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魔法の使えない魔法使いの魔法

 むかしむかし、あるところに悪魔の王様がおりました。
 悪魔の王様はとてもつよいです。
 たくさんの勇者や神様の遣いが悪魔の王様を退治にきましたが、悪魔の王様は怪我ひとつ負うことなくすべてを追い返しました。けっして殺してなどいません。悪魔の王様は、とてもいのちを大事にしていました。
 悪魔の王様はとても優しいです。
 悪いことなどきらいです。ともだちがなにより大切です。どんな人とでも、ともだちになろうとしました。
 しかし、王様は悪魔です。
 とてもとても強い悪魔の王様です。
 人間はともだちになろうとしません。悪魔の家来はみな王様のご機嫌とりばかり。神様は悪魔の王様のことがだいきらいです。どうぶつたちは悪魔の王様を怖がりちかよりません。
 悪魔の王様はいつもひとりです。
 
 
 
 悪魔の王様には、とてもつよい力があります。
 悪魔の王様は、自分の思ったとおりに皆がしたがう 『法律』 をつくることができました。
 人間も、悪魔も、神様も、動物も。火や水や、光でさえも、悪魔の王様がつくった 『法律』 にはしたがうしかありません。
 雨がふってほしいと思えば、雨がふる 『法律』 をつかって雨をふらせます。空をとびたいと思えば、空をとぶ 『法律』 をつかって空をとびます。
 『法律』 はばんのうです。
 過去をかえることもできます。未来にだっていけます。
 『法律』 をつかえば、ともだちだって、きっと。
 
 
 
 悪魔の王様はなやみました。
 この 『法律』 で、ともだちをつくって、それでほんとうに良いのだろうか、と。
 『法律』 でむりやりともだちになって、ほんとうに良いのだろうか、と。
 ほんとうに、じぶんの欲しかったともだりは、そういうのだろうか、と。
 
 
 
 あるひ悪魔の王様はおもいつきました。
 やっぱり、ともだちはいらない。
 じぶんは皆とちがう。
 だから、じぶんはひとりでいるべきなんだ、と。
 悪魔の王様は、それから誰ともともだちになろうとせず、ほんとうにひとりになりました。
 
 
 
 悪魔の王様がひとりになってから何年もすぎました。
 あるひ、悪魔の王様のお城にひとりの少年がたずねてきました。
 
「王様、王様、ぼくは 『法律』 のつくりかたを習いにきました。どうか教えてください」
 
 悪魔の王様はたいへんおどろき、少年に聞きました。
 
「少年、きみがもし 『法律』 をつくれるようになれば、きみは皆とちがってしまう。そうしたら、きみは皆とともだちになれない」
 
 少年は言います。
 
「王様、ぼくのまちは今、とてもこまっています。 『法律』 が少しでもつくれれば、こまっている人をたくさん救えます」
 
「だが少年、それできみはともだちを失う。皆からきらわれてしまうのだ」
 
「ですが王様、きらわれても皆を救いたいのです」
 
 少年のことばに、悪魔の王様はたいへん感動しました。
 悪魔の王様はともだちがほしいばかりで、誰かのために何かをしようなど今までいちどもおもわなかったからです。そしておもいました。ああ、じぶんはともだちに “なろう” としてばかりで、ともだちを “つくろう” としなかったのだ、と。
 悪魔の王様は少年に 『法律』 のつくりかたを教えました。
 少年は 『法律』 をつくる力があったのか、悪魔の王様が教えたことをどんどん覚えました。
 
 
 
 何年かたちました。
 今では少年もりっぱに 『法律』 をつくりだせるようになりました。
 でも、悪魔の王様のようにはいきません。
 雨をふらせたり空をとんだりはできますが、過去をかえたり未来にいったりはできません。石よこわれろと思っても、石が硬すぎればこわれません。
 悪魔の王様のようにばんのうの 『法律』 をつくるのはできませんが、それでもこれで皆を救えると、少年はじぶんのまちに帰ることにしました。
 悪魔の王様は聞きました。
 
「少年、きみが皆にきらわれたら、それからどうする?」
 
 少年はすこしなやんでから言いました。
 
「皆に 『法律』 のつくりかたを教えます。皆が 『法律』 を作れたら、ぼくは皆とちがわず、おなじになれます」
 
 少年のそのことばに、悪魔の王様は涙をながしました。
 
「少年、きみに餞別をおくろう。わたしの心臓だ」
 
 悪魔の王様はじぶんのむねを開き、そこから心臓をとりだして少年にわたしました。
 少年はこれは何かとたずねます。
 悪魔の王様は答えました。
 
「この心臓には、わたしの力がたくさん入っている。これをつかい代償をはらえば、わたしと同じくらいの 『法律』 をつくれる」
 
 少年は聞く。
 
「代償とはなんですか?」
 
 悪魔の王様はすこしだけ悲しいかおをしました。
 
「きみの “思い出” だ」
 
 
 
 
 ―――『悪魔の心臓』
    見出文、童話一説より転載
    時空管理局執務官 クロノ・ハラオウン
 
 
 
 
――――――――――――――――――
 とりあえず、今まで隠していたものを引っ張り出しました。
 内容? きにしなくていいですじょ?
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4/6更新 リリカルなのは、短編と呼ぶべきかネタと呼ぶべきか考えた結果これはクロガネ式妄想劇と呼ぶべきなんじゃないのかなぁという曖昧な結論に落ち着きました、みたいなお礼ありです。

魔法の使えない魔法使いの魔法

注意事項!

プロローグ

第1章 『海鳴 縁という少女』
       
基礎情報 第1章終了時点
第2章 『悩み』
         
基礎情報 第2章終了時点
第3章 『誰が為の剣』
           
基礎情報 第3章終了時点
第4章 『教授』
           
基礎情報 第4章終了時点
第5章 『恋ですか?』
           
基礎情報 第5章終了時点
第6章 『切実な事情、迂闊な発言』
           
基礎情報 第6章終了時点
第7章 『縁と看視者』
           
基礎情報 第7章終了時点
第8章 『その言葉、届かない』
           
基礎情報 第8章終了時点
第9章 『失意』
               
基礎情報 第9章終了時点
第10章 『挫けぬ雷刃』
           
基礎情報 第10章終了時点
第11章 『届け、星の光!』
             
基礎情報 第11章終了時点
第12章 『祝福される騎士と風』
 
第13章 『アリサ・バニングスという少女』
第14章 『そして、日常』


本筋関係ないパラレル短編
           

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クロガネ

Author:クロガネ
 鉄と書いてクロガネ。文系の皮を被った理数系。人種差別主義。有神無宗派論者。白衣の天使。瞑想で一日潰したことがある。萌えにも燃えにも反応する。二次元より三次元の方が楽しいと思う。宇宙人未来人超能力者魔法使い等特殊な人間じゃなくて本当に良かったと思っている。変な人といわれる。仲間と言うのはチャレンジャーな人、友人と言うのは変わった人、知人と言うのは普通な人。
 これがクロガネ。
 とりあえずメールはこちら↓
kurogane951@yahoo.co.jp

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