く見えてしまっていたって事は、結構前から惚れていたって事か? って何か、自分はもしかして結構鈍感だったのか?
 ちょっとショックだ。
「ぇ……ええ、ごめんね、待たせちゃって」
 席から立とうとする縁を制するようにして、アリサも縁の隣の椅子へと腰を下ろした。
 待たせた、と軽く言ったが、実際は1時間近くは経過している。本当に申し訳ない。
 縁はただいま制服姿ではなく、かなりブカブカのバスローブを着ている。
 汗でびしょびしょに濡れてしまっていた制服を着ていたら風邪をひいてしまうと、最初はアリサを送り届けたらそのまま帰ろうとしていた縁を無理矢理バニングス宅自慢の風呂へと放り込んだのだ。流石にあんな状態のまま帰す訳にはいかない。
 ……本当はまだ帰ってほしくないし、もう少しだけ傍にいてほしいという想いも、ちょっぴりあるが。
 どうせだからとアリサも縁と一緒に入ろうとしたが、あれよあれよと風呂場へと放り込まれた際は遠慮こそすれ無抵抗だった縁が全力拒否。一緒に入るのはあまり良くない、湯が汚れてしまっているから入らない方が良い、汗を流したらすぐに出るから、などなど。
 もしかして自分と入るのは嫌なんだろうかと一瞬アリサは凹みかけるが、そういえば縁は顔以外の肌を晒すのを極端に嫌がるのを思い出す。
 やはり目立つような古傷とか、あるんだろうか。
 宣言通りものの5分であがった縁は、洗濯機で制服を洗っている間に着る物としてアリサ愛用の淡い藍色をしたバスローブを出したのだが……アリサが着てもちょっと大きいバスローブだ、当然ながらアリサよりもかなり背の低い縁が着ると大分余る。
 そしてアリサが風呂に入る間待っていて欲しいと縁を自分の部屋に通して……大量のお菓子が鎮座していた、と。
「御両親は落ちついたか?」
「どうかしらね。とりあえず、私が分かる限り説明したけど……」
 そのお菓子に手をつける事なく、縁は身体ごとアリサの方を向いて質問してくる。食べた後のゴミが見当たらないし、ゴミ箱は部屋の隅にある。もしかして一口も食べてないのだろうか。
 まあ、夜の間食は女にとって大敵だからと思いつつ、アリサは言葉を返す。
 分かる限りの説明はした。暴行されかけた事は流石に伏せたが、それ以外の事なら包み隠さず説明した。
 当然ながら両親も親しい手伝いさんも怒り沸騰の状態だった。それこそ奴らを警察に突き出す前に自分達の手で始末をつけそうな位に。
 それを被害者であるアリサがなだめる。傍から見れば変な構図だ。
 何故だろう。
 なだめながら思った。
 暴行されかけたし、痛い目にあったし、怖い思いもした。途中記憶があやふやなのは、多分心が壊れかけていたんだろう。そんな酷い目にあったのに、アリサは何故か冷静だった。
 冷めていた、と言っても良いかもしれない。
 もちろんアリサだってあの男達の事は赦せないと思っているが、殺したいというくらいには思えない。正直なところ、どうでも良い、というのが感想である。
 一度泣いたせいで、すっきりしたのかもしれない。
 縁に送ってもらう最中、ちょっと幸せな思いをしたからかもしれない。
 再び襲われるかもしれないという不安はあったが、それも縁がいれば平気なような気がする。
 今のアリサは、怖いくらいに寛大であった。
「そうそう、あいつらは警察に突き出しとかないとね」
「ああ、それならもう恋慈がやっていると思う」
「今の電話? って縁、携帯電話持ってたのね」
「うん、これから先必要になるだろうと教授が持たせてくれた」
 これを、と縁は携帯電話を見せてきた。
「……これ、最新機種じゃない」
 確か次世代型と謡っていた、アリサの使っている携帯電話と同じ会社の最新鋭である。
 カタログを少し見て、これは無駄に機能が良いなと目に止まっていたので覚えている。確か発売日は……一昨日。
「そうなのか?」
「そうなのかって……これ機能優先で無茶苦茶高いやつよ?」
「そうだったのか。それじゃあ教授に改めて礼を言わないと」
 最後の方は呟くように漏らした。
 奴にも、良い所があるのだろうか。
 ちょっとアステマの事を見直そうかと思ったが、そういうのを買う金があるのならもっと別な食料品を送るべきじゃなかろうかと首を捻る。それ以前にアステマが縁を殴り飛ばしているのを目の前で見ていたので、どうしても彼女を見直す気にはなれない。
 これが恋慈が買ったというならば、まあ納得できる。
 恋慈。
 縁の兄。
 思い出して、思わずきゅっとアリサの眉間に皺が寄った。
 初めて彼と会った時の事だ。
 怪我を負った縁に肩を貸しながらアステマ宅へと向かい、出てきたのが恋慈。あの時の縁のリアクションを、何故か思い出してしまった。
「――恋慈さんってさ」
「ぅん?」
 ごそごそとポケットに携帯をしまっていた縁は、アリサの呼びかけに顔をあげる。眉間に寄った皺は、もうなかった。
「恋慈さんってさ、縁から見たらどんな人?」
「?」
 笑顔を作りながら、なるべく不審がられないようににこやかに聞いてみた。会話の流れとして既に不自然極まりないのだが。
 そんなアリサの質問に、縁は一度首を傾げた。
「口うるさくて、無職で、教授と仲悪くて、背が高くて、一言多くて、口うるさくて、人を着せ換え人形か何かだと思っているような奴だ」
 首を傾げながらすらすら言ってきやがった。しかも口うるさいを2回言ってるし、口うるさいと一言多いは似たような項目だ。
 い、意外と嫌われてるわね……
 さも当然というように口にしてきた縁の反応に、若干アリサの頬が引きつる。
「でも」
 傾げた首を元に戻しながら、縁は言葉を続けた。

「恩と義は絶対に忘れない、熱くていざという時は頼れる奴でもある」

 苦笑するように、ふっと笑いながら続けたその言葉に、アリサの胸がずきっと痛む。
 やはり、縁は恋慈が好きなんだろうか。
 ああ、でもそれは兄妹愛の可能性だって高い。
 でも、縁と恋慈は血が繋がってる訳ではなく、本人たちもそれを理解している。
 いや、そもそも年齢が違い過ぎるだろうに。
 ほんの一瞬、アリサの脳内で高速会議が行われる。
「そ、そっか、頼れる人なんだ」
 表情には出さないように気をつけながら返した言葉は、最初を思いっきりつまってしまった。
 馬鹿な事を考えている。自分でも分かる。
 あれは兄妹愛だ。兄妹愛なんだ。常識的に考えろ、妹が兄に対して恋愛感情など抱く訳がない、馬鹿馬鹿しい。
 あの時、自分をじとっと睨んだのだって、きっと大好きなお兄ちゃんを取られるとか思ったからに違いない。そうに違いない。
 そう、自分自身にアリサは言い聞かせた。

 常識的に考えて、女が女に恋をするのは、それ以上にありえなく、馬鹿馬鹿しい事なのに。

「でも、あいつらを警察に突き出したりしてるんだし、確かに度胸は人一倍ありそうね」
 頭の中に浮かんでくる言葉を打ち消すようにして、笑顔を作ったまま続けた。
 それを今、考える気にはなれない。
 アリサの心情を知る事なく、縁は少し笑ってから返した。
「恋慈から度胸を取り除いてしまったら、長所が何もなくなってしまう」
 酷い言われ様である。
 さらっと言うだけに、多分本心なんだろう。常日頃からそう思われているのだろうか。兄に対して縁は随分と手厳しい様子である。
「私は結構善い人に見えたんだけどなぁ」
 あの時の対応からして、まあそこそこの常識人であるだろうし。
 軽く呟いてから何気なく横に目線を移して――縁が視界から外れる一瞬前、その眉間に皺がよるのが見えた。

「恋慈は駄目な奴だ」

 ――え?
 再び視線を縁へと戻すと、何故か真顔で縁がまっすぐこちらを見ていた。
「無職なのはいいが、働く気がそもそもあるかどうかも怪しい。それに褒めるとすぐに調子に乗るし、べたべたと触ってくる。この前の日曜なぞ2時間近く人を着せ換え人形にしてきた」
 そしてこれまた何故か、恋慈の駄目出しを連続してくる。
 愚痴をこぼす風ではなく、陰口を叩くように怒っている訳でもない。やや早口になっているのは、若干焦りがみえる。
「教授とはすぐに口論になるし、私が組んだ基本プログラムにも知識がないのに必ず口を挟んでくるし、毎日紅茶風呂みたいなのに入るからいつも紅茶臭いし、身長があるからといつも人の頭に手を置くし、何より無職で経済力がない。あまりアンスの言う善い人ではない」
 基本プログラムってなんだよ、とか、紅茶風呂って何処の国の人だよ、とか、無職はさっきも言ったよ、とか。つっこもうと思えば何時でもつっこめた。
 しかし、出来なかった。
 縁が焦ったように恋慈の駄目な点を次々にあげていくのを見て。
 ああ、何でだろう。
 まるで子供の恋愛ごっこだ。




 その動言は、好きな人を取られない為の子供っぽい牽制の仕方そのものじゃないか。














「聞きたい事があります、海鳴 恋慈さん」
「残念ながら俺に答える義務はないね、フェイト・T・ハラオウンさん」
 静かに語りかけたフェイトの言葉に、恋慈は笑いながら返した。
 さて、この人は誰だろう、とフェイトの右後に控えるガンザは内心で首を捻った。どうやらフェイトの知り合いのようだが、あまり仲は良さそうに見えない。
 と、言うよりも、この男はバリアジャケットを装備している自分達についてつっこみを入れないのだろうか。自分はまだ良いとしておいても、フェイトのバリアジャケット姿は正直目のやり場に困るような、どう考えても普通じゃない格好なのだが。というか、スクール水着にマント、申し訳程度のスカートと胸を誇示するかのように巻かれた2本のベルトというその格好、恥ずかしくないのかと聞くよりも前に何故にそのバリアジャケットになったのかが非常に気になる。
 若干フェイトを視界から外すかのように、ガンザは恋慈に視線を送る。仕方ないだろう、青少年なんだから。
 フェイト達は今、バリアジャケットを纏っているもののデバイスを手にしていない。いや、海鳴に到着した時点ではそれぞれドールタイプと戦闘になる可能性があるためにデバイスを持っていたのだが、恋慈を見つけた途端にフェイトが感情を感じさせないような冷たい声でデバイスを待機状態にするように指示を出してきた。
 何故、と聞こうとは思ったが、フェイトの横顔を見てガンザは素直に指示に従いデバイスを待機状態に移行した。
 青かったのだ。
 暗闇でも分かるくらいに。
 その顔色が。
 そして今現在も、未だに青い。
「手荒にはしません。黙秘権もあり人権も保証され、精神的肉体的に苦痛を与え尋問する事もしません」
「とりあえずミランダは効きそうで何よりだけど……あんまり答える気はないよ、俺はね」
「――返答しだいでは……」
「――実力行使に出る、と?」
「はい」
 その青い顔のまま、フェイトは言葉を投げかける。それに対してずっと笑いながら恋慈は答える。
 別にガンザは恋慈からプレッシャーのようなものはまるで感じられない。ただの変な服を着たガタイのいい兄ちゃんにしか見えない。何故フェイトは顔を青くしているのだろうか。
 気配を隠しているだけで、実は恐ろしい人なのかもしれない、とガンザは少し警戒しながらデバイスの待機状態であるカードを後手に隠した手で取り出す。
 そもそもドールタイプはもうこの場にはいないし、追いかける事も出来ない以上この場に止まる必要はないのに、それでもフェイトが足を止めてこの男から何か聞き出そうとする以上、必ず何かあると考えるべきか。
 それにフェイトは少々戸惑うように間を置いたが、実力行使に出ると宣言した。
 一般人に対する魔法による実力行使は罰則物である。それが魔法未発達文化圏の人物であれば尚のこと。更にはフェイトはその件に関して既に前科持ちであり、その件を起こしてから半月も経っていない。もしも同じように一般人に対する魔法を使用した実力行使に出れば、最悪フェイトの管理局の登録自体抹消される恐れがある。
 にも拘らず、宣言をする。
 恐らくこの宣言、脅しではない。
 となると、一般人では、ない?
 ガンザは頭の中で漸くその結論に辿り着く。ならばバリアジャケットにつっこみを入れないのにも納得がいく。
 思考を続けるガンザを余所に、恋慈は顎に手を当ててふむ、と唸る。ガンザは知らないが、その仕草は彼の妹と非常に良く似ている。いや、その妹があまりにも女らしくないところから察すると、妹が真似をしているのか。
「フェイトちゃんの質問に対して、俺が答える “義務” がない、って言った意味は理解できてるか?」
「ええ……ですが、聞きたい事があるんです」
 睨むように真っ直ぐ見返してくるフェイトに、へぇ、と恋慈は感心したように呟く。
 残念ながら、ガンザには恋慈の言葉の意味がよく理解できていなかった。
『……フェイトさん、“義務” がないって、何の事っすか?』
 声にするならばぼそっと、それくらいの音量の念話をフェイトへ個人回線で送る。
 2人で意思疎通が出来ているのは大変結構なのだが、蚊帳の外に追い出されるのは少々困る。少なくとも報告書が書ける程度には理解せねばという、ガンザなりの頑張りである。
 それに対してフェイトはちらっと一度だけ視線を送り

「ここが時空管理局の非管理である世界であり、俺はこの世界の日本という国の国籍を所持している日本人・及び所持していることにより日本国憲法が定める人権・権利・義務・その他もろもろを背負い行使し保障されている人間である、という事だよ少年」
「時空管理局が管理世界で権限を保持できるのは、時空管理局が管理世界に対して時空管理局が定めた 『法』 を公布し、その管理世界の代表や管理世界に存在する国という単位における最高責任者の承認を得ているからであり、時空管理局はこの承認・承諾を得てはじめて公布された法により管理世界における法の執行が出来るんです」
「逆に言うならば時空管理局が管理していない非管理世界においては当然ながら時空管理局が定めた 『法』 を公布されておらず、この世界では時空管理局という存在そのものが認知されてない。この世界のこの国で法を公布するなら、日本国憲法第7条の1のように慣例とはいえ天皇を貰わんとね」
「公布されていなければ法による執行や行使、または法に違反した行いをしたとしても時空管理局では裁くことが出来ません。となると時空管理局が定める基本令とも言える質疑や職務質問を行うことすら出来なくなります」
「治外法権とかされたら堪ったもんじゃないからな。日本のアメリカ軍が基地外で犯罪起こしときながら基地まで逃げ込めば治外法権が認められるとか訳の分からんことが以前の日本じゃ良くあったから、日本国はそれを教訓にしてんだよ」
「つまりこの世界では私達は誰かを取り調べる権限そのものが行使できないんです」
「更に言うなら労働基準法ってのが日本にはあってな、フェイトちゃんや少年のような年齢の子は働いちゃ駄目だぞって決まってるんだ」
「この世界において私達は唯の子供でしかありませんし、ガンザさんに至ってはどこの国籍も所持していませんから日本の法では人間扱いすらされません」
「現行犯でもないのに日本国憲法第33条をガンスルーしたら罰せられるのは君達の方だしね……流石に自宅捜索とかだけはマジ勘弁だし」
「よって私達は彼に職務質問的な身体的精神的における時間拘束を行う権利はありません」
「そして俺は君達の職務質問的な身体的精神的における時間拘束を甘んじる義務がないのさ」

「「分った?」」

「すみませんお邪魔しましたどうぞ続けてください」
 何故かダブルで説明されてしまった。
 これには素直に頭を下げて謝るしかない。話の腰を折るのは良くないと身をもって知りました。
 というか説明されて更に混乱してしまった。つまるところ法の関係である事は分った。
「…………ん?」
 2人に言われた事を頭の中で整理する事数秒、そこで漸くガンザは首を捻った。
 2人?
 おや?
 確かにガンザは説明を求めたが、それはフェイトにだ。
 念話で。
 しかも個人回線で。
 念話というのは魔道師間で使われる通話手段であり、当然ながら魔道師でなければ念話を使えない。魔道師でなくとも念話を行えない訳ではないが、その場合はガンザが恋慈に直接念話を通す必要があり、恋慈にも一定以上の安定した魔力回線が必要となる。
 というか、恋慈に念話を飛ばした覚えはない。
 しかし、その念話を聞き取っていたとなると……念話の盗聴?
「っ!」
 ぞっと、鳥肌がたった。
 念話の盗聴、と簡単に言っても、その術式は非常に複雑であり高難易度である。念話のジャミング程度とは訳が違う。個人個人異なる念話波長からガンザの飛ばした念話波長のパターンを検出し、その検出したのを解析した上で更にそれを “声” として構築しなくてはいけないのだ。
 しかも恋慈はデバイスを起動している形跡がないので、補助なしの個人単体で術式を構成している事になる。
 更に言うなら、恋慈はフェイトが答えるより先に答えている。ほとんどリアルタイムで盗聴し変換しているという事か。
 間違いない。
 この男は魔道師だ。
 しかもかなり優秀な。
 少なくとも一般人ではない。
「現在、ドールタイプと呼ばれる傀儡兵による魔道師を狙った連続襲撃事件があります」
「またそれかい」
「ええ、仕事ですから」
 ガンザの様子などまるで気にしないフェイトと恋慈。
 なるほど、フェイトが警戒するくらいの魔道師と見て良いのか。心の中でガンザは呟いた。
「この事件について、あなたの話が聞きたいです」
「義務はないけど?」
「お願いします」
 淡々と、されど真剣にまっすぐ恋慈の方を向きながら、フェイトは聞いた。
 うーん、と恋慈は首を捻る。
「残念だけど、俺はそのドールタイプって言うのは知らな――」

「私の言っている言葉の真意が分からないあなたではないと、思いますが」

 言葉を遮り、言いきるようにきっぱりと言い放ったフェイトのそれに、恋慈の眉間にしわが軽くよる。
 ……えっと。
 むっと押し黙った恋慈と、そんな彼をじっと見続けるフェイトへ交互に視線を送りながら、ガンザは軽く焦りはじめる。まずいぞ、完全に自分は蚊帳の外じゃないか。
 2人の間では何やら心理的な駆け引きか何かをしているのは分かるが、内容がさっぱり分からない。
「……沈黙は肯定と捉えます」
「……いや、フェイトちゃんの言っている言葉の意味がまるで分からないって可能性もあるぞ?」
「でしたら、そんなに敵意を向けないでもらえませんか。胃が痛いです」
 青い顔のまま言葉を続けるフェイト。
 敵意?
 殺気の事だろうか。
 いやいや、ちょっと待て、フェイトのすぐ傍にいるのに自分はそんな気配まるで感じない。
 職業柄、なんて言えるほど玄人ではないが、相手の殺気を感じ取るのは恐怖の教導官からみっちりと教えられている。上手く隠されたのを見破るような高度な技術や勘はまだ未熟ではあるだろうが、それでも完全に “向けられた” 気配が分からないほど鈍くはないと自負しているつもりだ。
 しかし、恋慈からそんな殺気や敵意をまるで感じる事が出来ない。
 どういう事だろう?
 もう一度フェイトへと視線を向ける。
 額に、若干の汗が浮かんでいた。
 隠している殺気を敏感に感じ取っているという事だろうか。しかし、それならば敵意を 『向ける』 なんて言い方はしない。
 となると、恋慈がフェイトだけに殺気を向けている?
 そんな事は可能なのか?
 もう一度ガンザは恋慈へと視線を向けるが、それでも殺気はカケラにも感じられない。
「気のせいじゃないか?」
「でしたら、いつか砂漠で感じた気配と似ているのも、気のせいですか」
 おどけるように肩を竦めながら口にした恋慈の言葉に、綺麗な声でフェイトは言葉を畳み掛ける。
 再び恋慈の眉間にしわが入った。
 砂漠?
 その一言に、ガンザの頭の中にある光景が一瞬浮かび上がった。

 太陽の沈まぬ砂漠の世界。

 ああ、そうだ。
 あれは確か、資料で見せてもらった。
 ドールタイプと看視者に関する資料だ。

 フェイトが看視者と対峙したのは、砂漠だ。

 汗が吹き出る。
 そうか。
 そう言う事か。
 漸くフェイトと恋慈の言葉の裏が読めてきた。
 ここにドールタイプが現れたのは確かだろうが、魔道師であろう恋慈をドールタイプは襲わなかった。そして、襲われていないのにフェイトはドールタイプの事件について話を聞かせて欲しいと言い出した。
 良く考えたらその時点でおかしい。
 襲われた魔道師に対する事情聴取ではない。恋慈が過去にドールタイプに襲われてない限り、恋慈がドールタイプについて有益な情報を持っているとは思えない。それなのにフェイトはドールタイプがもう逃げたにも関わらず、アースラに帰還する事なく恋慈の前に足を止め、そしてドールタイプの事件について聞こうとしている。
 ガンザの頭の中にドールタイプの被害者名簿一覧表がアルファベット順に高速でスクロールしていく。うみなり、海鳴 恋慈、そんな名前あったか? いやない、あったら名前を聞いた瞬間に思い出す。伊達に魔法技術の世界で事務資格を持ってはいない。
 ならば何故フェイトは恋慈に問う?
 簡単だ。
 ドールタイプの事件に恋慈が何らかの形で関わっていると、フェイトは考えているからだ。
「……なるほどねぇ」
 はたしてフェイトは裏付をどれだけ取ったのだろうかと、ガンザの頭に次の疑問がBダッシュで駆け抜けると同時くらいに、恋慈がぽつっと呟いた。
 感心というか意外というか、そんな色が含まれているような声だった。
「これは好機と見るべきか……」
「好機?」
「いや――」
 呟く恋慈のその声は、しっかりと聞こえる。
 いや、わざと聞かせていると考えるべきか。
「フェイトちゃん、悪けど俺、やっぱり協力する気にはならない」
「……そうですか」
 切った言葉を再び続け、その返答に一度フェイトは目を細める。
 その後ろでガンザは 「おや?」 首を捻る。
 なんか、引っ掛かった。
「お詫びと言ったらあれだけど、有益な情報をプレゼントしよう」
 引っ掛かったものが何かを判断するより先に、恋慈がにこりと明らかに胡散臭い笑顔を浮かべながら違う話を切り出してきた。


「第11管理外世界、惑星通称名 『アポトーシス』。それと人造兵器開発計画が作り出した生体兵器 『プロト』。その二つを調べてみると面白いかもよ」
















「それではアンス、明日はゆっくり休むんだ」
 バニングス宅を後にしようと席を立った縁は、いつもの調子のいつもの声でアリサへと言葉をかけた。
 ちなみに菓子類には結局1つも手を出さず、出された紅茶を一口飲んだ程度であった。紅茶は口に合わないのか、その一口も飲んでから首を捻り、それ以降はティーカップに手をつけていない。癖のあるローズヒップは流石に縁にはキツかったか、今度縁が家に来たら煎茶を出そう。アリサは心の中で密かに呟いていた。
「それって明日学校に来るなって事?」
「うん」
 皮肉った言い方で軽く聞いてみたが、あっさり肯定されてしまった。通じねぇ。縁はそれが皮肉という事が理解できていないから、言葉をそのままの意味で受け取っただけで、決して邪険に思った返答ではないというのは分かっているのだが、これはこれでちょっと凹む。
 まあ確かに、助け出されたとはいえ誘拐されて貞操の危機に陥った翌日に、平然と学校には行けないだろう。というか、行きたくても周りが行かせてはくれまい。
 そこまで考えて、ふと、大変な目にあった本人である自分がいやに冷静である事に気がついた。
 誘拐なんて初めてされたし、暴行を加えられかけた時の恐怖は鮮明に覚えている。それなのに、今は何故かかなり落ちついていた。
 はて、自分はこんなに冷めてる人間だったっけ?
「明日、必ず見舞いに来る。八神さん達も見舞いに来ると思う」
「……はい?」
 頭を通過した疑問のせいでワンテンポ分反応が送れた事をなんだと思ったのか、縁が突如として方向性が明後日を向いている話を切り出してきた。
 思わず聞きなおすと、違ったのか? とでもいうような顔で縁が首を傾げる。いや、首を傾げたいのはこっちだ。
「寂しいのかと思って」
「ばっ! ち、違うわよ!」
 突然の台詞に顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。
 ――だ、誰が寂しいと!? 私のこと!? もしかして私、縁に寂しがり屋とか訳の分からんイメージで捉えられてるの!?
「1日2日学校休んだくらいで寂しいとか思う訳ないでしょ!」
「そうなのか?」
「思ってたら土日祝日膝を抱えてなきゃならないでしょうが!」
 慌てて否定していくアリサの台詞に、おお、と縁が手を打った。
 気付くのが遅ぇ、と心の中でつっこみを入れる。
「ほらもう帰る帰る。すっかり遅く……うわ10時過ぎてるじゃない」
 この話はお終いだと切り上げ、時計を見上げると既に短い針が10の数字を僅かに超えている時間だった。いくらなんでも引き止め過ぎたか。
 送っていこうか、と縁に聞いてみると首を横に振られて断られた。ちょっと残念だ、なんて思ってから、何が残念なんだよ、と自分自身につっこみを入れる。
 別に送る車に一緒に乗って、少しでも一緒にいる時間を引き伸ばそうとかは思っていない。これっぽっちも思っては――ああ、いや、これっぽっち程度は思っているような気がしないでもないが、それがメインな訳はない。縁だって女の子なんだから、物騒な夜に1人で帰すのは気が引けた訳で……おや? この場合無理矢理でも送って行った方が良いのでは?
「やっぱり送るわよ。いくら何でも夜道に1人にさせるのは危ないし」
「いや、今日は教授の家に泊まる。歩いてもすぐそこだ」
「でも――」
「大丈夫だ。それに今はアンスの方が心配だ」
「う……」
 返り打ちとはこの事か。
 あっさり返される言葉にアリサの肩が落ちる。
 じゃあ玄関先まで、とアリサも立ち上がり、それから部屋を出るためにドアを開けて――果たして年頃の娘の部屋に聞き耳を立てている両親や手伝いさんに何と言って良いのやら、心配されるのが嫌だとは言わないがドアに張りついて中の様子を窺うような真似は勘弁して欲しい。とりあえず全員追い払った。
 足を痛めていたのだからあまり歩かずに休んだ方が良い、と言う縁の言葉を聞き流しながら玄関まで通し――

 そこで漸く、アリサの背中がぞくりとした。

「っ!?」
「――ん? どうしたんだ?」
 息を呑む音が聞こえたのか、靴を履いている途中ながら縁が振り向く。
 何でもないと慌てて返してから、さて今の悪寒は何だったのかと首を捻った。身体が冷えたか?
「うん、では私はこれで……ああ、明日はちゃんと見舞いに来る」
「……言っておくけど、寂しくないわよ?」
「いや、心配なだけだ」
 心配のし過ぎだ、と苦笑すると、縁はそうだろうか? と首を傾げるだけに止まった。
 もう一度挨拶をして、それから縁はくるりと背を向

 はしっ、と、アリサの右手が縁の制服の裾を握っていた。

「?」
「―――あ、あれ?」
 天と神と女王陛下に誓って言おう。
 無罪だ。
 いや違う、何が無罪だ、大分混乱してるぞ自分。
 身体が勝手に動いたのだ。別に掴もうと思って手を伸ばした訳ではないし、そもそも伸ばそうとも思っていなかった。
 しかし握ってしまったのは真実で。
「あ、あはははは、ご、ごめん。疲れてるのかしらね、縁に言われた通り明日はしっかり休む事にするわ」
「あ、ああ……?」
 不思議そうに縁は首を傾げる。

 アリサの手は、縁の制服を離そうとしなかった。

「――――」
「――――」
 気まずいような、居た堪れないような、妙な沈黙が降りてしまった。
 手を離さねば。
 分かっている。
 遅いのだから、縁を帰さねば。
 分かっている。
 分かってはいる。
 分かってはいるのだが、離れなかった。
 離せなかった。

 帰ってほしく、なかった。

 ああ、ああ、そうか、そうだったのか。
 不思議そうに見てくる縁の視線を受けながら、ようやくアリサは悟った。
 別に自分は、冷静でも落ち着いている訳でも何でもなかった。
 誘拐されて、痛い思いをして、暴行されかけて。唇だって強引に奪われた。縁が来なければ、今頃どうなっていたかなんて考えたくないくらいの状態になっていただろう。
 本当に、怖かった。
 今だって、怖い。
 怖いんだ。
 だけど落ち着いていられたのは、冷静でいられたのは、助けられたとか家に帰れたからとかじゃなくて

 縁が一緒にいたからで

 だから落ち着いていられた訳で。だから冷静でいられた訳で。
 風呂場で身体を流した時だって、部屋で縁が待っていてくれていると分っていたから。縁が近くにいると分っていたから。だから平気なだけで。
 安心できる、リラックスできる、なんて縁にはあまり似合わない言葉かもしれないが、それでも縁が傍にいるから平気に思えていただけで。
 だってほら、縁が今から帰るんだ、とか実感しだした途端に膝が笑い出してきた。あははあはは、なんて幻聴が聞こえそうなくらいに笑っている。
 帰ってほしくない。
 傍にいてほしい。
 頭の中で、胸の中で、大量発生したそんな感情が暴れている。
 でも駄目だ。
 そんなの自分勝手な意見だ。
「―――」
 だから、離れろ、私の手。
 強く念じるようにしながらゆっくりと手を離していく。掴んで引っ張られていた裾が、するすると手から逃げる。
「――じゃあ縁、また……」






 また、明日。






 呟くように小さな声になってしまったその言葉に、縁は最後まで不思議そうな表情を浮かべていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 このヘタレ!!
 年始は糞忙しい白衣の天使クロガネです。視察とかするなら6月くらいに来て欲しい。
 この前拍手コメントで頂きましたのでこの場を借りて返信を。

>これはひどい
 いや酷いとかいうのは重々承知してるけど主語ないと辛ぇ!

>クロガネさんの文章って独特ですが
>たまに1人称と3人称が混ざっている気がします
>3人称ですよね?
 ……3人称ですよ? メインでスポット当ててるキャラがころころ変わるけど。
 基本的にクロガネは文法とか気にしないで思いつくままに書くようなタイプですからね!



 ああ、最後に一言。
 クロガネは泥沼関係とかはあまり好きくないですよ?
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8件のコメント

[C141] 日本は法事国家です。

 今回日本国憲法のお話が出てきました。原作のほうで、はやてが犯罪者扱いされてますけどこれは実に可笑しいことです。本文中で書かれているように、ヴォルケンリッターの方は犯罪者認定されて当然ですが、はやての方は闇の書というまったく知らない異世界から無関係に転移した物体による被害の上に、本人は何もしてないのですから犯罪者として扱うのはおかしいです。むしろこの場合、身元保証をしていて且つ事態を理解していながら敢えてそれをさせていたグレアムに問題があります。

 どう考えてもフェイト達異世界人は、不当な手段で地球の戸籍を得ているんでしょうし、外務省とか日本警察とかにバレたら未成年以外は逮捕されるんじゃないでしょうかね?異世界から来たなんて説明しても信じられないでしょう。
 仮に、異世界で転移先を間違えてホワイトハウスとか米軍基地みたいな進入禁止区域の真っ只中に出てしまって、問答無用で射殺されてもだれにも文句言えないんですよね。そういう場合どうしてるんだろ管理局……
 
  • 2008-01-29
  • 投稿者 : ミヅキ
  • URL
  • 編集

[C142]

何 このラブってコメってるお話は(いやまぁコメがあるかは微妙ですが) てか、口から砂糖がざぁざぁ滝のごとく流れ落ちてるんですが・・・・・・


うん、もう寝よう 今 俺は夢を見ているんだ。 明日起きたら  『なぁんだ更新されてないじゃないかやっぱり夢だったんだ ( ゚∇゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \』 となるに違いない  というかなっててくれ
  • 2008-01-29
  • 投稿者 : おにがみ
  • URL
  • 編集

[C143] 感想を・・・

今回の見所はフェイトでも恋慈でも縁でもデレたアリサでもなく、読者の味方ガンザ=アーカー
他人の話について行けなくて解説を求めるナイスポジション、これで話の流れだけではついて行けないあなたも大丈夫!!

>漸くフェイトとガンザの言葉の裏が読めてきた
これは少しおかしくないですかね、ガンザ視点なら
>漸くフェイトの言葉の裏が読めてきた
あたりが妥当では
  • 2008-01-30
  • 投稿者 : オサフネ
  • URL
  • 編集

[C144] コメントありがとうございますー

○ミヅキさん
 まあ、グレアムのおっちゃんは最初からはやてに死んでもらう (氷漬けでさようなら) つもりだったし、生きて管理局に来させるつもりがさらさらなかったんですよね。はやてが生きていること自体、薄氷の上に立つような奇跡の出来事ですし……犯罪者云々以前に、生活費などの金を工面する代わりに夜天の書を抱いて死んでくれというのは、最初から非道ですよ、あの糞ジジィ。クロノ君がいなけりゃ、はやての最期の記憶が目の前でヴィータ惨殺シーンという事に……
 戸籍は結構簡単に取れます、が、ハラオウン家のマンション、連帯保証人は誰がなったんだろう? ユーノ君は最初からペット扱いで、ヴォルケンの面々は別に戸籍が必要なことしてないから良いんですが。 しかしフェイトが学校に来ている以上戸籍がある訳で、戸籍がある以上日本国憲法により日本国に住む人間と認められることになり、一度認められた以上は憲法の上位法がない為に本来の出身がどこであれ逮捕はされないでしょう。
 てか、問題なのは逆に日本からミッドの方へと生活を移し変える時ではないかと。戸籍を消すには他国へ国籍を移すか死亡するしかない訳で、異世界は地球上の既存国じゃないので戸籍の移し変えは受理されず、死亡ってのも縁起悪い……じゃあ戸籍そのままで社会的にはひきこもりかニートの扱いを受けているのか!?

「奥さん、最近高町さんの末っ子さん見ませんわね」
「引越しの話も聞きませんし……引き篭もりかしら?」
「まあ若いのに可哀相ですこと」

 とかいう感じで。うわ酷ぇ! つーことは一家揃ってミッドに生活を移した八神さんは年金とか税金未滞納者!? やばいぞそれ!


○おにがみさん
 残念、夢じゃないんだな☆
 むしろこれで砂糖ざぁざぁなら、糖尿病で死ぬ目を見ますよ?


○オサフネさん
 ぎゃーっす! 誤字指摘ありがとうございます! 直し直し、と……
 なんと言うか、リリカルなのはの登場人物達は揃いも揃って切れ者集いですから、こういう若干皆に着いて行けないキャラが必要なんじゃないかと。というか、ガンザは最初こんなキャラじゃなかったんですが……ん? 最初からだったかな?
  • 2008-01-30
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
  • 編集

[C145] 容疑者R・Uさん 無職 年齢不詳

あーもうっ、かわいぃなぁ










ガンザ君

いや、アリサも縁もいんですよ。
「甘いっ、甘すぎるぞ!
な、なにぃっ、えっ、うそ、ちょっ、ま、まて甘っ、くっ、この私がっ、なんて甘さだ……ガクッ」
って程に。しかし、私を糖尿病にすることはできても、萌え死にさせることはできないのだよ。
ガンザ君の微妙なヘタレ具合の方がクリティカルでHP無視一撃必殺。

ところで、
氷砂糖を噛み砕くときの、甘ったるいんだかひんやりさわやかなんだか判断がつかなくて
粉々になった砂糖が気管に入ってむせるのが好きな自分はMでしょうか? 

それにしても、電子レンジでニートとは……なんて、うさんくさい怪人だ。
その上、死す紺だと。けしからん。
  • 2008-01-31
  • 投稿者 : TFJ
  • URL
  • 編集

[C146] まあ住所不定じゃないだけマシなのかもしれないと思ったり、コメントありがとうございますー

○TFJさん
 ガンザか!? 初めて言われましたよ……
 しかし萌え死にさせることは出来なくても糖尿病の時点で十分に苦しいと思うのはクロガネだけですかね?
 今の所恋慈の目立ったスキルは無職・シスコン・おせっかい・馬鹿、これくらいですね。本当に胡散臭い!

>自分はMでしょうか?
 それ以前に気管に入って咽るのが好きという時点でどうかなって思うのですよ。
  • 2008-02-01
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
  • 編集

[C336]

動言→言動 それとも、あせった心をあらわしてるのかな
妹が男らしくない→女らしくないじゃ?
  • 2008-10-29
  • 投稿者 : A
  • URL
  • 編集

[C339] 訂正ありがとうございますー!

〇Aさん
 続けてありがとうございます。妹が男らしくないのは普通だと思います。
 訂正しましたー。
  • 2008-10-29
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
  • 編集

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Appendix

うぇぶ拍手

拍手になります。コメントもどうぞ。

4/6更新 リリカルなのは、短編と呼ぶべきかネタと呼ぶべきか考えた結果これはクロガネ式妄想劇と呼ぶべきなんじゃないのかなぁという曖昧な結論に落ち着きました、みたいなお礼ありです。

魔法の使えない魔法使いの魔法

注意事項!

プロローグ

第1章 『海鳴 縁という少女』
       
基礎情報 第1章終了時点
第2章 『悩み』
         
基礎情報 第2章終了時点
第3章 『誰が為の剣』
           
基礎情報 第3章終了時点
第4章 『教授』
           
基礎情報 第4章終了時点
第5章 『恋ですか?』
           
基礎情報 第5章終了時点
第6章 『切実な事情、迂闊な発言』
           
基礎情報 第6章終了時点
第7章 『縁と看視者』
           
基礎情報 第7章終了時点
第8章 『その言葉、届かない』
           
基礎情報 第8章終了時点
第9章 『失意』
               
基礎情報 第9章終了時点
第10章 『挫けぬ雷刃』
           
基礎情報 第10章終了時点
第11章 『届け、星の光!』
             
基礎情報 第11章終了時点
第12章 『祝福される騎士と風』
 
第13章 『アリサ・バニングスという少女』
第14章 『そして、日常』


本筋関係ないパラレル短編
           

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クロガネ

Author:クロガネ
 鉄と書いてクロガネ。文系の皮を被った理数系。人種差別主義。有神無宗派論者。白衣の天使。瞑想で一日潰したことがある。萌えにも燃えにも反応する。二次元より三次元の方が楽しいと思う。宇宙人未来人超能力者魔法使い等特殊な人間じゃなくて本当に良かったと思っている。変な人といわれる。仲間と言うのはチャレンジャーな人、友人と言うのは変わった人、知人と言うのは普通な人。
 これがクロガネ。
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