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[C703]

なんか……テンションがダダ下がりになった……。

いやまあそりゃあなのはだし? しょうがないのかも知れないけど……。
  • 2010-11-17
  • 投稿者 : 春都
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[C704] ・・・

なのはだから仕方ない。
  • 2010-11-18
  • 投稿者 : なまざかな
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[C705] まぁ

○春都さん
○なまざかなさん
 化け物だから仕方がない。
  • 2010-11-18
  • 投稿者 : クロガネ
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[C706]

将来は冥王様だから仕方がない。
  • 2010-11-20
  • 投稿者 :
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[C707] めいおー

 次元連結システムだから仕方がない。
  • 2010-11-20
  • 投稿者 : クロガネ
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[C708]

魔王だから仕方がない。


ヴィータもそうだけど、なのはもしぶといな。
  • 2010-11-21
  • 投稿者 : しろ
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[C709] あくまでも

○しろさん
 愛しのアクマイザー3様だから仕方がない。
  • 2010-11-21
  • 投稿者 : クロガネ
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[C710]

全力全開だから仕方ない

躊躇いも、後ろ髪を引かれることもなく、魔導師だったことを切り捨てたなのはさんマジクレバー
  • 2010-11-30
  • 投稿者 : 敬称楽
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[C711] これがわたしの

○敬称楽さん
 全力全壊だから仕方がない。

 うちのなのは嬢は基本壊れているので。
  • 2010-12-01
  • 投稿者 : クロガネ
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[C712] なのは「友達"人間卒業した者的な意味で"に……なりたいんだ」

ちょいまて

この事件終わって仮に縁が死亡ないし行方不明になっても同質?になったなのはは間違いなく同じ様に恐れられるんじゃ……

人間卒業おめでとう
なのは

ある意味縁の同族が生まれた?




なのは「人一人救えなくて何がエースオブエースだ!」

なのは「縁ちゃんに突撃ラブハート!」

ガンザ「高町教導官ー!」



あれ?なのは死んじゃうかこの配役

アリサ「私の歌を聞けぇーー!!」
  • 2010-12-05
  • 投稿者 : ルファイト
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[C713] なのは嬢 「“人間卒業した者同志的な意味で” 仲間になりたいんだ」

○ルファイトさん
 もっとも、縁が忌み嫌われた最大の要因はその外見と、魔導師に対して殺気立っていたせいなのですが。

「お前にラブハート!!」
「金龍大尉ぃぃぃぃぃっ!!」
 うん、最後自爆特攻で死んじゃう。
  • 2010-12-10
  • 投稿者 : クロガネ
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魔法の使えない魔法使いの魔法 68

第11章――第6節
――化け物と化け物―――



 血は心臓から送られる。心臓が鼓動を刻み、縮んだときに血は送られるのだ。それは人間に関わらず生物全てそうである。少なくとも、地球の生物はそうだ。
 だから、動脈が切れて勢い良く出血するときは、テレビドラマのように噴水の如く吹き出すことはありえない。心臓という器官で血液の流れを制御しているならば、ぶしゅ、ぶしゅ、と心臓の鼓動に合わせて血は吹き出すものなのだ。
 嘱託の仕事をしていると、嫌でもそういうシーンを見なければならない。例えば、人殺しの現場に間に合わなかったときとか。
 そういうシーンを見ているからこそ、その出血の仕方が明らかにおかしいのは一目で分かった。
 もう一度言う。

 片足を丸ごと吹き飛ばされたからって、噴水のように血が吹き出すはずがない。

「ちっ、やっぱ自動修復が衰えてきてやがる」
 片足を吹き飛ばされ、騎士甲冑よりも赤い何かの液体を噴出させながらも、ヴィータは苦痛に顔を歪めるよりも先に舌を打ち、どこかもどかしそうな表情を浮かべた。
 その光景を、呆然とフェイトは見上げる。
 ぶんっ、とヴィータが一度グラーフアイゼンを振るうと、吹き出ていた赤い何かの液体が止まる。
 止血、とは次元が違う。赤い何かの液体は染み出すことも漏れ出すこともなく、ぴたりと止まったのだ。
 たまに忘れかけてしまうのだが、ヴィータもまた、人間とは違う存在である。生き物というカテゴリーからすら大きく外れているのだ。
「おーおーガンジ、いいところ持ってくじゃねぇか」
 振るったグラーフアイゼンを肩に担ぎながら、ヴィータは口笛を小さく鳴らす。下を向いて確認すると、なのはを助け出したガンザの姿。
 ほっと一安心は、できない。
「あ……ヴィータ」
「あん?」
 名前を呼びかけると、何だよと言わんばかりに振り向かれる。
 足は一本、ない。
「……ごめん」
「いーんだよ、反省は生き残ってからで」
 軽く返される言葉の裏には、修羅場をくぐった重みがあった。
「それより、こっからちとハードだぞ」
 もう一度下を向きながら言葉を続けた。それに倣ってフェイトも地を見下ろす。
 鎧。
 鎧。また鎧。
 縁の周りを埋め尽さんと、大量のドールタイプが群がっていた。
 戦いとは数である。数の暴力が戦争である。
 その数とやら、200はいくだろうか。予想よりも多い。
「ヴィータは、大丈夫?」
「地上戦じゃなきゃ、足一本くらい関係ねぇ。けどありゃ多すぎだよな……」
「でも、ドールタイプは空戦がほとんどできないし……」
 ぐっと二人は手にした相棒を握りしめる。
 ドールタイプは飛べない。対空の手段と言えば、キャノン砲を担いだタイプの砲撃くらいである。剣やら槍やらを持ったタイプはそもそも対空迎撃の手段はない。
 だが多い。
 とにかく多い。
 縁は陸地だ。魔法をキャンセルする能力が解禁されている状態である。シールドを破られている以上、そう簡単に飛んではくれないだろう。
 となれば地上戦か。ドールタイプは地上戦特化なのに。
 砲撃を潜り抜けて接近し、大量のドールタイプを捌き、縁に近づいて攻撃。なかなかハードだ。
 唯一の安心できる点と言えば、ドールタイプが空を飛ばないくらいか。これでドールタイプが飛んだならば、自分達が地上戦を行う=頭を押さえられている状態になってしまう。平面上の攻撃に注意するのと、空間の攻撃全てに注意するのとでは難易度が違いすぎる。
 ともかく、ドールタイプが飛べない以上、寿司詰め状態でひしめき合って行動が制限されている今を狙うしかない。
 そう二人は同時に結論を出し、一気に降下しようと体制を立て直し。

 ドールタイプが、一斉に浮き上がった。












「と、飛んだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「さっすが、こんな土壇場で」
 仰天する教え子に、恐ろしく冷静な教官の発言。二人の年齢を考えなければとても型にはまった反応の違いであった。
 剣を持ち、斧を持ち、槍を持ち、中には身の丈よりも巨大なノコギリという異色の武器を持ったドールタイプが浮上したのだ。なのはの言葉通り、ドールタイプは飛ばないという前提条件を土壇場で覆してきたのだ、縁は。
 これは、詰んだな。
 なのはの中の冷静な部分が、そう告げていた。
 空を飛ぶ。そのアドバンテージは非常に高い。ただでさえ物量の差があるのに加え、制空権まで握られるのだ。
 まあ、もとより詰んだ状況からスタートしているのだが。
 失敗する確率が9割9分から9割9分9厘に増えた程度である。ビビる必要はない。なのはの中の頑固な部分が、そう告げていた。
「教官降ろすとこないじゃんか!」
 あわあわと慌てているガンザを見上げ、なのはは一度レイジングハートに目を向ける。
 薄く、ゆっくりと点滅を返す相棒は、なんの声も上げはしない。念話を聞く魔力も残っていないということか。
 さほど高く飛んでいないために、飛び立ったドールタイプが一目散にこちらへ迫ってくるのが見える。
 現状で唯一幸いと言えるのは、せいぜい縁の魔力弾が直撃した腹部がまるで痛みを訴えていないということくらいだろうか。それはそれで洒落にならない状態なのだが、痛みに思考能力が持っていかれないだけマシである。
 このままガンザがなのはを抱きかかえていては、ガンザは逃げきることはまず不可能だ。なのはがガンザを放しても逃げきれる保証は少しもないのだが、なのはを手放した方が良いのは火を見るよりも明らかなことだ。
 うん、となのはは小さく頷く。
「ガンザ君」
「あ、う、ういっす」
「私を投げ落とせる?」
「……はい?」
 真顔で聞き返された。
 しかし、すぐに何を言っているのかと言わんばかりに顔をしかめられた。そんなこと出来るかと、そう顔に書いてある。
 あるが。
「この距離からなら十分。縁ちゃんに向かって、ううん、一番手前にいる幅広の長剣を持ったドールタイプに向かって投げ落とせる? なるべく正確に」
 真っ直ぐガンザを見返しながら、なのはは早口にて告げた。
 確かにガンザがなのはを投げ捨てれば、僅かながらでもガンザの生存確率は上がる。しかし、ガンザがそれを良しとしないことをなのはは良く知っているし、生存確率を上げる云々を言うならば、この場に駆けつけないというのが最良の手であるはずだ。むしろ死にたくないならこの作戦に参加していない。それはなのはも同じことである。
 なのはも、ただで死ぬ気もない。
 ただで死ねないし、死んでも成さねばならない事を心に決めているから、この場にいる。
「え、と……何するんっすか?」
「飛び降りるの」
 根本的なガンザの疑問に、なのはは一言だけで返す。
 できる? できない?
 なのはは重ねてガンザに尋ねた。迷うかのように、う、とガンザは言葉に詰まりながら一瞬考え込み、すぐに頷いて返す。
「言っておくっすけど」
「うん?」
「俺の手で教官を殺すことだけは、絶対したくないんで」
 もしなのはの言葉が、自身を投げ捨てさせるための嘘だとしたら、それは許せないと言外に含まれていた。心外である。
 なのはの脇に、手を添えられる。随分と優しい手つきであった。怪我こそ酷いが痛みは麻痺しているので、もう少し乱暴でも良いのだがとなのはは思うも、ガンザからしてみれば女の子にそんな真似はできなかった。まして裸の。
 ぐいっと身体を持ち上げられた。風が随分と生温く感じられる。
 ドールタイプの最前列はもう近い。
「いくっすよっ!」
 かけ声に、ごくりとなのはが唾を飲む。
 飲むのと、ほぼ同時。
 なのはの身体が、飛んだ。












 人間の起こす行動というのは2種類ある。
 意識と無意識だ。
 特に無意識的な行動というのは、ストレートにその人の人間性が現れる。なくて七癖といった癖や咄嗟の行動というのは、その人を知るためにはとても重要なことである。
 特に、反射的な行動。
 やり慣れている、使い慣れている、動き慣れている、癖である、理由はそれぞれあろうとも、反射的な行動というのはとにかくその人が最も 『やり易い』 行動である。
 そう、やり易い、だ。
 そこで高町なのはは考える。
 自分は何故、防御にプロテクションを使用しなかったのか。
 縁の魔力弾を防ごうとした時、なのはが反射的に選択した防御魔法は、生まれて初めて使った魔法であり最も使い慣れていたプロテクションではなく、何故か縁の術式であるシールドであった。しかも、なのはは縁の術式のシールドを使ったことはなかったのに。
 反射的に使った魔法が、慣れるどころか初使用の魔法である。それはおかしい。
 だが、おかしくても反射的に縁と同じ術式のシールドを展開しかけていたのは事実である。しかもレイジングハートが自動防御を発動するよりも先にだ。
 それは何故だろうか。
 高町なのははさらに考える。
 考えるのと同時、なのはの足の裏に堅く冷たい感触。金属の肌触り。
 ドールタイプの頭に足が着いていた。
「~~・~、~~」
 考えるよりも早く、意識よりも速く、歌うようなその言葉がなのはの口から流れていた。
 何処の言語か、何の言葉なのか、どういう意味なのか、そんなのは一切知らない。何故に自分がそんな言葉を口ずさんでいるのかも知らないし、何故知っているのかも知らない。
 知らないが、分かる。
 知らないが、よく知っている。
 物の見事に知識が食い違っていることに違和感を感じない訳ではないが、今はそれを追求している暇はない。それにこの現象、大体は予想できている。
 歌い、囁き、なのははドールタイプの頭をぐっと踏みつけ。

 ドールタイプの頭を、蹴りとばした。

 サッカーボールが蹴りとばされたかのように、ドールタイプの兜の部分のみが勢いよく弾けとぶ。
 その反動でなのはは僅かながら宙を浮く。ドールタイプが一斉に顔を向けてきた。
 慌てることなくなのはは頭のなくなったドールタイプに手を伸ばし、肩の部分を引っ掴む。
「~~・~、~~」
 そして、引き抜く。
 瓶の蓋でも取るかのように、片手でドールタイプの腕を引き千切ったのだ。しかもなのはの身の丈よりも大きい大剣を握った腕である。
 当たり前だが、大剣が重い。
 引き抜いて振り上げようとしたが、魔力で強化していない筋力ではやはり無理があった。

 だったら、『魔力』 で強化すればいいだけの話。

 思うのと行動するのは全くの同時。思考が間に挟まれない。
「~・~・~~、」
 歌うように唱えると、もげたドールタイプの腕が急速に消滅する。
 落ちる大剣を引っ掴み、勢いよくなのはは振り上げる。羽根のように軽く感じられた。
 真下に槍、いや騎兵が持つようなランスを持ったドールタイプ。お誂え向きと言うのだろうか。
 そのドールタイプがランスを繰り出すよりも速く、手にした大剣を一気に振り下ろす。片手でだ。
 大剣はドールタイプの右肩から左腰までを真っ二つに叩き割った。まるでヨーグルトにスプーンを突き刺すような感触である。
「~・~・~~、」
 再びなのはは口ずさむ。それを合図にするかのように、大剣があっという間に消滅する。

 ただ、ドールタイプが本来消滅するさいに発する魔力の粒子が、発生しない。

(( Master))
「おはようレイジングハート、ちょっと待ってね」
 相棒の声がする。
 なるほど、なるほど。
 なのはは自己完結するように勝手に納得していた。
 宙を舞うランスを掴み、隣にいたドールタイプの胸を貫く。貫いた次の瞬間にはランスは用が済んだと言わんばかりに消滅する。
 高町なのはは考える。
 何故自分はあの時、反射的にプロテクションを選択しなかったのだろう。
 何故自分はあの時、反射的に縁と同じシールドを選択したのだろう。
 それは前に縁と逢ったとき、壊滅した地上本部の跡地で逢ったとき、その時既に分かっていたことである。
 あの時にはもう、なのははミッドチルダ式の魔法を使うと頭痛を感じていた。今回のスターライトブレイカーを準備するさいにも頭痛を感じていた。
 単純に考えて、その時点で既に高町なのははミッドチルダ式の魔法が肌に合わなくなっていたのだ。
 それは何故か。
 簡単な話である。

 縁に撃墜されたとき、高町なのはのリンカーコアは破壊されたのだ。

 ミッドチルダの魔導師、高町なのはは死んだのだ。

 脇腹を抉るように繰り出された斧を、なのはは真っ向から掴んで受け止める。
「~・~・~~、」
 受け止めたその瞬間に、斧を残してドールタイプが消滅する。
 いいや、いいや違う。
 斧を残して、『吸収される』。
 物質に一切頼らず、魔力のみで構成されたドールタイプを、高町なのはは吸収した。
 物質化した魔法を分解し、吸収する。元よりなのはは魔力を集めるのが得意である。コツは一発で掴んでいた。
 それに、魔法を分解して吸収するというのを、なのはは何度も目の前で見ている。出来の良い先生が目の前にいたのだ。コツが掴めない訳がない。
 なるほど、と再びなのはは納得する。

 縁の魔法を消去する力は、理不尽な能力ではなく、純然たる技能だったのか、と。

「レイジングハート! リリース・ジャケット! フライヤーフィン展開! 縁ちゃんの所まで、突っ込むよ!!」
(( All'right))












「いようガンジ、お前の先生はついに人間止めたっぽいぞ」
「ガンザっす」
 すれ違いざまにかけられた赤い少女の言葉に、ガンザが返せたのは自分の名前だけだった。あっと言う間に追い越してドールタイプの群に突っ込む赤い少女の片足がなくなっていたのに驚いたという理由もあるが、それ以上に否定の言葉が思いつかなかったという理由の方が大きい。
「行くよガンザ!」
 続いて追い越した黒の少女の言葉には、返事すらできなかった。速すぎるという理由もある。あるが、躊躇った自分もいた。
 ごくりと、ガンザは喉を鳴らす。
「01、02」
 インテリジェントデバイスでもない相棒は、呼びかけに返すことはない。ないが、その手にした感触だけで救われる。
 相棒2本を握りしめ、ガンザは一度深呼吸をする。
 それから、よし、と小さく頷き。
「男なら行くぞガンザっ!!」












 もはやバリアジャケットは邪魔である。
 ふわりと着地した高町なのはは、白い少女と言われるほどに有名になったバリアジャケットを身にまとっておらず、管理局の制服を着込んでいた。
 地に足を着けた感触は、バリアジャケットのシューズの感触ではなく、ミッドチルダで買った安物の靴下と、少しだけお金を掛けた靴の感触。危ないところに出るときにはまず感じない足下の感覚に、少しだけ戸惑う。
 べちゃりと脇腹にシャツが張り付く。それは足下に視線を落とした時に気がついただけで、そんな感覚は一切ない。出血量はどうなのだろうか。左の指も1本千切れてしまっていて、今は止血したとは言えど結構な血が無くなったはずだ。魔力弾が直撃したところも相当量の血が出ていたはずなのだが、貧血のようなくらくらした感覚もない。
 むしろ、縁の攻撃を受けてからの方が、調子が良い気がする。
 2本の足でしっかりと立ち、なのははぐるりと周りを見渡す。
 鎧、鎧。ドールタイプの群である。
 思い思いの武器をこちらに向け、今からなのはへ突っ込んでいく、その寸前の状況だ。
 右手にしっかりと握られたレイジングハートの感触を確かめながら、なのはは左手を目の前に翳す。
 指は1本足りない。しかも飛び降りたときに剣を振り回したせいか、気がつけば薬指と同じく中指も本来曲がるはずのない方向へ曲がってしまっていた。
 随分とボロボロになってしまった手に一度だけ目を向けてから、目の前に翳したその手をのろりとおもむろに前へと突き出す。

 なのはの視界が、光に包まれた。

 地を薙ぎ払い全てを舐め尽くさんばかりの、幅は15・6mあろう砲撃が、なのはを一瞬で飲み込んでいた。
 射軸範囲が大きすぎる砲撃は、ドールタイプを大量に巻き込みながら撃ち込まれている。
 破壊の牙をむける光と轟音、そして燃えるくらいの熱量をまき散らす。
 10秒かそれくらい、砲撃は執拗なまでに続く。
 続いて、続いて、その砲撃が止んだ。
 抉れた大地。
 巻き込まれたドールタイプは完全に消滅しており、その範囲には一体も見あたらない。
 ドールタイプは、である。
「やだな、縁ちゃん。いくら縁ちゃんの魔法でも……」
 轟音のエコーすら残るような状況、炎の中のような熱の中、その声が静かに響いた。
 大地を抉り抜いたその場所に、彼女は当然のように立っている。
 射撃線上、砲撃が撃ち出された先には、腕のない異形の姿、海鳴 縁。
 がばりと口を開き、その鋭い牙を向けている。そして縁の眼前には奇妙な魔法陣が展開されていて。

 ゴッ、と鼓膜を突き破るかのような音と共に、再び砲撃が撃ち込まれる。

 先程の倍はあろうかという砲撃だった。
 更なる範囲を吹き飛ばし蒸発させる一撃は、避けることすら許さず彼女を飲み込む。
 飲み込むが。
 砲撃が止む。
 彼女は、立っていた。
「……魔力である以上、もう私には届かないよ」
 当たり前のように、高町なのはは立っている。
 砲撃を受け止め、分解し、取り込んだ。前に突き出した左手からは僅かに煙が上がっていたが、砲撃を受ける前と変わりがない。変わらず、ボロボロの手だった。
 たんっ、となのはが地を蹴った。
 砲撃で抉れた地を蹴った。
 左手を前に出しながら。レイジングハートを強く握ったまま。
 どっ、と縁から魔力弾が撃ち出されたのとほぼ同時、なのはの顔面に直撃する。
 それでもなのはの足は止まらない。
 魔力弾で顔は吹き飛ぶこともなく、平然となのはは走り出していた。別に左手じゃなくても、魔法は分解できる。
「ここからは」
 どっ、どっ、となのはの右肩、左手に魔力弾が撃ち込まれた。
 それでも止まらない。
「正真正銘これっきりの」
 走る。走る。
 骨がいくつも折れているのに、右目を失っているのに、脇腹は酷く負傷して未だに血が止まってないと言うのに、腕は既にボロボロだというのに。
 そんなものは一切気にせず、まるで怪我など何一つ負っていないと言わんばかりに、なのはは走る。
 縁に向かい、撃ち込まれる魔力弾を片っ端から分解しながら、走る。
 走る。
 制服は既にボロ布。靴は焼き爛れた。
 でも走る。
 走って走って、縁のもとまで一直線に駆け上がる。
「殴り合いっ!!」












 迂回ルートを選択したのは失敗だったかもしれない。
 アリサを抱きかかえながら空を飛び、クロノは未だにドールタイプ1体すら遭遇しない現状に危機感を抱いていた。
 既に10分は経過しているだろうか。神経を尖らせている状態での体感時間だからもう少し短く見積もってもいいだろうか。どちらにせよ、その間にドールタイプを1体も見ていない。
 これだけ飛んでいるのだ、もう既に見つかっているのは確実だろう。これで見つかっていない程にザルの警戒網ならば、この星はとっくに奪還されているはずである。それでも遭遇どころか見かけすらしないのはどういうことだろう。
 草原の世界を抜け、不毛の大地が視界一面に広がっている。障害物はない。
 不気味である。
 転送した地点から縁まで最短の直線ルートはなだらかな地形で、ドールタイプを配置し易いだろうから避けたが、この迂回ルートだって人の立つ場所もないような未開の地という訳ではない。むしろ、直線ルートと比べたらドールタイプを配置しにくいというだけで、十分に配置可能な地形なのは間違いない。
 最低でも縁のもとへとたどり着く前に30体程のドールタイプと遭遇することを想定していたのだが。
「さて、困ったな」
 小さな声でクロノは呟くが、腕の中にいるアリサは反応をまるで示さない。
 飛行魔法を展開して空を飛び始めてから、アリサは一切言葉を口にしていない。クロノもそこまで賑やかな性格ではないし、沈黙が苦痛とは思わないので一切構わないのではあるが。
 地平線の向こう側、先程光の線が走り抜けていた。十中八九縁の砲撃だろう。視神経の強化を一切行うことなく、この距離から砲撃が目視確認できた。だいぶ近くなった証拠である。
 もしもこのまま何事もなくなのは達と合流した場合の作戦パターンを思い起こしながら、クロノは静かに舌を打つ。
 ドールタイプの襲撃がないのは、想定しうる限りで “最悪” のパターンである。
 どうしたものかと考えながら、クロノは一度抱きかかえているアリサに視線を落とし。

 急ブレーキ。

 その次の瞬間、クロノの前髪をぢっ、と何かが掠める。
 下から上に何かが通過した。ほぼ眼前、顔面すれすれの位置を通り、前髪を掠めて焦がしながら持ち上げる。髪を焦がして持ち上げている時点で質量兵器と思って良いだろう。対物破壊の魔法では、前髪を持ち上げるだけか掠めた髪を燃やすかのどちらかである。
 視界では黒い何かが一瞬だけ見えた気がしなくもないが、見えなかったと表現しても差し支えないほどの超高速の質量兵器。眼前を通過したのが巨大であるならばもっと大きなのが見えたはずであるし、それだけ速いのに髪を掠めて持ち上げるだけなのを考えればもっと小さな物だろう。
 間違いなく銃弾だ。
 そして射手はほぼ真下。
 体勢を一切崩す事なくクロノは急停止し、その僅かな間に相手と場所の見当をつける。
 アリサを抱きかかえた体勢そのままに、クロノはS2Uを展開。展開と同時に空中でバックステップをするように跳び下がる。
 ひゅっ、と目の前を銃弾が通り抜けた。今度は視神経を強化していた為に、銃弾の形状まではっきりと認識できる。単三乾電池よりも細長い。
「スティンガー・レイ!」
(( Stinger Ray))
 銃弾の形状は頭の片隅に置いておきながら、クロノは即座に反撃に入った。
 狙いはほぼ真下。完全な真下よりはクロノの右手寄りを狙い、魔力弾を容赦なく撃ち込んだ。
 その魔力弾は高速で放たれ、狂いなくクロノの予想したとおりの地面を捉え。
「いっ!?」
 そんな声が真下から聞こえた。
 ごそっと不毛の大地の一部が盛り上がり、だがそれは遅く盛り上がった地面をスティンガー・レイが貫く。
 盛り上がった地面を貫いて、軽く砂煙が上がる。
 数秒だけ沈黙が降りた。

 すると突然、スティンガー・レイの魔力弾が貫いた地面が再び盛り上がり――男が出てきた。

 右腕にはナイツ・アーマメントはSR-25狙撃銃を抱え、左手には番傘を持った男、海鳴 恋慈であった。銃弾という時点でクロノの予想通りの人物であるといえる。
 地面の下に潜り、そこからSR-25で狙撃したということか。しかし番傘。一体それでどうやって潜れたのかは謎過ぎる。
 げほごほと咳き込みながら、恋慈はその番傘をぽいと捨てる。その間にクロノはゆっくりと降下を始めた。
「いー、危うく頭に穴が開くとこだったぜ」
「残念だ」
 緊張感のない恋慈の言葉に、少し皮肉を混ぜるようにしてクロノは返す。
 ゆっくりと降下しているクロノは格好の的であるはずなのに、恋慈はその狙撃銃を構えない。アリサを抱えているから狙い易さは一倍なのに。
「てかおいクロノ君、君は一体どんな目してんだ。普通こんな短時間で地面の中の奴まで見つけるかよ」
「銃弾2発の射角と射撃線と辿れば、普通は誰でも予想できるさ」
「……奇襲の対策としちゃ普通じゃねぇよ」
 とん、と軽い音と共にクロノは着地する。
 着地してからゆっくりとアリサを下ろし、そしてそのアリサを庇うように前に出た。
 そのアリサを恋慈はちらりと一度見るだけに留まり、すぐにクロノへと視線を戻す。左手には既に別のカードがいつの間にか握られていた。
「……ま、ここに来たとこ悪いんだが、2人とも死んでもらうしかないんだよ」
 左手のカードを展開、なにやら古めかしいリボルバータイプの拳銃が現れた。日本人としては大柄な体格をしている恋慈からすると、随分と小さく見える大きさしかない。続いてSRー25をカードに戻し、ポケットの中へと押し込むようにしてしまい込む。
 しかしこの男、死ぬとか殺すとか、実に軽々しく口にする。
 そんなズレたことを思いながらも、クロノもS2Uを恋慈へ向けて警戒する。
「悪いねアリサちゃん。君を縁に会わせるわけにゃいかないんだ、流石にな」
「ほう、やはりアリサと会うのは都合が悪いのか?」
「色々あんのさ、縁にも」
 軽い口調そのままに、恋慈は手にしたリボルバー拳銃をゆっくりと向ける。拳銃の側面に “S&W” というマークが打たれていたが、それがその小さな拳銃の名前だろうか。
 ミリタリー&ポリス。メジャーでもないがマイナーと言われるほどでもないが、それを知っているほどクロノは地球の銃器に造詣が深いわけではない。
「ともかく、運がなかったんだよ。死んでくれ」
 その銃口は、まっすぐアリサに向けられていた。
 クロノの後ろに隠れるアリサは、向けられた銃口を真っ向から見返す。見返すが、何も言わない。
 そんなアリサの様子に恋慈は一瞬眉をよせる。
「いや」
 と、その前に立ち塞がるクロノがはっきりと、そして短く口にする。
 わずかに、ほんのわずかに、その口元が笑っていた。

「どうやら僕は、最高に運が良いようだ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 S&Wは社名。
 こんにちはこんばんは、読んでいる人によってはおはようございます、冬モードのクロガネです。春先までバイクは封印かな。

 M10と聞いて分かる人はどれだけいるだろうか。個人的にはM2の方が好きなのですが。

 随分と昔のことなので忘れ去られている感があるのですが、この作中のヴィータ、以前に腕を捥がれても戦っていた事があります。2章6節、NO11。
 この作品ではヴォルケンリッターは見事に人間扱いされていないので、それで不評を買っている訳ですけどね。



 なのは嬢に関して。
 前から化け物だって言ってるじゃないか。
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11件のコメント

[C703]

なんか……テンションがダダ下がりになった……。

いやまあそりゃあなのはだし? しょうがないのかも知れないけど……。
  • 2010-11-17
  • 投稿者 : 春都
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[C704] ・・・

なのはだから仕方ない。
  • 2010-11-18
  • 投稿者 : なまざかな
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[C705] まぁ

○春都さん
○なまざかなさん
 化け物だから仕方がない。
  • 2010-11-18
  • 投稿者 : クロガネ
  • URL
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[C706]

将来は冥王様だから仕方がない。
  • 2010-11-20
  • 投稿者 :
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[C707] めいおー

 次元連結システムだから仕方がない。
  • 2010-11-20
  • 投稿者 : クロガネ
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[C708]

魔王だから仕方がない。


ヴィータもそうだけど、なのはもしぶといな。
  • 2010-11-21
  • 投稿者 : しろ
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[C709] あくまでも

○しろさん
 愛しのアクマイザー3様だから仕方がない。
  • 2010-11-21
  • 投稿者 : クロガネ
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[C710]

全力全開だから仕方ない

躊躇いも、後ろ髪を引かれることもなく、魔導師だったことを切り捨てたなのはさんマジクレバー
  • 2010-11-30
  • 投稿者 : 敬称楽
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[C711] これがわたしの

○敬称楽さん
 全力全壊だから仕方がない。

 うちのなのは嬢は基本壊れているので。
  • 2010-12-01
  • 投稿者 : クロガネ
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[C712] なのは「友達"人間卒業した者的な意味で"に……なりたいんだ」

ちょいまて

この事件終わって仮に縁が死亡ないし行方不明になっても同質?になったなのはは間違いなく同じ様に恐れられるんじゃ……

人間卒業おめでとう
なのは

ある意味縁の同族が生まれた?




なのは「人一人救えなくて何がエースオブエースだ!」

なのは「縁ちゃんに突撃ラブハート!」

ガンザ「高町教導官ー!」



あれ?なのは死んじゃうかこの配役

アリサ「私の歌を聞けぇーー!!」
  • 2010-12-05
  • 投稿者 : ルファイト
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[C713] なのは嬢 「“人間卒業した者同志的な意味で” 仲間になりたいんだ」

○ルファイトさん
 もっとも、縁が忌み嫌われた最大の要因はその外見と、魔導師に対して殺気立っていたせいなのですが。

「お前にラブハート!!」
「金龍大尉ぃぃぃぃぃっ!!」
 うん、最後自爆特攻で死んじゃう。
  • 2010-12-10
  • 投稿者 : クロガネ
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4/6更新 リリカルなのは、短編と呼ぶべきかネタと呼ぶべきか考えた結果これはクロガネ式妄想劇と呼ぶべきなんじゃないのかなぁという曖昧な結論に落ち着きました、みたいなお礼ありです。

魔法の使えない魔法使いの魔法

注意事項!

プロローグ

第1章 『海鳴 縁という少女』
       
基礎情報 第1章終了時点
第2章 『悩み』
         
基礎情報 第2章終了時点
第3章 『誰が為の剣』
           
基礎情報 第3章終了時点
第4章 『教授』
           
基礎情報 第4章終了時点
第5章 『恋ですか?』
           
基礎情報 第5章終了時点
第6章 『切実な事情、迂闊な発言』
           
基礎情報 第6章終了時点
第7章 『縁と看視者』
           
基礎情報 第7章終了時点
第8章 『その言葉、届かない』
           
基礎情報 第8章終了時点
第9章 『失意』
               
基礎情報 第9章終了時点
第10章 『挫けぬ雷刃』
           
基礎情報 第10章終了時点
第11章 『届け、星の光!』
             
基礎情報 第11章終了時点
第12章 『祝福される騎士と風』
 
第13章 『アリサ・バニングスという少女』
第14章 『そして、日常』


本筋関係ないパラレル短編
           

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プロフィール

クロガネ

Author:クロガネ
 鉄と書いてクロガネ。文系の皮を被った理数系。人種差別主義。有神無宗派論者。白衣の天使。瞑想で一日潰したことがある。萌えにも燃えにも反応する。二次元より三次元の方が楽しいと思う。宇宙人未来人超能力者魔法使い等特殊な人間じゃなくて本当に良かったと思っている。変な人といわれる。仲間と言うのはチャレンジャーな人、友人と言うのは変わった人、知人と言うのは普通な人。
 これがクロガネ。
 とりあえずメールはこちら↓
kurogane951@yahoo.co.jp

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